みなさんは、本番のステージ、緊張する人ですか。
緊張の原因って、きっといろいろあるのでしょうけど…
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
ある本番で…
きょうは自分の体験談を書いてみますね。
ある本番、オーケストラで、3日間のステージでした。
初めての曲だったのですが、技術的には特に難しくもキツくもありません。
にもかかわらず、もうコントロールが難しいくらいにガチガチに緊張したのですよね…
ほんとうに、手足が震えました。
あまり緊張しない人なのですけど、そのときは、もう…
初日が終わって…
初日が終わって、真っ暗な気持ちで家に帰って、
明かりもつけない部屋に一人座って、1時間くらい考え込みました。
次の日は何時間も前に会場に行って、念入りにウォーミングアップしました。
調子も、特に悪くはありません。でも、本番になると…
楽譜を見て、『たったこれだけ吹くだけじゃないか!』って思いました。
これまでもっと難しいことをたくさん吹いて来たじゃないか、と…。
でも、やっぱり…
不治の病に…
あまりにもどうにもならないので、こんなイメージメイキングをしました…
自分は不治の病に冒されていて、明日までの命なんだ。トロンボーンを吹くのも、この曲を演奏するのも、ここで演奏するのも、明日が最後。人生の最後に、精いっぱい悔いのない演奏を残そう。
そんなふうに思って、あらゆるものが愛おしくなる、そんな気持ちでステージに行きました。
ばかばかしいと思いますか?
それでも、やっぱりダメだったのですよ!
緊張の原因は…
さて、なぜ、どうしてあんなに緊張したのでしょうか。
難しい曲ではないし、キツいわけでは全然ない…。
初めての会場、初めての指揮者だったから? 知らない人がいたから?
その本番は、じつは試用期間的な側面もあったのですよね…。
だから緊張した? それもあったのかもしれません。でも…
あとになって気がついた、いちばんの敗因は…
その曲が、音楽が、自分の中に入っていなかったのです。
『この楽譜のとおりに、正しく、正確に』としか考えていなかった。
それでは、まともな音楽など奏でられるハズがありませんよね!
もちろん音楽的に難しくないものであれば、その場でイメージして音楽をつくることは出来ますが…
正解を持って
たとえば、何度もやり慣れた曲や親しんだ楽譜であれば誰だって、
その音楽は、すっかり自分の中に入っていますよね。
どこでどの楽器の音がするのか、どこでどの楽器とアンサンブルするのか、
楽譜の音も、その場面のイメージも、もう全部自分の中にある。
これって、ものすごく安心出来ることなのです。最強です。
ひとつの『正解』が、明確に自分の中にある。
あとはただ、それを実際の音にするスキルさえあればいいのです!
(それだってもちろん大変なことなのですが…)
音楽が助けてくれる
自分の中に音楽がある、そのいわば『当たり前』のことが、あの時は足りていなかった…
ステージの上では音楽の中に居られるようにするべきだと思います。
そういう準備をしていくべきです。
そうすれば、『音楽』が、助けてくれます。
もちろん緊張の原因って、こればかりではありません。いろいろなことがあると思います。
でももし、ステージの上で自分が自分でいられないのであれば、
もしかしたら、こういう準備が足りていない可能性もあるのかもしれません…。
さて、あなたはステージで、自分の中に音楽の正解を持っていますか。