父にキレてしまった。。。
優しくて普段は何事にも・誰にも感謝をわすれない父。だから喧嘩などほとんどしたことがないのに。
認知症になってこれが四回目の喧嘩だ。
認知症の特徴として(年齢によるものなのかもしれないが)我慢が効かないのである。
今、今、いま でないと嫌なのだ。だから、本が欲しいと言ったら=今本が欲しいのだ。明日本屋に行ってくるから待ってて と言っても通じない。
すぐに忘れてしまう自分のことが分かっているからなのだろうか?多分そうではないのだろう。母がバナナの皮一枚ごみがでただけで、皮を握り締めてごみ捨てに走ったように、やはり思いついた今は今でないとだめなのだろう。
はじめての喧嘩は、ご飯が今食べたいのに待たされた事だった記憶がある。その時は母がご飯の支度をしていたのだ。私が帰ってきた時には父の目がイッチャッてたのだ(=やばい人の目だった)。
こういった場面に対応するには、自分だけは第三者になったように俯瞰から見下ろして・言葉を発するのが良いのです。セトモノとセトモノがぶつかったら壊れちゃう!だから一方が柔らかくあれ!ってTVCMをやってますよね、まさしくあれです。でも私も昔はできなかった~。目がイッチャッてる人に力づくでぶつかっていっちゃった。結果→ なにもいいことは無かった。
それから何度となく、腹に据えかねることが起きると、その場面を俯瞰から見るんです(この人がおかしくなったのではなくて、脳の病気のせいだ!と頭で租借し)そうしたうえで、大きく深呼吸するんです!そうすると、怒る気は失せるんです。こうやってぶつかることなくスルーしてきました。
なのに、今回は不意をつかれました。
夏が近づくと、朝明るくなるのがはやくなるせい??か、朝の3時には行動を起こすのです・・・(朝3時ってまだ暗いはずだよね!?)
朝の3時に食器を片づけ始めたのです。普段だったら、まだ早いからもうちょっと寝て片づけてね!と言えるのだが、今回はやっと寝られたところだったのに(毎時間トイレに起きるので、こちらも起きて介助するせいでなかなか寝付けないのです)”起こされた”からでしょう。
「何時だと思ってるの、ガシャガシャうるさいよ!」 と口をついてしまったら、
父は「もう夜だ!」って。
どこが夜じゃい!となり、寝起きで・脳みそも動いていない私は、訳わからず不満を述べはじめてしまったのです。
しまいに父は、「あのね、もっと優しく話しなさい、女なんだから」と。 しごく冷静で・・・。
(さっきのセトモノとセトモノのTVCMのように、父はマシュマロになってくれていたのだが、拾った喧嘩(笑)引くにもひけず)、 ”女なんだから”(優しく話しなさい)という言葉に噛みついてしまったのだ!
「優しくなれ って言ってますけどね、あたしはね女も捨てなきゃいけなかったのよ、お父さんやお母さんの面倒をみなきゃいけなかったんだから!」
「働き盛りだったのに、大好きな仕事も辞めなくちゃいけなかったんだから」
「結婚だって!!」 と・・・。
全部200%両親のせいにしてちゃっている自分。
悲劇のヒロインにしちゃってる自分。
止まらなかった・・・。
自分でもビーキャー言いながら、あたし親のせいにしてると思ってた。
全部自分の意思で決めてきたのに、全部親のせいにしてるって・・・。
お父さんは、理解はできなかっただろうし、もう覚えちゃいない。
でもね、認知症はちゃんと相手の心の声はキャッチしてるんだよ。
相手が怒っていれば、悲しいと感じるし・委縮もする。相手が淋しそうなら、可哀想と感じるし・じっとしている。相手が一生懸命頑張っていれば、いい子にしようとしたり・お手伝いしようとしたりする(→これが健常者には重荷になることが多いのだが(笑))
わかっているから、マジお父さんごめなさい。
でもねお父さん、あたし13年分の不満をぶつけられて、ストレス発散できちゃったところもあるんだ。実はお母さんにも昔同じことを一度してしまったことがある。罪悪感で2度と口から出てこなかった。これが最初で最後だから大丈夫だよ。
認知症のご家族を支えるときには、
すぐに忘れてしまうほど記憶は短命だけど、心の声はとても敏感にキャッチできるということを忘れないでいてください。その声はきっと認知症の方の心に残るんだと思うんです。
でも同時に、ご自分を守るために、我慢は度々吐き出す事も忘れないでくださいね。
私みたいにすべて親のせいにした核爆弾を落とさないように。
あー、やっぱ反省ー。