話しているのは誰?ー現代美術に潜む文学

話しているのは誰?ー現代美術に潜む文学
国立新美術館ー2019.8.28-11.11

ご無沙汰しております。6月以降、見たものは、画廊での展示、ディミトリアス・パパイオアヌーの舞台(@彩の国)、サントリーホールで清水和音と東フィルの3大ピアノ協奏曲の饗宴、チームラボ(@お台場)などで、個人で美術館へ行ったものは、なんとまあ、この新美の展示(しかも会期末に)のようです。6月以降、10月末までろくに見てないということです。仕事が急に忙しくなったのと、個人的な事情で足を運ぶことができませんでした。

さて、話を元に戻して、この文学と現代美術の関係ということで、作家は6人。女3、男3で、写真が2、映像が1、写真出身のインスタレーションが1名、油画出身の立体系が1名、というセレクトでした。結論からいうと、圧倒的に女性3名の作家の作品が優れていたと思います。特に、山城知佳子、彼女の映像作品が抜きん出ていました。山城の作品は、綿密に、しっかりと、時間をかけて作られた、地元沖縄の基地問題をテーマにした作品でした。普通は、一方的に批判するのがアートのテーゼとして一般化した手法だとしたら、彼女の場合は、そうではなく、反対/賛成、両者の視点を取り入れていれている点と、その圧倒的な演出力の強さ、個性が素晴らしかったです。映像作品は前回の横浜トリエンナーレでもそうでしたが、あまりにも数が多いと、見るのに飽きてしまい、正直、映像作品は好きではありませんでした。が、山城の作品は飽きることがない。食い入るように見てしまう魅力がありました。
kobayashierika
小林エリカの展示風景
あと、小林エリカ。彼女のオリンピックへの綿密なリサーチがすごいと思いました。頭がいい人、という印象です。オリンピックというすごく政治的な事をテーマにしているのに、それを文学やアートと絡めてしまうことができる力のある作家だなと思い関心しました。こういう多面的な作家が今後もどんどん増えていくだろうと思いました。

私がその才能に驚いたのは、小林と山城、この2作家でした。
「文学」との絡みは正直弱いかなと思う作品もありましたが、なかなか良い展示でした。
11月3日は文化の日でこの展示は無料になるそうです。おすすめします!

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