パノラマX線写真といって、ある種の断層X線撮影法で全部の歯と周囲の撮影ができるものがあります。
成人では親知らずのチェック、上顎洞、全体的歯周病の程度のチェック、外傷などでの顎や顎関節の骨折などの診査に有用です。
パノラマX線写真では、まだ出ていない永久歯の数や形成度、そして方向などが1枚の撮影で分かりますので、小児歯科や矯正歯科分野では小学校半ば以降くらいで、以降の歯の生え変わりの異常の有無を診査でき、非常に有効です。
この患者さんは生え変わりの問題、歯並び噛み合わせの問題があって、他医院からの紹介で来院されました。
乳歯の生え変わりも後半の時期なのでパノラマX線写真を撮影してみると、いくつか今後の問題が見つかりました。
白丸の部位ですが、向かって右上の犬歯の方向が不良で、出て来れない可能性があります。
また、左下の第2小臼歯の形成が遅めで方向も良くありません。
すぐ何か処置は必要ありませんが、時間軸のなかで適時に介入して永久歯が出て来れるように誘導が必要です。
噛み合わせにも問題がありますので、そちらも考慮しながらのフォローになります。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam
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