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2021年8月8日

充電式保冷温庫とは

充電式保冷温庫とは

屋外でも使える保冷・保温対応のクーラーボックス

参考:コードレス冷温庫UL18DA HiKOKI

充電式保冷温庫とは、クーラーボックスに冷却・発熱する機構を組み込んだバッテリー動作の保冷・保温対応のクーラーボックスです。

バッテリーやシガーソケットから動作して庫内の温度を長い時間一定に保てるので、いつでも冷たい(暖かい)飲み物や食べ物を取り出すことが出来ます。

古くは車載向けやホテルなどに需要のあった製品でしたが、近年は電動工具メーカーのバッテリープラットフォームに対応した現場向けの充電式保冷温庫として展開が進められており、夏場の熱射病対策などに普及が広がっています。

アウトドア用途にも要注目、オールシーズンで使えるアイテム

参考:充電式保冷温庫CW180DZ マキタ

充電式保冷温庫は電動工具メーカーが販売する現場向けの製品ですが、その耐久性や取り回しの良さからアウトドア用途にも人気のアイテムです。

電動工具用のバッテリーを搭載すれば、最長で半日程度は動かすことが出来るので、キャンプなどでも昼過ぎに食材を買い込んでも、朝方まで新鮮さを保つこともできます。

あくまでも”温度を保つ”ための製品

参考:充電式保冷温庫CW180DZ マキタ

この保冷温庫は温度を上げたり下げたりする能力が低いため、冷却や保温を素早く行う用途には適しません。

常温の状態から動作させても設定温度に達するまでに時間がかかるため、あくまでもクーラーボックスの延長として保温・保冷用途に使うのが最適です。

家電冷蔵庫の代わりにしようと思っても、「容量が少ない」「庫内温度ムラでうまく冷えない」「結露で水浸し」などの理由で冷蔵庫の代わりとするには不都合な部分も多いので注意しましょう。

充電式保冷温庫の選び方・カタログスペックの見方

  • 容量

保冷温庫の容量はリットルで表されています。この数字が大きいほど大量に飲み物などを入れることが出来ます。ただし、充電式保冷温庫は能力が低いため、容量があまりに大きすぎると保冷時間が短くなったり冷却しきれなかったりなどの影響も出てきます。

  • 温度調整範囲

保冷温庫が何度まで冷やせるのかも気になるところです。保温温度はほとんどの製品が50~60℃ですが、保冷温度では5℃だったり-18℃など製品によって違いがあります。また、後述の電子冷却方式の場合、外気温によって冷却時の能力が影響を受けるため注意が必要です。

  • サイズ

バッテリーや保冷機能を搭載しているので、同じ内容量のクーラーボックスに比べて外観サイズは大きくなります。車載や据置式として設置する場合は、サイズにも注意しましょう。

電子冷却式(ペルチェ式)の利点・欠点

電子冷却式(ペルチェ式)

小型の保冷温庫に採用されているのが電子冷却方式です。

この方式は電気を流すだけで冷却・発熱できる電子部品のペルチェ素子を使用しているため、軽量・低価格な保冷温庫に向き4L・8Lなどの小サイズな冷温庫に使用されます。

性能的には冷却能力が致命的なまでに不足しており、十分に活用するためには、事前に冷やしてから庫内に入れるようにしたり氷などの補助的な冷却材を入れる必要があります。

電源OFF時にはペルチェ素子を通じて内部の熱が逃げてしまうため、クーラーボックスとしての保冷性能もそこまで高くありません。

良い点
  • 軽量
  • 低価格
  • 振動に強い
悪い点
  • 冷却性能が低い
  • 外気温の影響を強く受ける
  • 電源OFF時の保温性能が悪い

コンプレッサ式の利点・欠点

コンプレッサ式

電子冷却方式に変わる圧倒的な冷却性能を持つ充電式保冷温庫がコンプレッサ式です。この方式は家電の冷蔵庫と同じ冷却用のコンプレッサを搭載しています。

消費電力当たりの冷却性能が高く氷点下まで冷却できるのが特徴です。電子冷却方式と比べ冷却時の消費電力も少ないため長時間冷却が可能です。

欠点はコンプレッサを搭載しているため重く、コンプレッサ動作時は振動や傾きを加えられない点です。取り回しの悪さこそありますが、その圧倒的な冷却性能で人気を博しています。

良い点
  • 冷却性能が高い
  • 氷点下まで冷却できる
  • 冷却動作時間が長い
悪い点
  • 重い
  • 動作時振動に弱い

保冷温庫おすすめ製品

HiKOKI コードレス冷温庫 UL18DB

2021年6月にHiKOKIが発売した最新のコードレス冷温庫がUB18DBです。

-18℃の高い冷却を持つコンプレッサ方式と2部屋構造によって冷凍と冷蔵が共存できる画期的な充電式冷温庫です。

冷温庫としての基本的な性能が高い上に、バッテリーの充電機能や水抜きドレンなど使い勝手に優れた付加価値を搭載しているのが特徴です。

2020年のヒット製品マキタ CW180DZを抑え、2021年の大ヒット製品間違いなしの製品です。

冷却方式 コンプレッサ+ヒータ 内容積 25L(左8L・右15L)
低温 -18℃ 高温 60℃
1充電最大使用時間
(BSL36B18×1装着時)
-18℃設定時:3時間30分
60℃設定時:3時間30分
電源 ・バッテリー
・ACアダプタ
・シガーソケット
寸法 340×653×450mm 重量  15.6kg

マキタ CW180DZ

2020年5月に発売し、瞬く間に話題の製品として現場・アウトドアの定番製品になったのがマキタ 充電式保冷温庫CW180DZです。

2020年秋ごろまでは物流の不足により値段が高騰していましたが、現在は価格も落ち着き定価以下の価格で購入できるようになりました。

2021年7月には後継モデルの同仕様40Vmaxバッテリー対応のCW001Gが展開されています。

冷却方式 コンプレッサ+ヒータ 内容積 20L
最大低温 -18℃ 最大高温 60℃
1充電最大使用時間 -18℃設定時:5時間
60℃設定時:4時間
電源 ・18Vバッテリー
・ACアダプタ
・シガーソケット
寸法 623×341×371.5mm 重量 14.3kg

HiKOKI UL18DA

電子冷却(ペルチェ方式)の充電式保冷温庫が、HiKOKi UL18DAです。

ペルチェ素子の搭載で本体重量が8.0kgと比較的軽量なのが特徴です。最大低温動作は5℃(外気温-25℃)まで対応しています。

ACアダプタ接続時には、装着したバッテリーの充電もできるため現場に持ち込んで簡易的な工具用充電器としても使用できます。

冷却方式 電子冷却方式 内容積 20L
最大低温 5℃(外気温から-25℃) 最大高温 55℃(外気温から+45℃)
1充電最大使用時間 HIGH:5時間0分
MID:6時間20分
LOW:10時間
電源 ・14.4V/18Vバッテリー
・ACアダプタ
・シガーソケット
寸法 340×560×445mm 重量 8.0kg
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