新卒くんと話している間中、視線が私に注がれることはなかった。

それは朝会が終わっても、授業に行くときも、廊下ですれ違っても同じだった。つまり、私の髪型などに興味はないのだ、そう解釈した。
 
新卒くんを好きになってから、ずっとどこかでこの気持ちを消さなければ、という気持ちを抱いていた。今回、一日中殆ど視線も感じず髪型にも気づかない、という時点でそもそも何の気持ちも無いのだろう、ということは薄々分かっていた。
 
これを機に、諦めなければ、消さなければ、と強く思った。頭と心から彼への気持ちを消し去りたい、と切に願った。
しかし、そう考えることで却って新卒くんのことを思い浮かべてしまい、ときめいて心を持っていかれてしまう。そして、僅かでも私に関心を持っていないか確かめたくて、話しかけてしまう。
 
私の話に反応してくれたり、仕事に関して私が言ったことを取り入れてくれたりすると、天にも昇るほど嬉しかった。逆に反応が芳しくないと地面に叩きつけられた気持ちになった。
 
この頃の私は、こんなことを繰り返していたし、新卒くんの気を惹きたくて仕方なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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