心の中で渦巻く色々なモヤモヤや疑問。
そしてお金がないと生きていけないという事実。
なんとか仕事を続けなきゃと必死になっていたある日、
会社からある書類の提出を求められました。
『身元保証書』です。
親や兄弟などに書いてもらうのが一般的だと思います。僕は上司に聞きました。
僕:あの…やっぱりこれって親に書いてもらうものですよね…?
上司:当たり前だろ!ご両親は健在なんだろ?
僕:………。まぁ…そうですね。ただあまり仲良くなくて…。
上司:どんな親でも、親は親。感謝をしなきゃ駄目だぞ!きちんと会って話をしてこい!
僕:……。は…はあ。分かりました。
親との関係を話すこともできない僕は、そう答えるしかありませんでした。
”親には感謝しろ”
”親の事を悪く言ったら駄目”
”親孝行しろ”
『普通』の人達からよく言われる言葉の数々。
”またこれか…。もうウンザリなんだよ…”
心の中でいつもそう思っていました。
身元保証書を会社に提出しなきゃいけない僕は困りました。
住居の契約は保証会社を使ってなんとか乗り切れたのですが、今度ばかりはそうはいきません。
仕方ない…本当に仕方ない…会うか。
親の電話番号は知っていたので、連絡をして親に会いに行きました。
話すのも会うのも、おそらく10年ぶり位。
久しぶりに会った父と継母。胸がゾワゾワっとしました。
そして心の奥から湧き出る黒い感情。殴りたい気持ちを抑えて、簡潔に用件を伝えて
身元保証書はなんとか書いてもらうことができました。
とはいえ、書いてもらって、『ハイ、さよなら!』とはいきません。
父は色々と聞いてきました。
父:お前、今なにやってるんだ?
僕:……。まぁ普通に働いているよ。
父:今は何しようが勝手だが、お前にはいつかオレの会社を継いでもらうからな!
僕:は…?
父:今までお前は好き勝手に生きてきたんだし、いい加減に落ち着け。
僕:好き勝手…?あの…好き勝手なことをしてきたと思ってるの?
父:そりゃそうだろ!高校出てからフラフラ遊んでたんだろ?
だいたい児童養護施設だって沢山金がかかったんだ。、
僕:あのさ…本当うるさいよ…。今までどんな思いをして生きてきたと思ってんの…?
父:なに…!お前、親に向かってなんだその口の聞き方は!?
僕:あぁーーーー!もう…本当この家無理。もう二度と帰らねーわ!お前らもさっさとくたばれ!!クソ!!
そう言い放って僕は家を飛び出しました。怒りをぶつけるかの如く全力で走りました。
これまでの辛かったことが一気に溢れ出てきました。
小学生の頃、たまらなく人の家庭が羨ましいと思ったこと。
自殺したくてもできなかった自分自身への怒り。
中学生の頃、電話ボックスで震えながら野宿したこと。
食べる物がなくて道に落ちている食べ物を口にした時のこと。施設で嫌だったこと。
親についてを人に話せないこと。
僕は、今回会って親さえ変わってくれば…
そして今までの事も謝ってくれれば…本当はこの時に、親と和解したかったのだと思います。
親戚も全くいない僕は、本当に本当に頼れる存在がいません。
それを考えると凄く絶望的な気持ちになります。
親に頼らず一人で生きていくことの限界を感じていました。
どんな親でも…どんなクソみたいな親でも…残念ながら親は親。
認めたくないけど認めるしかない位追い込まれていたのです。全てにおいて。
でも、”親と和解したい”そんな思いは粉々に砕けました。
そんな甘い考えをしてしまった自分に本当に腹が立ちました。
もう絶対に…絶対に親とは会わない。この時、固く決意しました。
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