なぜダメ?プロデザイナーがメニューデザインをぶった斬る!第二弾!

プロのメニューデザイナーがお店のメニューをダメ出し企画!ありがたいことに第二弾目の応募がありました!

今回ご協力頂いたのは新橋にある「肉食酒場らいどん」オーナーの石井亮三さん。メニューのダメ出しをする前にお店の魅力についてをしっかりとお伺いしどんな想いをお持ちかをヒアリングしていきます。

 

(どんなシリーズなの?は過去の記事からぜひどうぞ!)
・なぜ、そのメニューはダメなのか? 5つの理由(出張メニュー無料診断モニター店舗様募集中)

・なぜ、そのメニューはダメなのか? 葛西・西葛西「かんぱい家」様の場合

 

サラリーマンのホームグランドを目指す「らいどん」の魅力

長時間に渡り滞在する勤務地はサラリーマンにとっていわば「第二の地元」。東京港区の新橋は多くのサラリーマンにとっての第二の地元ととも言えます。そんな土地柄で肉料理の逸品を手軽な価格で数多く提供されているのが「肉食酒場らいどん」さんです。明日への活力をチャージしてもらいたい!という石井オーナーの想いが込められたお店です。

 

これぞ、隠れ家居酒屋!な料理と接客

常連客比率70%以上!料理は、オーナーの好みで気の利いたものを振る舞い、接客は、スタッフは馴染みのお客さんと会話を楽しむ。料金は手頃な3,000~4,000円程度。さすが「第二の地元ホームグランド店を目指す」は伊達じゃないです。

 

肉逸品の数々。こだわりも強い!

塊肉の炭火焼き・肉たたき・煮込み、などなど。料理好きオーナーが日々アップデートする料理。特に看板料理「牛肉の炭火焼きステーキ」は美味しさも、価格も驚きます。

 

肉酒場にワインがない理由

オーナーが納得する好きなものを。というスタンスは、「ワインはよく分からないから、変なの置きたくなくて。」と一切取扱なし!誠実なラインナップにこだわりが顕れています。

オーナーは大の焼酎フリーク。こだわりの厳選焼酎を日替わりで用意しています。おすすめは大サービスの「厳選焼酎の3酒飲み比べ1,100円!」。一杯500~650円の焼酎を2杯分の価格で、3種飲める!儲けより「焼酎でこの商品にすると、会話が生まれるから。」を重視しているそうです。

 

魅力のまとめ

料理好きのオーナーと接客好きのホールスタッフが肉料理で明日への元気をチャージしてくれる、サラリーマン想いの素晴らしいお店ですが、「らいどんの魅力」をメニューでどこまで伝えることができているのか?しっかりダメ出ししていきます!

 

新橋のホームグランド店をバッサリ開始

今回のバッサリメニューダメ出しポイントは「こだわりが伝わってますか?」です。こだわりは伝わってこそ価値が生まれます。例え、最高級食材を使用しようが、伝わらなければ「高っ!」となるだけなのです。どうやってこだわりを伝えていくのか?ポイントを紹介していきます。しっかりそこをチェックしていきます。

 

こだわりは文章の羅列では伝わらない

MDL

お店のこだわりがいきなり表紙に文章で羅列されていますね。

 

石井オーナー

お通しを書くところを作ろうと思って表紙を作ったのですが、表紙に何を書く?となって入れてみました。

 

MDL

こだわりがたくさんあることはお話から良く分かったのですが、ここにまとめて書いてもまず読まれません。その上、“月並み” なこだわりワードが逆にチープに感じます。こだわりを感じなくなってしまうのです。

 

石井オーナー

そうですか。。。。

 

MDL

表紙という既成概念は特に必要ないと思いますよ。それよりもお店のこだわり料理を紹介することで、「肉食酒場ってどんな料理を出すの?」といった消費者のニーズに応える方がメリットが大きいです。

 

石井オーナー

例えば、どうしますか?

 

「どんな料理を出すの?」を解消してみる

MDL

例えば、「肉食酒場のこだわり三選」として三商品を紹介しつつ商品名の中にこだわりを入れると、
・食肉酒場とは
・こだわり
の2つが同時に伝わります。

炭火焼き➡備長炭焼き牛ホルモン煮込み➡毎朝直送!芝浦~とするのです。

工夫してみた商品名はこちらです。
・備長炭焼き黒毛和牛ステーキ
・備長炭炙りの和牛ユッケ
・芝浦より毎朝直送!牛ホルモン煮込み
いかがですか?

