『名古屋 空手物語 ~怪物志願~ 』第50話

 

《第一次有段者大量脱退 其のⅢ》


遂、此の間、お盆休暇を利用してブログを更新したと思ったら、もぅ朝晩がめっきり冷え込む11月の中旬に差し掛かって仕舞った。
直ぐに新年明けましてお目出とうとなるのダロゥ。


さて、此処半年余りの道場での大きな出来事と云えバ、指導者が一人減った事である。元々の始まりは、(大鹿)校長の許デ間借りして始まった空手同好会…私が空手に復活した時点では、約半数が元極真の愛知支部指導員経験者達だった。
(大鹿)校長と(磯川)コング代表は、春日井道場の指導員。(小林)探偵団先輩は、岐阜道場の指導員である。そして、極真愛知支部で茶帯まで行ったと訊いた主任さんと職場で探偵団先輩が空手を手解きしたと云う黒帯道場生が一人、愛知支部道場に通っていると云う白帯の(坂田)金時クン(愛知支部では黄帯)。其処に昭和道場の指導員だった私が最期に加わった。
此れが、1995年頃の事。そして5年後ぐらいに(大鹿)校長が藤が丘道場を閉めたのデ、(磯川)コング代表と(小林)探偵団先輩を師範として、新たに空手道場を立ち上げた。師範代は、私よりも前から在籍して居テ、年齢も7、8歳年上の主任さんに任せ、私は指導員に着任した。


最盛期には、60~70名ぐらいの道場生を抱え(今でも宣伝は行っていない。総てが紹介入会)、当時松井派極真に在籍していた(松田)優作支部長の伝手で東海大会に出場させて貰ったり、中本本部長(当時)の好意デ正道会館の地区大会にも出場させて頂いた。


月日は流れ(大鹿)校長も(磯川)コング代表も還らぬ人となって仕舞った。本来ならバ、(小林)探偵団師範・主任師範代・私の三人体制で指導を行う処なのだが、(磯川)コング代表の葬儀後、当道場としての方針を新たに立て直した。


①子供達の指導日に来られない主任師範代から、私に師範代を交替する(子供達の名前と顔が一致せズ、親御さん達の認識も少ない為)。
②飽くまでも形ダケだが、私が会の代表となる事(元は(磯川)コング代表と(小林)探偵団先輩の二人で始めたのだから、当然ダロゥ)。
③指導内容を大会から一線を画し40年前の愛知支部道場で行っていた顔面を想定する捌きや流水の約束組手中心に行う。


①と②は、些細な事だが、問題は③であった。主任師範代は、顔面を想定する捌きや流水の約束組手が出来ないのダ。(小林)探偵団師範と私は長年、年齢の所為かと考えていたが、黒帯指導員の経験が無いとは云え昔の愛知支部デ茶帯まで達していれバ、もっと動ける筈である。
(磯川)コング代表が亡くなられたのを契機に思い切って三人デ会合を持ち、本当に茶帯だったのかと問い合わせてみた。
半分は信じたい気持ちも有ったが、案の定、本当は黄帯で退会したとの応えが返って来た。
私は、空手ダケの付き合いだから未だしも、(小林)探偵団先輩と主任師範代は職場を同じくする元は上司部下の関係デ、職場でも二人で稽古していた間柄である。其の付き合いは、30年に及ぶ。30年間の蜜月も、壊れるのは一瞬ダ。
(小林)探偵団師範から主任師範代に今後の指導をさせないで欲しいと云われた私は、主任師範代に指導を替わると伝えた。
主任師範代は、其の日を境に退会した…こんな顛末が、(磯川)コング代表の葬儀後に有りました。


(小林)探偵団師範の云いたい事は理解出来る。私だっテ、現役時代は(小林)探偵団先輩と殆ど一緒になった事が無い。しかし、当時の愛知支部黒帯指導員としての繋がりは、非常に強固なのである。
古臭い云い方を敢えテするならバ、(磯川)コング代表と(小林)探偵団師範と私は、「同じ釜の飯を喰った仲」なのだ。茶帯スラ虚偽だったが、仮に主任師範代が本物の茶帯だったとしても、本来なら三人の輪の中には加われないのである。
極論だが、茶帯と黒帯指導員の間には、白帯と茶帯以上に共有出来ない空間が存在する。
黒帯の昇段審査直前に体験する「顔面の叩き合い」一つを取っても、其れを経験しているか否かでは隔絶の差が有るダロゥ。


今だから判るが、主任師範代と会話をしていてもチグハグな場面は多々有ったかナ!?
学生チャンピオンだかのボクサーとスパーリングを行って、一発も顔面に当てられなかったと云う話を主任師範代は良くしていたけれど、当時は私も未だボクサーとは遣った事無いからそんなモンかなと思ったが、黄帯と訊いてやっと納得出来た。
黄帯っテ、殆ど素人だから…先生は、ボクサーと遣って一発も貰わなかったと我々に話して呉れた。私にそんな芸当は出来ないが(苦笑)、今でも少なくとも5発に一発ぐらいは当てられる自信が有る。本当は、もっと当てられる気がしているが(爆笑!!!)。
(磯川)コング代表や(小林)探偵団師範と何かの拍子に当時の帯研とか先輩後輩のエピソード話で盛り上がっている時も全く口を挟ンで来なかったりとか・・・・・・


