福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

外傷した乳歯の生え変わり

2018-10-17 | 歯のけが

上の乳歯前歯が抜けないのに、永久歯が裏側から出て来たと言うことで来院された患者さんです。
お口の中の写真はありませんが、生え変わり時に乳歯の根がほとんど短くなっていない状態で、根の先の部分が歯茎外側に露出していました。
保護者の方いわく、永久歯が変なところから出て来たと思った。




X線写真でも、永久歯が下りてきているのに、乳歯の根の長さはほとんど短くなっていないのが分かります。
下りて来ている永久歯は内側で、下の前歯と逆に噛みつつあります。
乳歯前歯の既往を訊いてみると、やはり乳歯前歯を打撲外傷した歴があります。
乳歯外傷歯にしばしば見られる変色はありませんが、外傷後に乳歯の神経は生きていない状況だったと推測されます。
このような場合、乳歯の自然脱落は期待できず、歯並び噛み合わせへの影響も出て来ます。
自称、日本一抜かない、削らない当院ですが、この患者さんでは即日抜歯をしました。
早めに抜歯することで、内側から生えつつある永久歯の位置の改善が期待できます。
乳歯の外傷は3歳未満くらいで、圧倒的に上の前歯が多いです。
例えば外傷後グラグラしていても、数週間固定してその後問題なく経過する場合も多いわけですが、生え変わりの問題が出て来ることもあるので、むしろ永久歯との生え変わり時期は要注意ですよ、と保護者の方にはお伝えしています。
他の影響としては、上の前歯の歯の頭の部分が完成されるのが3歳頃なので、それ以前位の外傷では、永久歯前歯の外側にスポット状のエナメル質形成不全が見られることもあります。






ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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