ついにアメリカ版「三大怪獣地球最大の決戦」こと「ゴジラ2:キングオブザモンスターズ」の予告編が公開されましたねぇ。
VIDEO
いやぁ、ワクワク。
まだシルエットだけど、翼の形状をリファインされたと覚しく、ドラゴン感(=悪魔感)の増したキングギドラが素敵すぎ!
アメリカ版ゴジラには否定的な方も多いのだけど、わたしは90年版(エメゴジ)含めて、比較的肯定派。
という訳で、今回はちょっと肯定論なおはなし。
アメリカ版は、ちょっとやっぱりゴジラじゃないという方が多かったのだけど、いつも思うのが、そもそも、ゴジラ的なゴジラってなんなの?
そう聞くと、たいていは、「破壊神」「水爆の象徴」と判を押した様な答え。
どこかの本の受け売りか?
本当に自分の感じ方や考え方で、自分なりの答えとしてそう答えている人ってどの位いるの?
だって、1作目はどちらかといえば「水爆の象徴」ではなく「戦争そのもの」の象徴として描かれている訳だし、「三大怪獣地球最大の決戦」は、「幻魔大戦」の東丈だし、「南海の大決闘」はキングコングの代役で、「ゴジラの息子」あたりは教育パパ だよ。
84以降は、原子力そのものの象徴であり、”世間の求めるゴジラ像”の象徴だったりじゃないですか?
幻の台本では、巨大美女と海辺でラブシーンあったりするんだよ?
基本的には、香山滋先生が関わった初期2作目以外は”水爆感”って存外、薄い訳で。
ちなみに、わたしの世代は「地球を守った正義の怪獣」。
お風呂の中では、いつだってゴジラが正義の怪獣で、他が悪の怪獣として戦っていたもんです。
そりゃ、生まれた時には「ガイガン」とかと戦っている訳だから、ビデオもない時代、「人間の敵」というのは本でのみ知るデータだ。そっちに感情移入は難しい。
逆に「人間の敵」というのが新鮮だったものですよ。
だからなのか、わたしは、アメリカ版ゴジラ(ギャレゴジ)は肯定派。
とかいうと、「破壊神」偏愛主義の方などから「ゴジラ」ファンにあらずとかいわれた のですが・・・・・・
ゴジラのプロデューサーの田中友幸さんはおっしゃっていた。
「人それぞれのゴジラがあっていい」(要約)
好きなガンダムで世代がわかるという例えが如く、ゴジラも生まれた世代で大きく感じ方は違うと思うのよ。
まぁ、ガンダムも「1st以外はガンダムにあらず」とか・・・割と、ファンの観点がゴジラファンと似ているところがあるのですが・・・・・・というのは余談。
実際、時代によってゴジラへの観方は移り変わっている訳で。
世の中、「ある時点」から「ベストゴジラ」は一作目ではなく「VSビオランテ」ですよ。
上映当時、「面白いけど、なんか足りない」と批判されていたゴジラ作品が今や1位。
世代交代 を感じたもんだけど、つまり、今の若い世代には1周回ってゴジラは「破壊神」。
守護者然としたアメリカ版ゴジラは逆に新鮮だっただろうし、これがまた日本人には不評の一因。
でも・・・・・・
アメリカは深夜テレビやアメコミでゴジラを知った方が多い。
しかもそこで放映されるのは「メガロ」や旧「メカゴジラ」ばかり。アメコミだって、アベンジャーズと戦ったりもしたけど、悪の怪獣と戦うヒーローの一員になったりもした。
つまり、あのアメリカ版は、アメリカ人にとって最もポピュラーなゴジラ像。
にしても平成ガメラだろ、という人もいるが、これも的外れと思っている。
そもそも、「地球の守護者」として描いたのは「ゴジラ対ヘドラ」の方が先。
子供との交流・・・みたいな描き方をされているが、よく見れば、アレは子供の思い込み。
ゴジラは意外と無視している。
空なんて飛ぶからイロモノ扱いされているけども
(わたしは大好き。ムァー、ムゥアー・・・な旋律の多い、眞鍋理一郎さんの音楽が一番かっこいい瞬間でしょ?)
・・・やっぱ、よく出来ている。
これがなければ「シン・ゴジラ」は生まれなかったろうし。
(ちなみに、ゴジラ映画史上、というより怪獣映画史上、最も怪獣による犠牲者が多いのがえぐい)
その「ゴジラ対ヘドラ」の坂野義光監督が(わずかでも)関わっているのだから、そりゃ「地球の守護者」になりますよ。
アメリカ版はドラマが薄くて、特に渡辺謙の芹沢博士がいる意味がない?
おいおい、忘れちゃいけない、「キングコング対ゴジラ」の重沢博士。
この人だって、小難しい説教と解説をするが、本編には特に絡まない。
設定を説明するための狂言まわし。
つまり、正しく”東宝怪獣映画”の”科学者像”を再現しているキャラクターだと思うよ。
みんながみんな、1作目の芹沢博士が如く、アグレッシブに悲劇を背負ってゴジラに立ち向かっている訳ではない。
そもそも日本のゴジラだって、最近はやっぱり・・・
「シン・ゴジラ」も面白かったけど、コレじゃない感はある。
アニメゴジラも、アニメとしてはなかなかに良作なんだろうけど、怪獣映画、ゴジラ映画としては失格 だと思う。
(というか、映像にならない設定部分が無駄に面白いのは、今時のアニメっぽすぎて。メカゴジラは、ちゃんと出すべきだった・・・・・・)
あと、「破壊神」にしても、最強の破壊神であるが故に、最終的には「止められなくては」ならず、それが逆に閉塞感やそんなに「最強でもないかも」感になりかねないジレンマが毎回最大の敵。
だからこそ、アメリカ版ゴジラは逆に”割り切って”最強の怪獣として”抜けきる”ことができている。
わざわざアメリカで創るのだから、アメリカ流のゴジラが見たいし、そうじゃなきゃ、アメリカで創る意味がないと思ってます。
なもんで、そこに、日本人の魂(ソウル)や考え方を持ったゴジラを求めるの違うのでは?
だいたい、アメリカのキャラを日本人がアニメや映画にしたって、彼らが求めるソウルを織り込めているのか疑問だし、そんな時、いうじゃないですか
「日本流に解釈するとこうなった。これが日本の誇るやり方での(アメリカキャラ名)」
そう考えるとアメリカ版ゴジラは、割とちゃんと、どちらも立てているのでは?
前作、ギャレゴジ初登場時の咆哮が(自分も含めて)「おかえりなさい」と多くのファンに感じさせた、日本人にそう思わせただけでも、すごい偉業ですよ。
____________
追記)
監督の発表では、ラドン、キングギドラ、モスラ以外にもサプライズがあるらしいのですが・・・・・・
メガロか!ついにメガロなのか?
それとも・・・・・・本来、ギャレス・エドワーズが二作目に出したがっていたメカゴジラなのか!
あ、でも、そっちは「レディ・プレイヤーワン」でもうやってるからなぁ・・・・・・
まぁどちらでも大歓迎なのですが・・・・・・ただ、
なぜか、やたら(中国資本に買われてからの)レジェンダリー映画にやたら出てくるジン・ティエン (「パシフィック・リム アップライジング」でなんか敵っぽい登場しておいて、おいしいトコロをもって行って作品を駄目にした女優)だけは出なくていいです。
いろいろと、”艶っぽいオトナ”の力学もあるのでしょうが・・・・・・
「キングコング髑髏島の巨神」の時しかり、いらないし。
さすがに、そこまで肯定するほど、ぼくもオトナではないもので・・・・・・