マイナンバー違憲訴訟原告のブログ

とある原告の視点からマイナンバー制度を考えてみたいと思います。

マイナンバー違憲訴訟神奈川、第7回口頭弁論

 先月29日に開かれたマイナンバー違憲訴訟神奈川の第7回口頭弁論をレポートしたいのですが、その前に横浜地裁ですが、先月から来庁者に東京地裁のような手荷物検査をスタートさせました。

 東京地裁と異なるのは、手荷物に関してはX線を通さず係員の確認のみの簡易検査であり、果たして意味があるのかという疑問を覚えました。

 調べてみると、地方でも今年から手荷物検査を始めた裁判所がチラホラあるようですが、背景にいかなる理由があるのか知りたいところです。

 筆者はかつて東京で法律関係の仕事に就いていたので、東京地裁の手荷物検査には慣れていたのですが、マイナンバー違憲訴訟神奈川の原告となり横浜地裁に通い始めた時、手荷物検査のないオープンな雰囲気に好感を覚えていました。

 裁判所とは本来、市民に開かれた場所であるべきですが、横浜地裁は所持品検査のスタートと共に出入口を正面玄関のみにし、裏側の出入口を閉鎖したようです。

 裁判後の報告集会を行う会場が前回同様、裁判所の裏手にある開港記念会館でしたので、裁判所を出てから大回りして会場に向かうことになり不便になりました。

 各地の裁判所で物騒な事件が起こっていることを理由にしているようですが、筆者には別の思惑があるように思えて仕方がありません。

  

  前置きが長くなってしまいましたが、今回の口頭弁論は前回より傍聴者が少なかったように思います。手荷物検査も影響しているのかもしれませんが、原告席に着いた原告を含めて70名ぐらいというところでしょうか。

 口頭弁論の始めに石橋裁判長が、提訴から2年が経過したことをもって今後の裁判の進め方を原告側に尋ねたのですが、これは先に第8回の口頭弁論が開かれた東京訴訟と同じ流れで、そろそろ結審したいというアピールでしょうね。

 被告である国は依然としてまともな回答をしていないので、相手がこちらの土俵に上がらぬまま勝敗を決められるのは納得がいきません。

 原告の意見陳述で代理人マイナンバーに関する事故事例を詳細に述べている最中の出来事ですが、被告側の代理人が何やら憤ったような表情になったと思ったら、意見陳述を中断する形でいきなり、「準備書面に記載のないことを述べている」と不服を申し立てました。

 これには筆者も驚きましたが、すかさず裁判長が「弁論ですから問題ない」と制し、意見陳述はそのまま続けられることになりました。

 

 原告代理人が述べた事故事例は多岐に渡り、しかも重大な事例が多いことに危機感を覚えました。マイナンバーを厳重管理しているはずの自治体で起こっている事故が多いことに注目したのですが、あちこちの自治体で個人番号カードや通知カードの紛失が起きているそうです。

 筆者は全世帯に郵送された通知カードも受領しておりませんが、地元の自治体が返送された通知カードをどのように保管しているのか、或いは処分したのか気掛かりです。

 更に深刻なのは、横浜市の区役所で個人番号カード交付用の端末が紛失したという事例で記者会見も行われたという話なのですが、筆者は原告代理人の意見陳述で初めて事実を知りました。

 個人番号カードの紛失も重大ですが、カード交付用の端末には横浜市民の個人情報が満載されているはずです。当該端末がどのような手段で持ち去られ、いかなる目的で利用されるのかを考えると恐怖を覚えますが、この件は報道されたのでしょうか・・・なぜ詳しく報道されないのでしょうか。

 

 今回の原告本人による意見陳述はマイナンバー違憲訴訟の事務局を務める男性がされたのですが、住民税特別徴収税額通知書へのマイナンバーの記載を巡る経過について、実務に基づいて述べられたので説得力がありました。

 裁判後の報告集会では弁護団代表である小賀坂弁護士が登壇されたのですが、被告である国の不誠実な対応に憤慨されていました。

 小賀坂弁護士は、マイナンバーの問題が裁判所の中でしか議論されていないことを指摘し、マスコミや国民も無関心であると述べられていましたが、筆者も同感です。

 この裁判に携わって以来抱いている疑問なのですが、マスコミはマイナンバーを巡る問題を取り上げようとしないというか、黙殺しているようにも見えます。

 報道されなければ何が起きているのか国民が知ることも出来ず、無関心になるのも当然ですが、森友問題をはじめとする政治的な問題の陰で国民生活にじわじわと深刻な影響を及ぼしているマイナンバー制度に光を当てて欲しいです。

  

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