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初めての体外受精は、わからないことだらけ、初めてのことだらけで1日1日を間違いなくこなすのに必死だったかもしれません。

自己注射を選択した人は、自分自身に針を刺すことにも毎日ドキドキだったことでしょう。また、決められた時間に薬を飲む、使うことに緊張していたかもしれません。

 

まずは、それらのことも含めて、どのような方法で、どのようなことを行って、どのようなことが起こったかを振り返ってみましょう。

そして、順調だったこと、困ったこと、よくわからなかったことなど治療を追って振り返りながら、次の治療周期には、それらを踏まえて、どのような治療を希望するか整理していきましょう。整理をしていく中で、今回の疑問点や次周期に希望する治療方法などがより明確になってくるでしょう。そして、体外受精という治療方法と自分たち夫婦の状況への理解も深まり、次の治療周期はさらに納得できる治療を受けられるでしょう。

次の治療周期の計画で子どもを授かるために、今できることを!

 

 

1回目の治療周期はどうだった?

治療周期を見直してみましょう

 

どのようなことを行った?どのようなことが起きた?

1回目の体外受精治療周期は、どのような方法で、いつスタートしたか、体にどのような変化が起こったかなどを振り返ってみましょう。

まずは、客観的に治療に関することだけを拾い集めていくことをしてみましょう。これまで受けた検査の結果は、基本的には一通り報告書などを渡されていると思います。それを日付順にして、データとして用意しておきましょう。

 

 

順調だったこと、ちょっと困ったこと

 

用意したデータを治療周期のスタートから並べ、日付を追って順に見ていきましょう。

まずは、治療周期スタート時のホルモン検査の結果についてです。月経周期初期のFSHとLHの値、胞状卵胞の数を自分の現在の基礎値として、排卵誘発法の最終決定と薬の選択、投薬量などが決められます。

 

 

① 排卵誘発は順調だった?困ったことは?

 

排卵誘発法は、どのような方法だったか、どの薬を、どれくらい使ったか、またそれによってどれくらい卵胞が成長したのかなどを中心に、治療周期に沿って一つひとつを振り返っていきましょう。

治療周期の期間は、排卵誘発法によって異なります。調節卵巣刺激法の1つ、ロング法の治療周期は、採卵手術をする前周期の黄体期の中期からスタートし、ランダム法の場合には、月経周期に関係なくスタートしています。そのほかの方法は、月経周期とともに治療周期がスタートします。

 

薬の使い方も排卵誘発方法によって違いはありますが、薬の開始日と期間、投薬量、投薬方法などを書き入れましょう。特に鼻にスプレーする薬は、決まった時間の投薬となります。注射については、自己注射を選択する人の割合が増えていることから薬の管理や使用済みのゴミの保管と返却などのこと、そして通院については、通院時間を確保することの心配や難しさもあったことでしょう。

 

また、重要なのは卵胞の成長の確認です。投薬を開始後、診察日が何回あったか、そのときの卵胞の数とサイズ、ホルモン値なども見てみましょう。低刺激法の場合、基本的には服薬になりますが、卵胞の成長によって注射を足すこともあります。服薬開始後の何回目の診察日に注射を足すことになったのか、またその時の卵胞の数とサイズやホルモン値などの状態も確認し、注射の追加との関係も見ておきましょう。

また採卵手術が決まった日、その判断となるホルモン値や卵胞の大きさなど、採卵手術前の投薬についても薬剤名や量、投薬時間などを確認しましょう。

 

順調に進んだこともあれば、途中で困ったことや心配に思ったこと、不安を感じたりすることもあったかと思います。そうした細かなことを含めて、カレンダーなどに書き込んでいくと、夫婦で確認しやすくなりますので、ぜひやってみましょう。

 

 

② 採卵できた卵子は、どうだった?

 

受精の方法は?

採卵前日の睡眠や採卵手術の当日の体調や心境、また手術前に行った検査や簡単な手術時の様子などを思い出してみましょう。

 

・服装は大丈夫だった?

