派手な水着はとてもムリよ 若い子には負けるわ!
「E子、お誕生日おめでとう!」
「おめでと~。んで、いくつになったの? 四捨五入したら50だっけ?」
「失礼しちゃう。まだ、24よ!?」
土曜の朝は、そんなLINEのグループチャットではじまった。
「あんた、週末の朝に6時から起きてる時点で、正真正銘の40過ぎのババアだわよ」
「ひゃだ。あたしがオバさんになったら、あんたもオバさんよ!?」
「若い子には負けるわ!」
まだ朝の6時にもなるかならないかという時間に、今日誕生日を迎えたE子へのお祝いを込めた、40前後の中年オカマたちの会話である。
----------------
数週間前、仕事帰りに水球チームのメンバーたちが練習帰りに飲み屋で飲んでいるというので、自分もそれじゃぁと立ち寄ると、20代の若手の選手たちがすでに酔っぱらってカウンターに座って飲んでいた。
「ねえ、どうやったら、運命の男に出会えるか教えて!」
「最近、おでこの生え際が後退し始めた気がするんだけど、どうしよう。」
「今の職場、いいオトコいないから、転職したい・・・」
自分もカウンターの空いていた席に座り、そんな彼らの悩みを聞いていたものの、こんなに外面からも内面からもあふれる若さを生きている彼らが、どんな悩みを吐き出そうと、
「あんたたち、まだ若いんだから、なんとでもなるわよ~」
と、中年オカマの皮肉にしか聞こえぬようなアドバイスしか出てこない自分なのだった・・・。
そして、
「あんたたち、飲み足りないんじゃないの? 今日はあたしのおごりだから、好きな酒頼みな!」
と思わず、大盤振る舞いしてしまうのである。
それにしても、彼らのこの元気の良さは何なのかしらん。
彼らには、どんなに疲れていようとも、どんなに人生を悩んでいようとも、幾らでも乗り越えられるような勢いがあるのである。
--------------
土曜日の午後。
ソノマで行われる毎年恒例の水球チームのプールパーティへ向かった。
日々ジムに行っても大した運動もしていない自分である。上記のE子の誕生日メッセージのやりとりを終えたあとすぐにジムに行って、ちょっとはあがいてみたけれど、人前で堂々と水着になれるような身体の状態ではない。
ましてや、20代、30代の若き選手たちが派手な水着を着ている中で、スクール水着のような地味な黒い水着でこの中年体系をひけらかす勇気もないわ?
それでも、プールサイドの端で、冷えた白ワインを片手に、ひとり目を細めながら若者たちがはしゃいでいる姿をみて、なんだか楽しい気分になっている自分に気づく。
"ちょっ、ちょっと待って。昔から年上にしか興味なかった自分が、いつのまにこんな若い子たちを観て喜ぶようになったのかしらん...?"
"でも、若い子ばっかり追いかけてる東京のK子やそこらの若い子専のオカマたちの気持ちが、なんとなくわかった気がするわ・・・”
と、そんな若者達を横目に、独り言ちていた自分である。
「おめでと~。んで、いくつになったの? 四捨五入したら50だっけ?」
「失礼しちゃう。まだ、24よ!?」
土曜の朝は、そんなLINEのグループチャットではじまった。
「あんた、週末の朝に6時から起きてる時点で、正真正銘の40過ぎのババアだわよ」
「ひゃだ。あたしがオバさんになったら、あんたもオバさんよ!?」
「若い子には負けるわ!」
まだ朝の6時にもなるかならないかという時間に、今日誕生日を迎えたE子へのお祝いを込めた、40前後の中年オカマたちの会話である。
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数週間前、仕事帰りに水球チームのメンバーたちが練習帰りに飲み屋で飲んでいるというので、自分もそれじゃぁと立ち寄ると、20代の若手の選手たちがすでに酔っぱらってカウンターに座って飲んでいた。
「ねえ、どうやったら、運命の男に出会えるか教えて!」
「最近、おでこの生え際が後退し始めた気がするんだけど、どうしよう。」
「今の職場、いいオトコいないから、転職したい・・・」
自分もカウンターの空いていた席に座り、そんな彼らの悩みを聞いていたものの、こんなに外面からも内面からもあふれる若さを生きている彼らが、どんな悩みを吐き出そうと、
「あんたたち、まだ若いんだから、なんとでもなるわよ~」
と、中年オカマの皮肉にしか聞こえぬようなアドバイスしか出てこない自分なのだった・・・。
そして、
「あんたたち、飲み足りないんじゃないの? 今日はあたしのおごりだから、好きな酒頼みな!」
と思わず、大盤振る舞いしてしまうのである。
それにしても、彼らのこの元気の良さは何なのかしらん。
彼らには、どんなに疲れていようとも、どんなに人生を悩んでいようとも、幾らでも乗り越えられるような勢いがあるのである。
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土曜日の午後。
ソノマで行われる毎年恒例の水球チームのプールパーティへ向かった。
日々ジムに行っても大した運動もしていない自分である。上記のE子の誕生日メッセージのやりとりを終えたあとすぐにジムに行って、ちょっとはあがいてみたけれど、人前で堂々と水着になれるような身体の状態ではない。
ましてや、20代、30代の若き選手たちが派手な水着を着ている中で、スクール水着のような地味な黒い水着でこの中年体系をひけらかす勇気もないわ?
それでも、プールサイドの端で、冷えた白ワインを片手に、ひとり目を細めながら若者たちがはしゃいでいる姿をみて、なんだか楽しい気分になっている自分に気づく。
"ちょっ、ちょっと待って。昔から年上にしか興味なかった自分が、いつのまにこんな若い子たちを観て喜ぶようになったのかしらん...?"
"でも、若い子ばっかり追いかけてる東京のK子やそこらの若い子専のオカマたちの気持ちが、なんとなくわかった気がするわ・・・”
と、そんな若者達を横目に、独り言ちていた自分である。
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