反対咬合系の患者さんの矯正治療の場合、下顎の思春期成長要素があって、発育パターンのコントロールはほとんど出来ませんので、一概に早期治療が望ましいわけではありません。
中学生の患者さんで、上の前歯のデコボコを直して欲しいと言うご希望です。
骨格的に反対咬合系で、関連して上の歯並びが小さいため必然的にデコボコは発生します。
上に比べて下の歯並びはほぼOKで、噛み合わせが浅いことも含め、このような患者さんでは典型です。
この時点では、奥歯の噛み合わせの前後的ズレはあまりなく、これはプラスファクターでした。
思春期成長期で下顎は前方下方に成長するのが常ですので、通常は成長発育がおさまるまで待って、その時の状況にあわせた治療方針をたてます。
保護者の方からも、上の歯並びだけでも早めに改善して欲しいというご希望があったので、成長要因のことを納得いただき、あえて上の歯並びのみで治療スタートしました。
予測に反して、前後上下的に噛み合わせが出来て悪化しませんでした。
そのため、しばらくしてから下の歯並びにも装置を付けて全体矯正を続けました。
治療期間は1年9か月です。女子で高校生になりましたので、成長による悪化は落ち着いて来ています。
奥歯関係の悪化もほとんど見られません。
結果オーライ的ですが、本来でしたらこの年齢からの矯正治療開始が望ましい例です。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam