週刊今川氏真詠草&おんな城主直虎の不都合な真実 Vol.28 6月28号
(2020/06/21-06/28)


今宵は苦悩する貴公子今川氏真の長歌他三首をご紹介します。

 

今川氏真は天正四年(1576)に徳川家康から牧野城を任されたが、翌年には解任されたと考えられています。

 

しかし、天正四年(1576)年末と思われる「普門品」の和歌は出家遁世の意思を示し、「懐旧」の長歌は戦国の世に同胞相討つ悲しみと苦悩を詠んでおり、氏真自らの意思で牧野城を離れたと考えられます。

 

以下ご覧ください。

 


追善に 普門品 懐旧
迷はめや思ふ心をまほに揚て弘き誓の海渡る舟(1―416)

 


世中は 何をうつゝと 白露の 結ひもとめぬ 月日にて 
うつり過ぬる 秋の露 をきては忍ひ むは玉の 夜はすからに 
思ひねの 夢にもあはぬ きし方の 程なく年は 
くれ竹の 同よなから あふ事の 境ことなる うらみのみ 
ありその海の なみかけて 鳴や千鳥の あとをさへ 
つけぬ余に 木からしの 森のこのはの 朽やらぬ 酬はつるに 
そきぬには くりかへすなる 事もやと 問はんとすれは 
いなつまの 光のうちに やとりつゝ 身を憑むなる 
はかなさの 数は数にも こゆるきの いそかぬ齢 
ふる雪の ふしの煙と きえかへる 思ひをいはば 
中〱に あさはかならん あさましと 心ひとつに 
うらみ侘 只つら〱と さしむかふ 鏡にうつる 時の間の 
影をまことゝ したひつゝ 我よ人よと いたつらに 
あらそふ物を 誰とさためむ(1―417)

 

 

返哥
忘てはしたふもはかな世中のうつゝも夢の昔かたりを(1―418)

 


いかがでしょうか。享楽的で暗愚なイメージが流布されてきた氏真ですが、そのような虚像とは異なるその内面がよく表れているのではないでしょうか。

 

天正三年(1575)のものとされる今川氏真詠草は、信長に会うべく上洛を始める希望あふれる時期に始まり、失意のうちに「諏訪原」(牧野城)を去る明暗が印象的な作品です。

 

懐旧の長歌が詠まれた背景については、『マロの戦国III 今川氏真の発心』に書きましたので、よろしければご覧ください。

 

マロの戦国III 今川氏真の発心
https://ncode.syosetu.com/n9023fg/1/

 

なお、返哥の表現が岡部元信宛の武田勝頼書状と類似しており、注目されます。

 

「懐旧」の現代語訳他、今川氏真詠草解読の詳細は、アマゾン電子書籍で販売中の拙著『評伝今川氏真 みな月のみしかき影をうらむなよ』をご覧ください。

 

以下過去ツイート再掲です。


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今日も氏真さんの一首を。

 

 郭公を折〱に読し
名残ありやよこ雲なひく天のはら月細き音の山郭公(6ー215)

 

天正十二年(1584)夏。氏真はホトトギスを好んで詠み、月と山をよく詠み込んでいる。
#今川氏真
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#評伝今川氏真みな月のみしかき影をうらむなよ


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そうですけど、何か?(^^)

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今日も氏真さんの一首を。

 

 五月雨晴
庭の面はみかさなみより照すひに五月雨残る軒の下露(2ー27)

 

天正五年(1577)夏。五月雨の後の晴天を喜んだ。牧野城を出た後、この頃の歌は遁世を志した者らしく物静かな印象だ。
#今川氏真
#今川復権
#評伝今川氏真みな月のみしかき影をうらむなよ


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今川氏親公命日の今日も氏真さんの一首を。

 

 追善に 普門品
迷はめや思ふ心をまほに揚て弘き誓の海渡る舟(1―416)

 

天正四年(1576)。祖父没後50年目の冬、武田方の今川旧臣調略が進まず苦悩した氏真は牧野城を出る決心をした。
#今川氏真
#今川復権
#評伝今川氏真みな月のみしかき影をうらむなよ


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さもんじさんのその後のツイートによると、実隆さんの発音は「だい」と「ぢゃあ」の中間音だったそうですwwwwww
「あ」と「い」の中間音も難しいと思いますが、「d」と「j」または「dz」の中間音ってどう発音するのでしょう???wwwwww


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今日も氏真さんの一首を。

 

 東山のほとりにて
めつらしと聞こそかはせなつ山の山ほとゝきすうくいすの声(6―28)

 

天正五年(1577)牧野城を出て上洛した頃の一首か?「詠草中」冒頭の和歌は若干の移動や重複が見られる。
#今川氏真
#今川復権
#評伝今川氏真みな月のみしかき影をうらむなよ


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水を「くらえっ!」という感じでぶち込んでるのが愛嬌があっていい(^^)

bouncy / バウンシー
@bouncy_news
今日は和菓子の日、ご一緒に抹茶はいかが?湯のみ
茶道ロボが点ててくれるお茶はどんな味があるんだろう口を開けて目が笑っている笑顔
#3時のおやつ


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しぶい(^^)

佐もんじ
@tjgp_w57
三条西実隆は学芸にすぐれた公家だったけれど、いかんせん滑舌は悪かったとか。
実隆が「舌足らず」だったせいで、伊勢物語や源氏物語の「大納言」を「ぢゃあなごん」と読む口伝が生まれた、と近世の随筆に書かれてしまっている。(『安斎随筆』巻之十七、『関秘録』八等)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/771900/24


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今日も氏真さんの一首を。

 

 祝言
国安く民豊なる代なれとは君か為にも身をいはふ也(3―100)

 

天正七年(1579)?氏真は日本の安寧と民衆の幸福を願う歌をしばしば詠んでいる。
#今川氏真
#今川復権
#評伝今川氏真みな月のみしかき影をうらむなよ


週刊 #今川氏真 詠草&#おんな城主直虎 の不都合な真実 Vol.28 6月28号
(2020/06/21-06/28)