i-wish 相談コーナーに日々寄せられる相談より連載

 

 

初めての採卵で11個の卵子が採れ、5個が受精したのですが、すごくグレードが低い状態なので今のところ妊娠への可能性としては非常に低いみたいです。とりあえずもう少し培養を続けて来週、最終結果を聞きに行く事になりました。

 

結果次第でその5個の卵の中で1つでも質の良い卵に育ってくれたら胚移植する事が出来るけどできない事もあると言われてしまいました。

また、1回目の治療は検査も含めての治療となり、1回目で成功する人は少ないといわれました。今回、駄目だった場合には、次は顕微授精になる可能性が高いとおっしゃっていました。

 

とりあえず次の診察日まで様子をみて、質の高い卵が出来ている事を願いましょうと言われましたが、絶望的な気分です。

卵巣は、少しまだ腫れてはいるけど問題はないと言われています。

こういう状況であっても培養して胚盤胞まで育ってくれることはありますか?

 

 

 

さて、採卵できた卵子が胚盤胞へと到達するには、まずは精子と受精をして胚が分割成長していく必要があります。体外受精の場合、受精する率が60%で、そのうち胚盤胞まで成長していくのは半分といわれています。つまり10個採卵できたとしたら6個が受精し、そのうちの3個が胚盤胞まで到達するという計算になります。これは、卵子の質によって違い、卵子の質には年齢が大きく関与しています。

 

この確率を元に考えてみると、5個受精しているわけですから、まずまずの結果です。次に胚盤胞となりますと、確率からすれば2~3個ではないでしょうか。実際にそうなってくれるといいのですが、胚の成長には卵子の質が大きく関係し、また5個それぞれの胚の成長にも差があるため、成長するのに時間がかかる胚もあれば、胚盤胞まで育たない胚もあるでしょう。

 

また、分割胚の時にはグレードの低かった胚でも、きれいな胚盤胞になることもありますし、その逆もあります。そして、グレード評価が低かった胚でも移植して着床、妊娠して子どもへと育っている現実もあります。

こう考えると、今のお気持ちはわかりますが、絶望的と落胆し過ぎることもないでしょう。これから、胚盤胞までの到達を待って移植を検討されるようですから、それまで待ちましょう。

 

胚盤胞になっていれば移植は可能になりますし、結果うまくいかなかった場合でも、卵子は採卵できて受精の確認もとれているのですから、次に生命力の強い胚ができれば良い結果に繋がると思います。

 

これまで性生活や一般不妊治療では確認できなかった卵子や受精、胚の成長が体外受精を行うことによって確認できたこと、それは大きく一歩前進できたとして自分を褒めてあげるのも大切なことです。

今後のことですが、疲れた時には休みながら治療をするという気持ちを持っておくとよいかと思います。

 

不妊治療情報センター