ポップスで大切な裏拍の話 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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ずいぶん前に、ポップスを演奏する上でのポイントをブログに書いたことがあります。
あの時に書かなかったことで、とても大切だと感じることがひとつあるので書いてみますね。
 
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 
 
 
ポップスをかっこよくやるために…
 
前回、2年半も前に書いた記事、こちらです。
 

これ、何時間もかけて苦労して書いたのですよね…
(たいていの記事は30分前後で書いてしまうのですが…)
しかもその後、改訂もしています。
音楽って、簡単に法則やコツを書けるようなものではないのですよね。
だから苦労したのです…
 
 
書かなかった大切なこと
 
この時に書かなかった、もしかしたらいちばん大切かもしれないようなポイント、なんだと思います?
それは、『裏拍』なのです。裏拳ではないですよ。
裏拍、シンコペーション。4ビートでも8ビートでも、ポップスにはたくさん出てきます。
これがかっこよく決まらない演奏、転びまくっている演奏、とってもとっても多いと思うのです。
悪い意味で、猪突猛進的な演奏、ただ勢いだけの演奏…
 
 
シンコペーションって何?
 
シンコペーションって何でしょう?
たとえばこれ…
 
 
さて何の曲でしょう?
これ、オーメンズ・オブ・ラブのメロディーの一部です。
これをもし、シンコペーションじゃなく書いたとしたら、どうなるでしょう…
 
 
2つの楽譜を見くらべてみるとわかると思うのですが、シンコペーションって、
前の拍のスペースの一部を後の拍が奪い取って進出してきているように見えますよね。
リズムの中の音って、長い音の方が、持っているエネルギーは高いとも言える。
前の拍から、その長さの一部を奪い取るのだから、後の拍は当然エネルギーが高くなる。
シンコペーション的な裏拍の音、裏拍から出る音って、エネルギーが高い場合が多いのです。
 
 
ビートを感じて
 
エネルギーを高めてリズムに変化を与え、むしろビートを強める、そんなシンコペーション、
それがもし前のめりに転んでしまったら、台無しですね。
どうすれば、うまくかっこよくできるのか…
ビートをしっかり感じて演奏することが大切だと思うのです。
裏拍の『溜め』を感じて。もちろんこれは、音楽の種類によって違います。
前記事に書いたように、ポップスといっても、ジャズ、ラテン、ロック、サンバ、いろいろあります。
溜めって、前の拍がスペースを奪われまいと抵抗していることなのかもしれないですね。
その緊張感が面白いのに、それが転んでしまったら…
だから、ビート、拍のエネルギーをしっかり感じて演奏したいのですね。
これだけで、ポップスの演奏は数段冴えますよ。
 
 
裏拍いろいろ
 
たとえばクラシック的な裏拍って、表の拍をしっかり感じ過ぎるとうまくいかないことが多い…。
あとうちなんかがそうですよね。
『ンタンタンタ…』重いです。『スタスタスタ…』という感じの方がいいかもしれない。
ところが、シンコペーション的な裏拍って、ビート、表の拍をしっかり感じないと決まらない。
裏拍にも、いろいろあるのですね。
 
さて、ポップスの裏拍、かっこよく決まっていますか?