----------------------------------------------------------------------------------------------

排卵すれば卵管内に入るの?

1.卵管采と卵子

 

■卵子は卵管采がピックアップする

卵管は、子宮底(子宮の一番奥)の左右にある長さ約10センチ、内径約1ミリ前後の管です。外側端は、腹腔に開口していてラッパ状に太く、イソギンチャクのような触手があり、これを卵管采といいます。

子宮を真ん中にして、卵巣と卵管は左右に1つずつあります。

子宮、卵管、卵巣はそれぞれが独立しているわけではなく、実際には卵巣と卵管は卵管間膜という子宮広間膜の一部に覆われていて、これらと子宮が子宮広間膜によって支えられています。ですが、卵管采だけは自由に動けるように膜の外側にあります。

 

排卵は、卵巣のどこから起こるかはわかりませんが、排卵される頃になると卵管采が卵巣を覆うようにして排卵されてくる卵子をピックアップするといわれています。

また、左右のどちらかの卵管が閉塞していたり、機能がよくなくても、反対側の卵管が機能していれば、左右どちらの卵巣から排卵されても卵子をピックアップすることができるといわれています。

 

 

どのような卵子がいいの?

2.受精できる卵子できない卵子

 

■排卵された卵子が受精できる卵子とは限らない!

長い時間かけて卵胞は成長し、排卵周期に入ると月経周期のホルモンの影響を受けて卵胞は育ちます。

FSHによって大きく成長し、LHによって成熟した卵は第一減数分裂を完了させ卵子を排卵します。

 

第一減数分裂が完了した卵子には、卵子の細胞質内に1つの核があり、細胞質の外、透明帯の内側に1つの極体(細胞質を持たない核のみ)があります。つまり、1つの核と1つの極体を持つ卵子が受精できる卵子(MⅡ期)ということです。

体外受精で採卵される卵子の中には、極体が放出される直前の未成熟卵子(MⅠ期)、さらに未成熟な卵子(GV期)の場合もあり、MⅠ期については体外培養で成熟する可能性がありますが、成熟卵子に比べ受精率はかなり低くなるようです。

 

 

 

受精できればいいの?

3.質のいい卵子とは?

 

■受精した卵子が質がいいとは限らない

排卵された卵子に、1つの核、1つの極体があり、十分に成熟した卵子であると確認できたとしても、それが「質のいい卵子」であるかどうかというのは、また別な問題です。

成熟した卵子は、受精のできる卵子ではありますが、その質が保証できるものではないのです。

例えば、染色体の問題があります。

卵子に1~22番の常染色体が1本ずつ22本あることと1本の性染色体があることが重要ですが、どこかの染色体が2本あったり、1本もなかったりと過不足が生じることがあります。例えば常染色体のいずれかが2本あることで、精子と受精したことにより2本が対になるところが3本になる染色体がでてきます。よく知られれるのが21トリソミーで、これは21番目の染色体が3本ある異常で、母体が高齢になると多くなってきます。

 

受精後の染色体異常については、細胞が4個、8個と分かれていく際に染色体の異常がすべての細胞に起こる標準型と、そのうちの1個に染色体異常が起こり、その他は正常で、それらが共存している状態をモザイク型と呼んでいます。

8細胞期までは、卵子の力で胚は成長し、分割していくといわれていますので、卵子に力がなく正常に分割していくことができないと染色体異常を起こすケースも増えてきます。

 

最終的に質のいい卵子は、受精をし、順調に胚が分割、成長し、着床する。そして、流産を起こすことなく無事に生まれてくることができた卵子ということになるでしょう。

 

i-wishママになりたい 卵と胚と着床