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不妊原因のなかで多いのは

 

近年、不妊治療に通院する女性の年齢が上がってきています。多くの治療施設で患者平均年齢が30代後半になっており、なかには40代に突入した治療施設もあります。

女性が妊娠しやすい期間は、20代~30代前半といわれていますが、不妊治療に通う女性の年齢層は30代後半に多くなっています。それは、日本産科婦人科学会が毎年、発表するARTデータを見るとよくわかります。

2016年に行った体外受精の治療周期数(グラフ1)を見ると、総治療周期数は30代後半から一気に増え、38~42歳がピークで、患者の年齢層が集中していることがわかり、1年間に複数回の治療を行っていることが伺えます。

そして、不妊原因は年代ごとの特徴があり、20代と30代前半には排卵の問題の割合が多いのですが、30代後半からは年齢の問題もあげられるようになり、40代では年齢の問題が不妊原因としてもっとも多くあげられています。

また、卵子の問題、胚の問題も女性の年齢に大きく関係していることから、それらも加味していくと40代の不妊原因の半数以上が年齢に関係していると考えられます。

 

 

では、どうすればいいの?

 

年齢の問題は、残念ながら取り戻すことができません。容姿が若く見えても、卵巣や卵子は、正直に年齢を重ねてきたと考えるほうがいいでしょう。

では、どうすればいいのでしょう。治療については、年齢を考慮しながら、できる限りのことに挑戦していくこと、そして今の状態を維持していくことが大切です。

年齢によって低下していく体力やさまざまな栄養素、ホルモンの分泌量は、日頃の食生活や運動で補うことと、睡眠を十分に取り、規則正しい生活をすることが大切です。

「あぁ、もう年齢のことを言われたら、どうしようもない」

と思うかもしれません。実際の妊娠率はグラフ3を見てもわかるように、年齢を追うごとに低下し、40歳以上になると、1歳ごとに厳しくなっていきます。

確かに、年齢を取り返すことも、時間を巻き戻すこともできないことは事実で、グラフ1でもわかるように40歳以上の妊娠、出産数は大変厳しいことがわかります。

このように年齢によって厳しくなっていくことを十分に考え、後悔のないように治療計画を立てていきましょう。

 

 

治療計画を立ててみよう

 

まず、現時点の年齢での治療計画を立ててみましょう。治療周期を始め、妊娠判定が出る時期、順調に妊娠生活を送り出産となる年齢を大まかに書きましょう。

次に、何歳で子どもが生まれることを希望するかも考えて、出産したい年齢から治療周期を逆算して計画を立ててみましょう。

妊娠がわかってから子どもが生まれるまでには10カ月がかかることから、妊娠する時期、治療を開始する時期などを逆算していくと、今置かれている状況と治療方法で赤ちゃんを授かるには、どのように治療を選択していったらいいのかが見えてくるかと思います。例えば、人工授精に挑戦しているのであれば治療周期数はどれくらいを目安にするか、体外受精に挑戦中であればどのように治療方法を見直していくかが具体的に考えられるようになるかと思います。

女性の年齢は、妊娠に大きく影響します。それは、卵子の質や胚の質の低下が、女性の年齢と関係しているからです。このことに目をそらさず、また悲観的にならないよう、しっかりと受け止めながら治療を進めましょう。

 

 

 

i-wishママになりたい ステップアップ治療は あり?なし?