『従順』と『素直』、この2つ、違いは何だと思いますか。
同じことだと思いますか。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
従順
まず、中川まろみさんの、このコラムを読んでみて下さい。
さて、どう思われましたか。
ぼくはこのコラムにとても共感します。
歯車になりたがる日本人
ただ上の人の言われたとおりに動くだけの歯車になろうとする人、多いように思います。
自分の考えや意思を持たず、意見せず、ただ組織の歯車でしかない人…
上の言うことは聞かなければならない、意見してはならない…
だから逆に、「どう思う?」って訊かれたら答えられない…。
欧米ではこれ、許されないのではないでしょうか。自分の考えがないなんて…
ダメなやつだ、って思われて終わりなのではないでしょうか。
でも、日本では普通だったりしますよね。これ、変じゃないですか。
歯車生産工場
どうしてこんなにも、自分の意思を持たず、歯車になりたがる人が多いのか…
小さい時からそういうふうに育てられているから、ですよね。
「言われたとおりにしなさい」「ほかの人たちはみんなやってるぞ」…
なかには、こんなふうに言った人もいたそうです。
「あなたたちは社会の歯車になるのです。個性は必要ありません」…
これ、学校の先生の言葉です。
きっと自分もそういうふうに育てられてきたのでしょうね、可哀相に…
人と同じであることを
人とくらべられること、『人と同じであること』を求められること、多い気がします。
親から言われたこと、ないですか、「○○さんはこうなのに…」って。
学校も、こまかい規則で縛りつけて、型にはめて…。
また、暗に、形をそろえること、人と同じにすることが教育なんだ、と言う先生もいます。
吹奏楽部の練習だって、そうではないですか。
でも、無機的に形をそろえたって、音楽にはなりませんよ。
そうではなく、よく感じ、共感するから音楽になるのです。
権威主義
自分の意思や考えを持たない、外に出さない、その理由に、権威主義というのもあると思います。
成功したら、何を言っても許される。
成功者の言うことだから、全て正しい。
成功してから、結果を出してからモノを言え
自分のようなものが何か言っちゃいけないんだ…
権威ある人、成功者の話は盲目的に聞き、そうではない人の話は歯牙にもかけない、
そんなところ、あるのではないてしょうか。
むしろ固定観念の少ない子どもの方が、いい発想をすることだってありますよ。
自分で考えて内容を判断しないんですか。名前やラベルで判断するの? それって変でしょう!
従順と素直
さて、『従順』と『素直』ですが、その違いは何だと思われますか。
ぼくは、『自分』があるかどうか、だと思います。
頑なだということではありません。頑なになる人は、むしろ自分がしっかりしていない人です。
自分の意思、自分の思い、自分をちゃんと持っている人は、人にも共感できる人。
共感力がある。それがほんとうの『素直』ということなのだと思うのです。
自分がしっかりしている人
自分がしっかりしていない人は、頑なになるか、無機的に従うだけの人になるか、
どちらかだと思うのです。
自分がなにもないから、人に付き従うだけ…。自分がちゃんとしているから、人に共感できる…。
この2つ、一見どこか似ているようで、まったく違う正反対のことだと思うのです。
そして、自分がない、自分に自信がないから、人の顔色をうかがったり、人をけなしたりする…
ほんとうに自分を持っている人は、いつでも自分のままでいられるから、ナチュラルで素直なのです。
さて、悪い意味での従順、没個性、もうそろそろやめにしませんか。