------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

定義としては、 2回以上の流産、死産、あるいは、早期新生児死亡(生後1週間以内の赤ちゃんの死亡) がある場合を不育症とし、流産を繰り返す方も不育症に含まれます。

ただ、流産を繰り返し経験した方も、その後の妊娠で80%以上の方が出産されています。 不育症の方の中にも、 偶発的な胎児染色体異常による流産を繰り返した方たちも、多くいることが推測されます。偶発的流産は、次の妊娠には影響を及ぼしません。 そのような方たちは、特別な治療を行わなくても次の妊娠で十分に出産が期待できますので、 安心して妊娠できる環境が何より大切となります。 しかし、60%程度の夫婦に何らかのリスク因子が見つかるとの見解もありますので、2回以上の流産を経験された場合は不育症検査を受けてみましょう。

 

 

流産を起こした週数によっては

不育症かも

 

1回の流産であっても、不育症を疑うことがあります。それは、胎児の心拍確認以降、特に胎盤ができてくる妊娠10週以降で、胎児に染色体異常のない流産や死産、また重症の妊娠高血圧症候群により胎児の発育が遅かった妊娠を経験した場合です。

この場合、胎児の染色体異常ではなく、他のリスク因子があることが考えられ、不育症検査を検討したほうが良いといえるでしょう。

不育症は、基本的に胎児に染色体異常がない流産を起こしたケース、流産の要因となる何らかのリスク因子が見つかったケースとなります。

 

 

私は不育症なの? と悩んだら

 

流産や死産を経験した人の中には、自分はこのまま子どもを授かれないのではないかと悩んだり、辛い経験をするくらいなら諦めようと考えたりする方もいるかもしれません。

しかし、不育症に悩む人の約85%は、その後無事に出産することができているという調査報告があります。

 

不妊治療バイブル2020