マイナンバー違憲訴訟原告のブログ

とある原告の視点からマイナンバー制度を考えてみたいと思います。

映画「新聞記者」(ネタバレあり)

 今回の記事はマイナンバー違憲訴訟とは直接的な関係はないので、いつもと違う文体で書いていきます。私自身の素が現れると思いますが、たまにはいいかと。

 テレビはもちろん主だったメディアでも全く宣伝されていない映画、「新聞記者」。なぜ宣伝されないのかは観ていただければ一目瞭然ですが、主演する松坂桃李のファンである連れ合いが気になっていた映画ということで、連れ立って鑑賞しました。

 「政権に忖度している」大メディアでは紹介されていないので御存知ない方も多いと思いますが、こちらの映画、巷では異例の大ヒットでロングランを続けています。

 国内で制作された映画では珍しい政治モノでありながら、観客動員数は40万を超えて興行収入も5億に達したという話ですから、人気のほどが窺えますね。

 

 東京新聞の記者で名高い望月衣塑子氏の同名の著書が原作で、権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、意に添わぬ仕事と良心との狭間で葛藤する若手官僚の対峙が描かれています。望月氏の著書は原作というより原案で、映画はオリジナルのストーリーとなっているのですが、これが凄いのです。

 近年、この国で現実に起こった政治絡みの事件がフィクションとして描かれており、記憶にも新しいジャーナリストの伊藤詩織さんの事件がそのまま再現されていたのには驚きました。伊藤さんのエピソード(もちろん名前は変えてありますが)に至っては、演じる女優がご本人にそっくりという念の入れようで、誰が見ても伊藤さんの事件を彷彿させるのです。

 このご時世で、よくここまで攻めた映画を作れたものだと感心したのですが、主演の松坂桃李によると、わずか2週間という短い期間で一気に撮影されたという話です。

 なるほど、「何処ぞからの妨害」が入らないうちに秘密裏に撮影されたということかと勘繰った次第ですが、短期間で撮影されたというのが信じ難いほど完成度の高い作品で、オープニングから一気に引き込まれました。

 

 松坂桃李の演技も良かったのですが、注目すべきは主役の新聞記者を演じた韓国の女優さんで、年若いにも関わらず迫真の演技で素晴らしかったです。

 こう言っては御本人には失礼かもしれませんが、正統派の美人というタイプではないからこそ役にはまっており、リアリティがあったと思います。

 松坂桃李演じる若手官僚の上司として登場する高橋和也が年齢に相応しい味を出しており、劇中のセリフはどれも胸に響きます・・・例えば、「国と家族の為だって、自分に言い聞かせてた」「俺たち、何を守ってきたんだろうな」

 恐らく現役の官僚たちも、同じような思いを抱きながら仕事に向き合っているのだろうなと考えさせられますが、映画を観ながら私が思ったのは、公僕の道を選ばなくて良かったということです。

 高校時代、公務員のある職種を目指していたのですが、紆余曲折の末に断念し、大学卒業後は大企業で会社員として働くことになりました。

 今にして思うと民間に就職したのは正解で、もし公僕として働いていたら、このようなブログは書けないだろうと思います。公務員は政権の意向に逆らうことが出来ないですからね・・・いかに理不尽な仕事であっても粛々と進めるのが公僕という職業ですから。

 

  映画のレビューをあちこちで目にしたのですが、いわゆるネトウヨ(自○党のネットサポーターでしょうか)の暗躍が目覚ましくて興醒めでした。劇中で描かれていたように、内閣某所の差し金か?と思われるような書き込みをチラホラ見掛けましたが、かえって映画の内容にリアリティを持たせることになって逆効果です。

 メディアで宣伝されないのも同じで、映画の内容が真実に近いから国民に観せたくないのだろうと勘繰られても仕方なく、宣伝されないことで逆に好奇心を煽る結果になっていると思います。

 クチコミだけで観客動員数が40万というのは、当局による情報統制が成功していないことを物語っており、国民の真実を知りたいという切なる思いが映画を成功に導いたのではと分析しています。

 松坂桃李ファンの連れ合いに促されて劇場に足を運びましたが、予想以上に良くできた映画で多くの方に観ていただきたいです。地元の映画館では上映期間が延びているようなので、もう一度観に行こうかとも考えています。

 こんなご時世ではテレビで放送されることも考えにくいので、気になる方は劇場に足を運んでください。この映画を観れば、知りたかったことを全て知ることが出来るかもしれません。

 

下記2つのバナーをクリックしていただけると励みになります。

     ↓    ↓


にほんブログ村

 

マイナンバーの厳重な管理に!