布マスクと使い捨てマスクの性能の違い

「アベノマスク」の話題が盛り上がっています。布マスクは性能が低いとか、意味がないとか言われることがありますが、そんな単純ではないと思います。

マスクの性能を判断する時の重要な項目の1つに、フィルターの性能があります。
マスクの素材(フィルター)がどのような粒子を防ぐことができるかです。

まず、いろいろな粒子の大きさはこのようになっています。

粒子の大きさの比較
不織布マスクの性能と使用時の注意

花粉は30マイクロメートル
飛沫は3~5マイクロメートル
細菌は1マイクロメートル
インフルエンザウイルスは0.1マイクロメートル

コロナウイルスは直径0.1マイクロメートルです。
(国立感染症研究所コロナウイルスとは

新型コロナで話題になっているエアロゾルは、5マイクロメートル以下だそうです。
(NHK NEWS WEB(2020/3/18)新型コロナ「エアロゾル」で3時間生存 米研究グループが発表

一方、マスクの性能がどうなっているかというと、これは普通の家庭用の不織布を使った使い捨てマスクですが、

超快適マスク

超快適マスク

「ウイルス飛沫を99%カット」
と書いてあります。
「ウイルス」ではなく「ウイルス飛沫」です。

また、
「ウイルス飛沫:VFE試験」
と書かれています。
VFEはフィルターの性能試験の1つだそうですが、試験にはこのようなものがあります。

フィルターの性能試験
不織布マスクの性能と使用時の注意

VFEは約1.7マイクロメートルの粒子でテストするようです。
つまり、この使い捨てマスクは、1.7マイクロメートル以上の粒子を通さないようになっています。
飛沫や花粉はブロックされますが、ウイルス自体はブロックすることができないことになります。

また、これは興和の三次元マスクの説明の一部ですが、

興和三次元マスク
三次元マスク

このマスクは0.1マイクロメートルの粒子までブロックすることができるようです。
ウイルスの飛沫だけでなく、ウイルス自体も防げる可能性があります。
医療用のサージカルマスクと同等の性能がありそうです。
 
 
布マスクやガーゼマスクは、素材や製品によっていろいろだと思います。
「花粉をブロックできる」とうたっている製品が多いようですが、VFE試験を行った製品もあります。

白元快適革命
白元快適革命

これは10年位前に買ったガーゼタイプのマスクですが、中にフィルターが入っていて、家庭用の使い捨てマスクと同等の性能になっています。
もちろん洗って繰り返し使うことができます。

また、この布マスクも現在は販売されていないようですが、中に不織布のフィルターが入っています。

クリーンラインコーワ
クリーンラインコーワ

スペックは書かれていませんが、普通の使い捨てマスクと同等の性能かもしれません。

一概に、
布マスク=性能が低い
とは言えないと思います。
PFE試験をパスした医療用マスクの性能はないかもしれませんが、家庭用の使い捨てマスクと同等の性能の製品はあります。

それに、マスクはフィルターの性能だけでなく、顔とマスクの隙間が重要です。
いくらフィルターの性能が良くても、空気が顔とマスクの隙間を通ってしまえば意味がありません。
時々、鼻をマスクの外に出している人を見かけますが、あれはダメですね・・

使い捨てマスクを何日も使い続けている人もいるようですが、それと比べたら、布マスクを洗って使った方が何倍も衛生的だと思います。

ちなみに、今回政府が全世帯に配布する布マスクの性能はどうなのでしょう?
税金の使い方としてはどうかと思いますが、どうせ配布するのであれば、性能的に文句を言われないものになっているといいと思うのですが・・