アンブシュア直せ、って… | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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みなさんはアンブシュアを直せって言われたこと、ありますか。

また、後輩や生徒に言ったことがありますか。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

アンブシュアを直せって言わないで

 

まずは、いわたけいこさんの、このノートを読んでいただきたいのです。

 

 

ほんとうに、そのとおりだと思うのです。

その人がどんな考えで、どんな程度の観察で『アンブシュアを直せ』というのか知らないけれど、

アンブシュアを直すということは、とてもとても重いことです。ぼくも経験ありますけど…

深い観察と、よほどの根拠と、相当な確信と、その後のケアができる場合でなければ、そして、

その人ととことんまで付き合う覚悟がなければ言ってはいけないことだと思うのです。

 

 

 

もし「アンブシュア直せ」と言われたら…

 

もしあなたが「アンブシュア直せ」と言われたのなら、その人はどの程度の考え、洞察で言ったのか、

見極めなければなりません。

ほんとうに責任あるアドバイスなのかどうか。

見極めなく安易に従ったり自信をなくしたりしてはいけません。

ほんとうに責任ある人は、「それではダメだ」なんて言い方はしません。

セオリーではこうだから、教本ではこうなっていたから、あの先生がこう言っていたから…

そんな程度の根拠でのアドバイスなら、聞く必要はありません。

なにしろこれは、あなたの管楽器人生を左右するくらい重要なことなのです。

 

 

つぶれてしまう子もいます

 

たとえば金管楽器の場合、マウスピースがくちびるの左右まん中に当たっている子はむしろ稀です。

見た目、多少なりとも左右どちらかにずれている子は多いです。

それは、歯並びや骨格からそうなっている場合が多いと思います。

それを、見た目のまん中からずれているからといって、「まん中に直しなさい」と言われて、

それで吹けなくなってしまった子にも、これまで出会ってきました。

その子は結局、金管楽器を断念せざるをえなくなりました。

 

もし、マウスピースが見た目の左右まん中でなくとも、それが歯並びなどが求めるのだとしたら、

絶対に見た目のまん中に直してはいけません。また、そういうアドバイスを聞いてはいけません。

たとえ見た目でどちらかにずれていたとしても、それが、あなたにとってのまん中なのです。

 

 

 

奏法は人の数だけ…

 

いろいろな理論書などには、『正しいアンブシュア』だとか『理想的なアンブシュア』だとか、

そういう解説や写真などが載っているモノがあります。

自分がその『理想』と違うことを、ぼくも高校の頃に悩みました。

でも、そのお手本と違っていたらダメなのか…、そんなことはありません。

そのお手本、外から見た形は、そうなるべきもの、ではなくて、

結果的にそうなった形の中のひとつに過ぎません。

そして、理想的な奏法って、極論すれば、人の数だけあるのです。

あなたにはきっと唯一無二、あなただけの理想的な奏法があるのです。

 

生徒や後輩に「アンブシュア直せ」…、責任取れますか?

「アンブシュア直せ」…、たとえ言われても、聞き流すことも必要ですよ。

アンブシュアに限らずですが、『お手本と違う』、『目先の結果が悪い』…、

こんな根拠でのアドバイスはマイナスなのです。

 

そして、どうしても迷ってしまった時には…

信頼のおける専門のプロに相談やレッスンを受けることをおススメします。