何も求めずに 何も変わらずに いつも僕らを照らす太陽を

金曜日の朝方。

早々と目を覚まして、窓を見るとまだ薄暗いが、鳥の鳴き声がちゅんちゅんと聞こえてくる。

眠りが浅いせいか、ちょっとした物音で目を覚ましてしまう(ただの老化かしらん)。

それでも、鳥たちの声を聴きながら、朝を迎えるのは趣があってよいものである。

以前は、鳥の鳴き声が聞こえることなどあまりなかった気がするのだが、このご時世に車や人の気配が減ったせいで、鳥たちが集まってきているのだろうか。

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仕事を終え、気分転換に何か楽しげな本でも買って読もうかとAmazonを眺めていたら、アルベール・カミュの「ペスト」がベストセラー1位としておすすめ欄に出ている。

カミュの「異邦人」は遠い学生時代に読んだ覚えがあるが、「ペスト」は今まで読んだことがなかった。調べてみると、どうやら今の時世を予言するような内容で、70年以上前に書かれた作品が、今世界中で売れているらしいのだ。

コロナ疲れの中、わざわざそれを読まんでもよかろうと、かわりに佐野洋子の軽めのエッセイやら、よしながふみの短編漫画などを買って読むことにしたわ。

夜飯を終え、気分転換に何か楽しげな映画でも見ようかとテレビをつけると、Apple TVのおすすめ映画欄にパニック映画の「コンテイジョン」がでてきた。マット・デイモンやジュード・ローが出ていたこの映画も、確か今の時世を予言するかのような内容だったはずだ。

コロナ疲れの中、あんまり観る気にならなかったが、N君が久々に観たいと言うので観てみたら、やっぱりリアルすぎて、ちょっと気持ちが沈んだわよね・・・。

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「コンテイジョン」の劇中に出てくるサンフランシスコの街は、通りという通りが薄暗くゴミで溢れていたけれど、実際今サンフランシスコの街を、運動不足解消にとマスクをつけて歩いたならば、ゴミなど溜まっていない、前と変わらぬ清潔な通りが続いている。

毎晩夜8時になると他の都市同様に、この街でも医療従事者への感謝の意を込めて、あちこちから拍手やら叫び声が聞こえてくる。中には家の電気をつけたり消したりしてその謝意を表そうとしている家もある。

自分も我が家の狭いベランダに立ち、この状況でもいつも笑顔で明るく迎えてくれるスーパーのおっちゃんや、毎週ちゃんとゴミを収集にしに来てくれるお兄さんたちに、「ありがとうー!」と、ゲイバーのママみたいな声で叫んでいる。

隣の家に住むゲイカップルは、裸にエプロンで、フライパンをおたまで叩きながら、Thank you!!って叫んでたわよ・・・。





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