朝、なかなかすぐに起きることが難しく、長年そのことに悩まされてきました。

今回は、そんな私の「起きられない」人生の歴史と、それに対する工夫についてお話ししたいと思います。

〈「起きられない」そんな私の苦悩の日々〉

私は、幼い頃から朝起きることが大の苦手でした。

幼いころは、まだ小さいからだろうと楽観視していた両親ですが、私が小学校に上がる前にはさすがに頭を抱え始めたそうです。

それくらい、私の起きられなさ具合は尋常じゃなかったようです。

毎朝のように、起こしても起こしても起きない私は、ぼんやり寝ぼけていると言う生やさしいものではなく、まさに意識が朦朧としていると言った状態だったそうです。

そのため、毎日毎日登校班には間に合わず、学校まで母の車に乗せられて、半分寝たままの状態で送ってもらう、と言った日々でした。

そのため、毎日毎日車でやってくる私は、同級生の絶好のからかいの的でした。

先生たちにも、早く起きて自分で登校するように注意されることもしばしばでした。

そんな学校生活を続ける私に、両親も深刻に悩んでいたようです。

ついに、私は病院を受診することになったのです。

病院を受診して分かったことは、私が血圧が低いこと、つまり低血圧であることと貧血気味であると言うことでした。

医師によると、恐らくそれが朝起きられない原因であろうとのとのことでした。

ある程度の原因が分かったことで、医学的な対処ができるようになったことで、気持ち的に楽になり、安心したと当時を振り返りながら両親が話してくれました。

とは言え、医学的な対処だけで100%〈起きられない問題〉が解決したわけではありませんでした。

これからが私と両親の工夫の日々が始まりでした。

〈まず、試してみる!起きるための工夫を繰り返す日々〉

まず、起きられない私に対して両親が始めたこと、それは〈起きるべき時間の2時間前から私を起こす〉と言うことでした。

そのためには、両親はさらに早起きをしなければなりません。

それを考えると、ただただ頭が下がります。

具体的には、起きるべき時間の2時間前に父が私をゆり起こします。

私が返事をするまでゆり起こし続けます。

私が返事をすると一旦、揺り起こすのをやめます。

その後、もちろん私はすぐには起き上がらないので、ひたすらそれを繰り返すのです。

それを毎日毎日、繰り返してくれたのです。

効果の程は、なかなか労力はかかりますが、何とか自分で学校に登校できる日が増えました。

両親は、それはそれは嬉しかったと当時を振り返ります。

それでも、私がスッキリ起きられるようになったと言うわけではありません。

次に、両親が考え出した作戦が、〈朝日を私に浴びさせる〉と言うことでした。

まずは、私の部屋のベッドを朝日が差し込む場所に移動させることからが始まりです。

両親が2人でエッサエッサとベッドを移動させてくれました。

ベッドを移動させたら、それで終わりではありません。

いくら朝日が差し込む場所に寝ていると言っても、そう簡単に私が起きるはずはありません。

そのため、朝日が差し込む時間になると私の部屋のカーテンを母が開けに来てくれるのです。

カーテンを開けたら、次は私を起こすために声をかけます。

一回や二回で完全に私が起きるはずもありませんから、それを何度となく、両親どちらかが繰り返すのです。

ほとほと手のかかる子供だと、我ながら思います。

この作戦は、そこまで劇的な効果を生んだわけではありませんでしたが、私の実感としては一度起き上がってからのスッキリ感が以前より感じられたように思いました。

さらに、両親は私が気持ちよく起きられるようにと工夫を凝らしてくれました。

それは、やっとの思いで私が体を起こしたら、母がホットココアや甘酒をベッドまで持ってきてくれ、飲むように差し出してくれました。

それを寝ぼけ眼で、無心に飲むことから私の一日は始まりました。

これは、なかなか効果的で、私がベッドから出てくる時間が早くなりました。

私の場合、起きるのには段階があります。

まずはベッドに横になったまま返事をする、それからベッドの上で起き上がる、最後にベッドから出ると言った具合です。

高校を卒業するまでは、こんな日々が続きました。

大学を進学を機に、一人暮らしを始めることになった私は、また、新たな起きられない問題が頭をもたげ始めました。

なぜなら、当然のことながら直接両親が起こしてくれることはなくなるからです。

不安でしたが、「やるしかない!」と私は気合いを入れました。

しかし、完全に両親の助けを借りないわけにはいきませんでした。

朝一から授業がある時は、朝モーニングコールをしてもらっていました。

私自身も余裕を持って目覚ましをかけてはいましたが、それだけでは心許なかったからです。

幸い、大学時代は自分で授業をある程度選択できるので、朝一の授業はなるべく避け、なんとか乗り切ることができました。

しかし、社会人になるとそうはいきません。

一層気合いを入れると同時に、やはり不安だったため、私は地元で就職し、めでたく実家暮らしに戻りました。

今では、以前ほど両親を煩わせることは少なくなりましたが、たまに両親に起こしてもらうことが未だにあります。

私自身も起きられないことで苦労もしましたし、悩みました。

しかし、それ以上に両親は悩み、苦労が絶えなかったと思います。

そんな両親には、本当にどんなに感謝しても仕切れないほど感謝の気持ちでいっぱいです。

私の拙い文章を読んでくださり、ありがとうございます。

少しでも、私の話が朝起きられない方のヒントになれば幸いです。