手術前には、術衣に着替えなければなりません。また麻酔の方法によっては、術後はうとうとした状態で安静が必要になり、起きられるようになってからも少しフラフラする場合もあるため、着ていくものは簡単に着脱できる服にしましょう。また、化粧はしないこと、ネイルなども落とすようにと注意されることもあるので、きちんと指示に従いましょう。当日、あたふたしてしまうことがあった場合には、それらのことも合わせて振り返ってみましょう。

 

・痛みや麻酔で困ったことは?

手術の麻酔については、無麻酔で行うこともあります。実際に採卵手術を受けてみて、やはり痛みが強く、恐怖心が残っているようでしたら、次に採卵手術が必要となった場合には、医師に伝え、麻酔を検討しましょう。

 

・採卵した卵子の数や質は?

採卵できた卵子の個数、状態などは、手術の後に説明、また、採卵できた卵子の数と排卵誘発方法の関係、卵巣の機能なども合わせて、自分たちが納得できる内容だったのかも考えてみましょう。

 

・受精方法と採卵方法

受精方法の選択は、精液検査の結果によりますので、どのような状態だったのかをきちんと理解しておきましょう。採精方法は、病院や自宅などになりますが、採精に時間がかかったり、落ち着かなかったりした場合は、次回は採精を2人でしてみる、また場所を考えてみるなど、なるべくリラックスでき、ストレスの少ない環境を考えましょう。

 

 

③ 胚は順調に成長した?

 

グレードはどうだった?

採卵以降は自分たちの体を離れ、培養室で卵子も精子も管理され受精し、胚は成長していきます。

 

培養室を直接目で見ることのできない治療施設がほとんどですが、どのような機器を使って、どのように受精、培養されているのかを知っておくことも大切です。

通院する施設のオフィシャルサイトに施設案内の写真が掲載されている場合には、一度、確認しておきましょう。

 

胚を培養するインキュベーターはさまざまあります。個別タイプは、夫婦ごとに設けられた区画で夫婦の胚のみを培養します。胚培養をする際、胚の成長を確認するためにインキュベーターから出して顕微鏡で観察しますが、この時、多少なりとも小さな胚にはストレスがかかります。

 

何組かの夫婦の胚を培養する共同タイプのものは、インキュベーターの扉を開閉する度に庫内の温度やガスの濃度などが変化し、それが庫内で培養を続けている夫婦の胚にストレスを与えることもあります。しかし、個別培養タイプは、専用の扉があるためこのストレスを受けることがありません。

最近では、タイムラプス型インキュベーターで胚を培養する治療施設も増えてきました。数分ごとに胚の状態を撮影し、それを連続して再生することで動画のように胚の成長を観察することができることから、インキュベーターの外に出す必要がなくなり、胚のストレス軽減につながっているようです。

 

こうした培養環境の中で胚がどのように成長し、グレード評価はどうだったか、また成長を止めてしまった場合は、いつ、どのような状態で、なぜ止まってしまったのかなどの説明が医師、または培養士からあったかと思います。それらのことも振り返りながら、疑問に思っていることなどを確認していきましょう。

 

 

④ 胚移植は、どのように?

 

胚移植には大きく2通りあり、排卵誘発を行った周期に移植をする新鮮胚移植と、もう1つが凍結融解胚移植です。初回の体外受精の場合は新鮮胚移植を行い、2回目からは凍結融解胚移植を行う施設もあれば、初回から凍結融解胚移植を積極的に行っている施設もあります。

 

また、それぞれ初期胚、胚盤胞と、どのステージでも移植をすることができます。1回目では、どのステージで移植したのかを確認し、2回目を検討することが次回の胚移植の方法選択にもつながります。そして、凍結胚についても、どのステージで凍結しているかを確認しておきましょう。

 

胚移植の方法は、それぞれメリットもデメリットもあり、いずれの方法が適しているかは、初回の胚移植ではわからないこともあります。ただ、胚の凍結融解技術も上がり、これによって子宮内膜の状態をより着床に適した環境に整えることができる凍結融解胚移植での妊娠率が、新鮮胚移植よりも統計的にも高いことがわかっています。

 

凍結胚がない場合には、次回も排卵誘発が必要になります。次回は、どのような排卵誘発法にするのがよいのかを自分たちなりに考えるためにも、治療スケジュールの全体を整理しておきましょう。

 

 

i-wishママになりたい 2回目からの体外受精