ネットを始め、テレビ、新聞などから、日本人の一般教養に関して、特に、科学、法律、政治、宗教に関する知識が疎いように感じます。

 

もちろん、しっかり勉強されている方も多いのですが、いわゆる、学校教育だけで学んできた人たちに、上の話題に関して誤解が多いように見受けられます。

 

まず、科学ですが、本来は自然が、どのように成り立ち、そこから導かれる法則から、現象を理論的に見ることと、理論から導かれるモデリング、つまり、問題解決や応用まで、を言います。

 

しかしながら、実際、学校では、知識と公式を暗記して、どういう試験問題には、どの公式を使うか、だけを教えています。ある意味、その場しのぎの知識だけを身につけている感じです。

 

ですから、科学的知識は知っていても、現実世界に応用できなかったり、科学やその周辺技術の重要性など、全く議論できない人が多い感じです。

 

良い例は、ノーベル賞で日本人が受賞していなければ、全く興味を示さない報道ばかりしているところでしょうか。(まぁ、視聴率取れないからでしょうけど)

 

次に法律ですが、これも、試験問題に出る内容は良く知っているのに、どの法律がどこまで適用範囲があるのか、だとか、推定無罪や黙秘の意義、あと、裁判のあり方や、進め方に関して、多くの誤解があります。

 

典型的なのが憲法の理解で、「一番偉い法律が憲法だ」と思っている人が多いようです。

 

例えば、「憲法で表現の自由が保障されているから、どんな表現をしても、悪口を言っても憲法によって守られる」のような解釈も、憲法が何に適用されるのか理解できていない証拠です。

 

また、「政教分離だから、どこかの宗教団体に入信しているものは、政治家として立候補できない!」というのも、憲法を理解していない文言です。

 

憲法は、国家が市民の権利を侵さないように、定められたもので、国民の行動原理を定めているものではないということです。これも、学校でうまく教えられていない現状でしょう。

 

政治も同じような状況です。学校では、通り一遍の知識だけしか教えません。例えば、衆議院の定員や、国会関連の各法律の条文を覚えるだけです。

 

そもそも、政治というのは、国民の生活や、国家の在り方、安全保障など、すべての人にかかわる重要な行為であり、哲学なのに、学校では、受験知識としてしか教えないのが問題です。

 

それによって、政治そのものを他人事と考える人が多いのが現状です。

 

最後に宗教ですが、これも、学校では通り一遍の知識しか教えていません。

 

実は、宗教は歴史的に、人類をまとめ、国家を作り、文明を発展させてきた根本原理で、日本もそのうちの一つです。日本の場合は、神道、仏教、儒教の混合で、新渡戸稲造は武士道として日本人の倫理観や宗教観を海外に説明しました。

 

しかしながら、レベルの低い学校教育では、これも他人事のように生徒に教えてきています。実際、文化人類学、考古学、社会学を研究している人たちも、人類に宗教、もしくは、それに近い物が必要であることを学問的に認識しているのです。

 

これは、日本だけではないかもしれませんが、教育の哲学が不在であれば、教育として意味をなさなくなってしまいます。ここ数十年、その中身が変わらず、偏差値という数字だけを信仰する団体に成り下がっているというのが現実なのです。

 

教育というのは、今の現状が10年、20年後に波及します。人類を生かすも殺すも教育の質にかかっています。環境問題にも似ていますが、あまり重要視されていないのも事実でしょう。

 

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