6年生のサピックスオープンの結果がでたようですね。この模試は、処理能力・知識力のA問題と思考力・記述力のB問題とわけて得点化し志望校を判定することに特徴があります。

模試を受けた方は、成績結果速報で、各科目A,Bの点数を変えて、判定がどうなるか試すことができます。面白いサービスで結構遊べます。

 

おそらく、サピックスは、各科目A,Bの点数に各学校固有の係数をかけて、その学校の入試傾向に合わせた換算点数を算出し、判定を出していると思います。

 

換算点数=C1×算A+C2×国A

      +C3×理A+C4×社A

             +C1×算B+C2×国B

      +C3×理B+C4×社B

 

これらのC1~C8の換算係数がサピが考えるその学校の入試傾向を定量化したものに他なりません。

このブログでも、何度か取り上げましたが、各学校のAとBの比率の設定に興味がありました。これらの係数を求めようと、自動で各科目の点数を入力し、判定結果を記録するプログラムを作って解析しました。ただ、当時は考えが至らず、データのとり方がまずく、係数を求めるまでには至りませんでした。

 

本当は以下のやり方が良かったです。

 

1. 判定が30%になる点数配分を求める

2. 1科目のみ点数を上げていき、何点上げればぴったり70%判定(1点あげて判定60%から70%になるポイント)となるか求める

3. すべての科目について2を実施する。

 

30%から70%にあがる点数が小さいほど、換算係数が大きい(その科目が重要)ということになります。、その点数の逆数に換算係数が比例するので、これならかなり正確に換算係数が求められます。

なんで、当時こうしなかったのかちょっと残念です。もう、私は志望校判定のページにアクセスできませんので。

 

できることといえば、以前とったデータを見直してみることぐらい。精度は落ちますが、一応各係数を出してみました。

係数は換算点数の満点が約1000点になるように調整しています。これらの数値が志望校判定SOのその志望校に対する各科目A,Bの重みづけとなります。

 

学校 算A 国A 理A 社A 算B 国B 理B 社B
筑駒 0.67 0.33 1.83 1.83 1 1.33 0.67 0.67
開成 0.83 0.38 1.79 1.91 1 1.46 0.46 0.33
麻布 0.8 0.64 1 0.5 1.2 1.37 1 1.5
聖光 1.5 1.6 1.6 1.46 0.5 0.4 0.4 0.54
栄光 0.4 0.6 1.05 0.9 1.55 1.35 1.05 1.2


筑駒と開成の理社の係数が大きいのは、サピの配点(理社は算国の2/3)に比べ入試の理社配点(筑駒は均等配点)が大きいからです。サピの配点との相対的なものですので、両校が特に理社を重視しているわけではないです。ただ、係数が大きいので、筑駒、開成は理社Aに加点すると配点にかなり効きます。なにせ国Aの5倍以上の効果ですので。

筑駒、開成の入試国語はオール記述に近いので、両校とも国Bの係数が大きいです。麻布、栄光と変わりません。算数は場合の数や規則性が多いと算Bの比率が大きいと判断されるようですね。ただ、算数Aの比率が高い聖光でも、実際の入試ではかなり手の込んだ問題でますので、算数は単純にA,Bとは切り分けられないと気がしますが。

 
まあ、以前書きましたが、個人的にはAはともかくBを一括りにするのは乱暴と思います。この模試の試みは面白いと思いますが、判定については参考程度でよろしいのではないでしょうか。Aタイプの息子ですが、この模試、AよりBの方がはるかに良かったです。何故?不思議でした。