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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、私たちは、自らの主観的な世界の中で生きています。
要するに、私たちが体験する世界は、常に自分自身の意味づけによって脚色されているということです。
言わば私たちは、自らの思い込みによってさまざまな世界を創り上げることができるのです。
例えば、思い込みによって病気を治すこともできます。
その典型的なものが『プラシーボ効果』。
これは、中身が砂糖やでんぷんでできた、体には無害だが何の効果もない偽薬を『薬』だと偽って処方すると、なぜか薬としての効果が発揮されてしまうというものです。
これとは反対に、思い込みが病気を生み出すこともあります。
それには例えば『ノーシーボ効果』というものがあります。
これは、『プラシーボ効果』とは全く逆のもので、先と同じように中身が砂糖やでんぷんでできた、無害な偽薬を処方する際、
「この薬には副作用があり、頭痛や腹痛が起きるかもしれません」
と医者から言われると、実際に頭痛や腹痛を訴える人たちが出てきます。
以前にこんな事件があったそうです。
ある男性が、精神薬の治験で被験者を募集する記事を見つけます。
彼は、最近失恋して落ち込んでおり、そのこともあって被験者に応募することにしました。
そして、1か月の投薬を経て、病状に改善がみられるようになりました。
そんなとき、別れた恋人と口論になってしまい、治験のためにもらっていたカプセルを大量に飲んで自殺を図ってしまいます。
病院に搬送されたとき、彼は、顔面蒼白で、呼吸も速く、血圧が低下した状態だったそうです。
その知らせを聞いた治験の担当者は、慌てて病院に駆けつけ、彼に渡していた薬が『偽薬』であることを告げました。
その途端、彼の体調は元に戻ったそうです。
人間の思い込みとは実に恐ろしいものです。
残念ながら、私たちが抱えている悩みや苦しみも、自らの思い込みによって作り出しているものがほとんどです。
自らの悩みや苦しみから解放されたいのなら、『自分がどのような思い込みをする傾向にあるか』、そのことを知る必要があるのです。
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