まぁ、そんな訳デ、道場の指導者は(小林)探偵団師範と私の二人になって仕舞った。
風邪や発熱ぐらいでは、休ンで居られない。癌かエイズが発見されたら、休ませて貰おうかナ( ̄◇ ̄;)


道場の近況をお伝えした処デ、話は前回の続きと行きましょう。


私の極真会館愛知支部南道場の名札の後ろに掛かって居るのは、一つ飛ばして前回の(中村)主水デ、其の次が(片岡)鶴太郎、そして(金沢)兼六園ちゃんと続く。
(金沢)兼六園ちゃんは、多分私と同期の入門である。と云うのも、白帯の審査終了後、盟友の(土居)まさるちゃん達と喫茶店でコーヒーした時に(金沢)兼六園ちゃんも同席して居たからダ。其れまでも其れ以降も道場内デ余り見掛けた事が無いのは、恐らく彼が三部の稽古に出て居たからダロゥ。そして、暫くしたら南道場が発足し、ソチラに移って行ったと思われる。
以前にも書いたが、私は白帯の審査で後に一緒に昇段した(秦野)陸自野郎と当たっていた。私が一回引っ繰り返し、一回引っ繰り返されたのデ、審査内容は引き分けだったと考えている(何ンか知らんケド、腹立しィのは何故でしょう!? 笑)。
(土居)まさるちゃんは、性格が温厚だから審査組手では受け専門に回って居て、私が外野から「ブッ飛ばせ!!」「ローキックを思いっ切り叩き込め!!!」と絶叫していたら、先生から「喧しいワ!!」と叱られた(失笑)。
(土居)まさるちゃんと(金沢)兼六園ちゃんは青帯に成り、私は黄帯(飛び級)に成ったから昇段が一期ズレて仕舞った。


喫茶店での(金沢)兼六園ちゃん、顔面が青タンだらけで腫れ上がって居たからネ。審査組手では相当、相手に殴られたのダロゥ(飽くまでも私の憶測デス。相手とお互い同じぐらい殴り合ったのなら、黄帯に成って居たのではないかナと)。付き合いが無かったのデ、上記の如く喫茶店以降、道場内で遭っていないし組手もした覚えは無い。年上の様な気がするし、入門の時も先輩カモ知れない!?
只、白帯審査後の喫茶店で会ったダケでも知り合ったからには、帯研や学祭なンかで遭った時に話をしている。
或る時、南道場黒帯数名で海に行った時にチンピラ連中と揉めて、相手が事務所に来い!! と云うのを(金沢)兼六園ちゃんが「まぁまぁ、其れぐらいにしといた方が身の為ですヨ」とか云って止めたと訊いたナ(苦笑)。


(金沢)兼六園ちゃんは、其のぐらいか…一方の(片岡)鶴太郎は、結構話したネ。此奴も高校生の頃は三部稽古だったのが、大学生に成って二部稽古に顔を出す様になってから知り合ったのかナ。
以前からブログで書いて来たケド、もぅ一度纏めてみましょう。


兎に角、突貫小僧である。喧嘩っ早ィ事で云えバ、私と同期黒帯の(菱川)師宣とタメを張るダロゥ。背は小っこいが、くりくり巻き毛リーゼント頭のツッパリ不良学生だ。
族車と接触し自分の車のキズを調べる為、相手に背を向けてしゃがンで居たら、後ろから肩を掴まれ文句をタレられたのデ、振り向きざまにスローイングパンチをブチ込み相手の前歯を叩き折って仕舞った野郎である。
徳島の合宿デ、先生と喫茶店に居たら、地元の地回りみたいなのが、「○○○先生ですよネ。自分らは弟さんの知り合いのモンですが・・・」と話し掛けて来たダケで戦闘モードに入って仕舞う男でもある。先生からは、合宿先で面倒な揉め事起こすなヤ…と諫められている。
徳島市長を招待して大山館長に紹介した時の合宿だったと思う。徳島の地方紙に極真会館○○○道場の直弟子が喫茶店で大暴れ…などと書かれた日には、先生も面目が無かろぅ(苦笑)。
飲酒運転で夜中田圃に突っ込み、病院のベッドで目覚めている。担当した警察官からは、「自損でも人身事故扱いに成るンやゾ、今回は入院しとルし勘弁したるケドなぁ」と云われたらしい。40年も前の話です。旧き良き時代でしたナ。勿論、乗っていた自家用車は廃車になりました。
(秦野)陸自野郎の下宿に泊まって朝食に味噌汁を飲まされた時、「Q先輩も飲みましたか!? あの茶色いお湯!!! 不味いって代物じゃなぃっすヨ(怒)。先輩デスし、折角出して貰ったモノなンで全部飲み干しましたケドね・・・」と愚痴る事、愚痴る事。
同じ○○○○○大学の空手部員から、「お前んトコ(極真愛知支部)の黒帯が日本○○大学に乗り込ンで主将の右腕折ったらしいゾ。酷でェ事するナァ。あそこの主将、今年コソは大会の入賞を狙って稽古に励ンでたのに全部パァじゃねぇか」と非難轟々、昭和道場で私を見付けると「Q先輩、何て事しテ呉れてンすか。関係無いのに同じ極真ってダケで俺が文句云われたっスよ(怒)。もっと加減出来ンかったんかナァ」…テメェに云われたかぁ無いワィ!!!


こんな後輩(奴)ですケド、私との組手では遠慮して呉れるなかなか可愛いィ野郎デスよ(爆笑)。


長くなりましたのデ、次回に続きマス。

 


【※此の作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、一切関係ありません】