音が合わない原因は… | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

アンサンブルや合奏の前にはチューニングってしますよね。

さて、音、合いますか。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

音が合わない原因は…

以前、2年ほど前に、こんな記事を書きました。


音が合わない原因、それは、自分の中に音がないからだ、と…

これ、とても大きなことです。

自分の中に音を持たず、楽器任せで音を作っている、これでは音は合いません。

自分の中で歌っている音が、楽器を通して出てくるのです。

でも、こんなことにも気をつけてほしいのです。

 

チューニングで

合奏の前にはチューニングをする団体が多いと思います。

どんなふうにしていますか。一人ずつハーモニーディレクターに合わせる?

そのとき、ただ「高いです」とか、「少し低いです」とか伝えるだけ?

このチューニング、個々の吹き方のチェックをしてあげる、いい機会なのです。

合奏前にチューニングする場面があったら、ぼくはこんなふうに使います。

 

吹き方

たとえば金管楽器、チューニング管を異常に(3cm以上も)抜いているようなら、

それは吹き方がおかしいといえると思います。

つまり、吹き方で高くなってしまっているのを管を抜くことで無理矢理下げている。

これ、バンドによっては少なくありません。

この状態でたとえピッチが合っても(チューナーの針がセンターになっても)、音は決して合いません。

 

ホルンの場合

また、例えばホルンの場合だと、ベルに入れる右手によって、音程や音色がずいぶん変わります。

音を聞いて『あれっ』と思ったら、必ずチェックするようにしています。

また、1番2番3番の各枝管、これを全く抜かずに吹くことは、ホルンの場合基本的にはありません。

(F管側もB管側も)

そんなところもチェックします。

そして、ホルンって、ひとつの楽器の中にB管とF管の2つの管を持っている。

その両方を、ちゃんと合わせるようにします。

音はBだけではなくFでも合わせたりします。

 

フルートの場合

吹き方がおかしくてピッチが合わない、これは木管楽器にも言えることで、

たとえばフルートでも、頭部管を必要以上に抜いてしまっている子が時々いたりします。

フルートの場合、オクターブ下のBでも合わせてみるようにしています。

下のBが異常に低くて合わない、これは、たいてい金管の場合と同じように、

吹き方で高くなってしまっているのを、管を抜くことで無理矢理下げているから。

 

ここまでに上げたことはほんの一例ですが、とにかくまずは、健全な音が大切なのですね。

また、楽器の調整が狂っている可能性も、音が合わない原因として考えられると思います。

 

管楽器のピッチ

管楽器ってどれも、同じ音でも吹き方ひとつでピッチを上げたり下げたりできるものです。

出せるピッチに、ある程度の幅がある。

さて、その幅の、どのあたりで吹いているのか、ということ。

もうわかりましたよね。

金管やフルートの『管抜きすぎ問題』は、その幅の極端に上の方で吹いてしまっている、ということ。

たとえその状態でピッチが合っても、音が合うことはないし、合奏からいいサウンドも出てきません。

ではなぜ、そんな状態になってしまうのか…

 

チューナー見過ぎ問題

チューナー見過ぎ、目で合わせ過ぎなことも、原因のひとつのように思います。

チューナーを見て吹くときの吹き方が、普段と違う、健全な吹き方から外れてしまっている…

チューナーの針を真ん中にすることにばかり意識が行ってしまっていて、

音を聞くことや音のイメージがおろそかになってしまっている…

これでは本末転倒ですよね。チューナーを使うことの弊害です。

合奏中にチューナーをつけっぱなしにしているのも、よくありません。

もっと『音』に意識を向けてみましょう。

また、あるいはロングトーンで『揺れないように』と思うあまり音を押さえつけて吹いてしまうことも、

ピッチの幅の上の方で吹いてしまう原因になっているのかもしれませんね…

 

音が合うことで

合奏は、音が合うことで、響きも増します。大きく増します。

だって、たとえばとなりの人と音が合わない状態で、気持ちよく吹けますか。

音だって死んでしまいます。

音が合うことでの相乗効果って、あるのです。

音が合って響きが合っていると、吹いていてもとってもラクです。

そのためにはもしかしたら、まずはチューナーを手放すことが必要なのかもしれませんね。

合奏前のチューニングって、そんないろいろなことを見てあげる場だと思うのです。

 

さて、音、合いますか。

 

 

関連記事…