少し前のイタリアからのメルマガです‼️


東京も昨日は静かなようでしたね、、、


先が見えないこのコロナ、、、


と、不安な事ばかり考えていると良くないので、

出来る事を

やって行こう〜‼️





  ★★ 「Milano deve resistere」  ★★
                 「ミラノは抵抗しなくてはならない」


イタリアの新型コロナウイルス感染は、

ご存知の方も多いと思いますが、

北部のロンバルディア州、
ヴェネト州、そしてエミリア・ロマーナ州の三州に集中しています。


中でも、ロンバルディア州の感染者数が一番多く、

特に、ベルガモ県、ブレーシャ県、クレモナ県、
ローディ県などに、被害が多く発生しています。

日本の報道では、ロンバルディア州について「州都ミラノの州」という紹介があるので、日本では
ミラノが大変なことになっていると思われる方が多いようです。

こんな言い方をすると、ロンバルディアの他地域の方々や大勢の犠牲者の方には申し訳ないのですが、
不幸中の幸いとして、現在のところ、ミラノ市自体の感染者数は他の地域に比べると非常に少数です。

ミラノ市内ではいわゆる「クラスター」がまだ発生していません。
ただ、もしミラノが感染(源)地となると大変なので、大規模な警戒がされています。

実際、3月21日、ミラノのジュセッペ・サーラ市長は、ビデオインタビューでミラノ市民に
強いメッセージを発信しました。

 「Milano non ancora toccata, Milano deve resistere o sara un disastro」
=「ミラノはまだやられていないが、ミラノはここで抵抗しないとならない、でないと大惨事になる」

ミラノ市民に対し、「ロンバルディアの他地域に比べ、ミラノではコロナ感染が普及していない。
もしも、人口140万都市のミラノで感染が拡大したら、ミラノの医療システムはパンクして、
大惨事になる。感染が拡大しないよう抵抗しよう」というアピールで、一人一人が自宅待機の
措置を守ってこの危機を乗り切ろうという内容です。


ところで、先号でもお伝えしましたが、3月9日から「イタリア全土封鎖」が始まり、その後、
3月11日には政府からの「感染拡大予防措置」として「活動制限」が発令されました。
その後、「外出原則禁止」となり、その内容は、感染者数の拡大とともに、刻刻と厳しくなって
きました。夜11時30分ごろに、首相がTVで『明日からこうなる』という説明のあり、あわてたこと
もあります。

外出の際は、「自己申告書」をネットでダウンロードしてプリントして携行する必要がありますが、
その内容も3回も更新されました!

そして、現在は、今いる市町村から別の市町村に(たとえ、本来の居住地であっても)移動は禁止と
なりました。セカンドハウスへ(イタリアでは非常に多くの人が山や海にこの種の家を持っています)
の移動も禁止となりました。
また、工場などの生産活動も、今週から生活や医療維持に必要ない業種は操業停止となりました。

さて、ミラノでの日常生活ですが、近くへ食品などの買い物や薬局に行くこと、あるいは仕事以外は、
自宅でという「外出制限」がされていますが、全体としては平穏です。
スーパーは日曜も開いていますし、食品・日常品については心配はありません。
ただし感染予防のため、入館数の制限があるので、列ができている店もあります。
列ができている店でも、皆大人しく、距離をあけて列をつくっていて、感心するほどです。

私の住むところは徒歩圏内に多数の大中小のスーパーがあるので、この際、いきつけの人気店
にはいかず、行列のない店でなるべくすますようにしています。
ミラノでは、肉屋や八百屋など個人商店は少数で、品もいいけれど価格も高いので、これまでは
行くことはなかったのですが、今回は時には、こんな「ブティック八百屋」も利用したりと
新たな経験もしています。

薬局、銀行、郵便局、タバコ屋、キオスク、それにゴミ収集なども通常通りです。
公共交通機関(バス、トラム、地下鉄)も本数は減っていますが運行しています。

活動制限の基本は、人と人との接触を減らすことにあります。
ともかく、外で人と集まること、それは二人であっても禁止となりました。
したがって、1週間位前までは、友人と毎日、「散歩買い物」と称して、わざわざ遠い店まで
散歩がてらに(距離は2メートル位とって)買い物にいったりしていましたが、これも自粛
しました。

公園もクローズとなり、公園での運動も禁止となりました。

なお、運動やランニングなどは、自宅直近で、一人ですることだけは「しぶしぶと」認められて
いるので、私は、毎朝、近所の人通りのない路地をぐるぐると何回も回って足を鍛えています!!


ところで、注目すべきことは4日前から、イタリア全国の感染者数が、前日より減るという現象が
続いていることです。本日3月25日は、上に述べた「感染拡大予防措置」として「活動制限」が
始まって丸二週間になります。これらの措置の効果がでているようで、素人の私はほっとしたり
しています。

でも専門家はまだまだ予断は許さず、これが本当にピークを越したといえるかどうかは、
今週のなりゆきでわかるということです。また、措置を緩めると感染が再燃するリスクもあると
警告しています。

いずれにしても、イタリア政府、地方行政、イタリア市民保護局(Protezione Civile),
特に医療関係者、全国のボランティア団体の努力には頭が下がります。いつもケンカばかりの野党も
今回は結構協力して、国民一つになって闘っている姿は涙がでます。
そして多くの感染者の方々、そして亡くなった方々の数の多さには、言葉もありません。
コンテ首相は「イタリアは今、第二次大戦以来、最大の危機に直面している。団結して乗り越えよう」
と訴えています。

毎日18時に,コロナに関する「イタリア市民保護局」による記者会見が開かれ生中継されます。
当局から、その時点での感染者数や各地の状況など発表があり、政府の医療専門家会議メンバーから
解説があり、記者からの質問に答えています。
非常に透明性の高い姿勢は立派なものと思います。

企業や有力者からの多大な寄付、一般市民からの寄付も続々と集まっています。
私ができることは、ささやかな寄付と、私自身が感染者にならない、人に感染させないことかなと
思っています。ミラノ市長がいうように、ミラノを感染地としないために、地道な努力をする
しかありません。

以上、ミラノの現況をお伝えしました。
ともかく、今週が「山」のようで、厳しいトンネルの先に少し「光」を見ることができることを
祈っています。

                                  (編集部)