みなさん、チューニングは何の音でしますか。Bですか。
また、それはなぜでしょう。考えてみたことがありますか。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
オーケストラと吹奏楽
普段、何の音でチューニングしているのかの話の前に、
オーケストラと吹奏楽のチューニングのことを少し書いてみます。
吹奏楽だと、合奏前の全体チューニングはBでやるところが多いかもしれません。
でもなかには、Aでチューニングする団体もありますね。
オーケストラでは、チューニングはAでします。
トロンボーンでAは2ポジション…。だからオーケストラのチューニングでは、
ぼくは、完全4度上の1ポジションのDも吹いてみたりします。
さて、ところで、オーケストラがAでチューニングするの、なぜだと思いますか。
オーケストラがAでチューニングする理由
オーケストラがAでチューニングする理由、なぜなのでしょうね…
話によると、古代ギリシャの弦楽器の最低音がAで、それがいろいろな基準になったからなのだとか…
歴史上の成り行き?なのですかね…
現代の弦楽器の調弦を、低い方の弦から順に書いてみると…
バイオリン … G、D、A、E
ビオラ … C、G、D、A
チェロ … C、G、D、A(ビオラのオクターブ下です)
コントラバス … E、A、D、G
どの楽器にもAがありますね。DとGもありますが…
これが、Aでチューニングする別の理由なのかもしれません。わかりませんが…
弦楽器と管楽器
弦楽器の解放弦は、演奏法で高さを変化させられません。
吹き方や息で、ある程度ピッチをコントロールできてしまう管楽器とは違います。
だからチューニングの意味合いも、弦楽器と管楽器では少し違うのかもしれませんね。
ところで、吹奏楽のチューニングがBでされることが多いのは、B管の楽器が多いからでしょうね。
クラリネット、テナーサックス、トランペット、トロンボーン、ユーフォニアム、テューバ…
でももちろん、Bでチューニングするとは言っても、コントラバスにはAをあげなければいけません。
でもこんな話も…
コントラバスのチューニング
上に書いた、弦楽器の調弦を見てみると、シャープ系の調の主音が多いですよね。
だから弦楽器は、シャープ系の調(Ddurとか)がよく鳴りやすいのだそうです。
でも、吹奏楽ってフラット系の調の曲が多いですよね、だから…
裏技?として、コントラバスを半音高く(F、B、Es、As)チューニングして、その代わり、
楽譜は半音低く(たとえばBdur→Adur)書き直して演奏する、なんていう方法もあるのだそうですよ。
やってみたことはないのですが…
管楽器のチューニング
弦楽器のチューニングは、解放弦を合わせます。解放弦のピッチはそれで決まってしまうのですが、
管楽器のチューニングは、それとは少し違いますよね。
吹き方や息で、ある程度ピッチが自由になるのですから、管楽器のチューニングって、
合わせやすいところに楽器を調整する、というような意味合いだと思うのです。
チューニングしたからといって、それで音が合うとは限らないし、
チューニングなんかしないアンサンブルだってあります。
高かろうが低かろうがチューニング管はほとんど動かさないという人もいますし、
そうなるとチューニングって、なんだか単なる儀式みたい…
何の音で…
さて、吹奏楽の管楽器って、どの楽器もBでチューニングするのがいちばんいいのでしょうか?
たとえばファゴット吹きさんに言わせると、Bって不安定な音なのだそうです。
だからむしろ他の音(Fとか)がいいのだと…。
サックスはシとファ♯(アルトならDとA、テナーならAとE)で合わせるという方もおられました。
クラリネットは合奏前の個別チューニングでは、Bのほかに解放Fやその上のAsを聴いたり、
フルートはBのオクターブをチェックしたりもします。
ホルンはFの音でB管とF管のズレをチェックしたり…
チューニングという意味もありますが、合奏前に個々の吹き方のチェックも兼ねていたりします。
では、ほかの管楽器は?
ほんとうにBがいいの?
さてあなたは、何の音でチューニングするのがいいと思いますか。
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