石井オーナー

なるほど!良いですね。

 

 

手書きとパソコン?謎の文字使い分け

MDL

手書きメニュー良いですね!手書きされている方は日替わりメニューですか?けど、すぐ横のメニューも二重表記がありますね…

 

石井オーナー

季節メニューみたいなもんです。前までは全部手書きだったんですがちょっと雰囲気変えてみようと思って。よく変わる季節メニューは手書きが残ってる感じです。

 

MDL

書き分けが曖昧ですね。これだと、手書きメニューばかりに目が行きそこで注文完結する危険性が生まれます。横のパソコン文字メニューもカテゴリが曖昧で注文しにくいです。手書きメニューには日々変わってるという「動」のイメージを伝えられます。逆に、パソコン文字には変わっていない「静」のイメージで安定感があります。そのイメージをうまく利用していったほうがお店の魅力を伝えられますね。

 

石井オーナー

そうなんですね。例えばどうすれば良いですか?

 

「静」と「動」を見開きで表現!

MDL

そうですね。変更するなら見開きを以下のようにします。

・動きのある「旬メニュー」
手書きの方にタイトルを付けましょう。
「季節の肉料理・逸品」など。

・安定の「看板メニュー」
自慢の看板料理をしっかり伝える。写真を追加して定番のウリ感をより強調する。そうすることで素材のこだわりと定番のこだわりが伝わりますね。

石井オーナー

最後のページを前に移動した方がいいんですね。

 

MDL

その方が絶対いいです!おすすめの看板メインメニューが最後のページは絶対ダメです!見てもらいにくい上に、
メイン料理が最後のページだともう料理が大体決まった後にまた変更するか?を悩ませることになりますよ!

 

石井様

はい…参考にします。

 

 

ガッツリ系?小鉢系?ポーション(料理の盛り・量)が曖昧

MDL

肉食酒場というジャンルがどう捉えていいか分かりにくいのですが、やっぱりガッツリを期待する人が多いと思います。実際にお店としてはガッツリ食べてガッツリ飲むというスタンスでメニューを考えてるのですか?

 

石井オーナー

確かに、業態が分かりにくくて、「焼肉屋さんですか?」と来る人もいますね…一皿を2,3名で分けてもらって、お肉をつまみにお酒を飲むイメージで考えています。

 

MDL

それはメニューで全く伝わらないです!まず、ポーション(料理の盛り・量)が分からない。ドカっと来るのか?ちょこんと来るのか?写真がない分、そこの表現はしっかりフォローしましょう!

 

石井様

最近はお一人でも来れるようにハーフサイズの案内もはじめました。

 

MDL

それはもっとアピールしないと絶対にダメです!「一人で来る方でもちょい呑みセットあります。」
くらい店頭訴求しないともったいない!ただでさえ地下店舗は入るのが勇気いるので。

 

石井オーナー

そうですよね。

 

MDL

例えばカテゴリのショルダー(短い文章を入れる)にも「みんなで取り分け」「小鉢つまみ」など補足するだけでも選びやすさが断然変わります。なによりそういった「こだわり肉料理をちょこちょこつまんでお酒を楽しむ」スタイルを伝えていないため分かりようがないのが問題です。そこはメニューだけではなく、サブメニューの指南書などで補足すると良いですよ!

 

石井オーナー

(前回の記事を見て)こんなものを店頭に貼ると良さそうですね。

 

 

ダメ出しを振り返り

常連客の比率が70%を超えるこちらのお店。つまり、お店の魅力は抜群なのです。

問題は、新規のお客様に、来てもらえて、リピート客に繋げる確率を上げることです。そのために、

・帰り道にふらっと入ってもらいやすい店頭戦略
・来店の方にはメニューで楽しみ方のエスコート

こういったことを確実に伝えていくことが重要です。

 

今回の例であれば、お店が抱えるハンディキャップが3点ありました。

・地下にある
・一般的な業態ではない(肉食酒場は焼肉?肉割烹?と人によって認知が変わる)
・利用するなら一人?複数人?

ここ埋めるのにお客任せにするのはやはり無理があります。どんなスタンスで楽しんで貰えれば、このお店が一番魅力的に感じてもらえるか?をお店側がツールを活用して発信することです。あなたのお店で、同じような「もったいないこと」していませんか?

このダメなポイントから、真似できるポイントがあれば是非参考になさってください。本来のメニューの作り方知っていただき、世の中から「もったいないメニュー」がなくなりますように。まだまだ、引き続き、メニューデザインのダメ出しされたい店舗を募集しております。

 

※東京限定です。
申し込みフォーム

 

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今回ご協力いただいた「肉食酒場らいどん」様はサラリーマン、第二の地元「新橋」で、帰り道にふらりと寄る。ちょうどよいホームグランド肉居酒屋です。

肉食酒場らいどん
テイクアウトも始まってます。電話やLINEで注文しておけば、取りに行って持ち帰れます!

【アクセス】
・JR 新橋駅 徒歩5分
・地下鉄銀座線 虎ノ門駅 徒歩5分
・都営三田線 内幸町駅 徒歩2分

【営業時間】
月~金曜日営業(定休日:土日祝)
ランチ11:30~14:00
ディナー17:00~23:00(L.O22:00)
営業時間:定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

【住所】
〒105-0003
東京都港区西新橋1-11-5 西新橋福徳ビルB1
050-3476-8338
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