金継ぎ頭像

　ー　再生の物語　ー　

22 X 18 X 31cm, 2022

赤粘土、ミックスメディア

2002年私はマンハッタンにある成人向けのカルチャーセンターで、赤粘土を使って人体彫刻を作るクラスを取っていました。

モデルが回転式椅子に座っているのを見て赤粘土で頭像彫刻を作るという本格的なクラスを取るのは生まれて初めてでした！

しかし初めてながら結構上手くできたので嬉しかったし楽しかったです

先生も”本当に初めてなの？”と驚いたくらい!

まるで子供が砂場で遊ぶように

粘土の冷たくて柔らかくて滑らかな感触を感覚的に楽しみました

何回かのセッションが終わり

完成し窯で焼いてもらうために作品を学校に置いて帰りました。

そしてそして

”さて、どんなに素敵に焼けたことかしら？”とワクワクしながら次のクラスに行くと、

先生が

”ごめん、見つけた時には

こうなっていたんだよ。”

え？

なんと！！！

私の大切な彫刻！

生まれて初めてできた傑作が！

顔にたくさんヒビが入り、

しかも

耳はなんとちぎれて落ちてしまっているではありませんか！！

どうやら釜から出した後誰かが

顔を下にしてテーブルの上に叩きつけたみたい

今にして思えば、泣けばよかったと思います

でも現実にはどうしていいかわからなかった。

誰かが意図的に壊した可能性もある、と感じたのでしょうか、大きなトラウマとなり、この後彫刻を作るのはやめてしまいました

もしこの事件がなければひょっとして彫刻にの才能があるのかもしれないと気をよくして真剣に彫刻を勉強していたかもしれません。

でもこのあと彫刻を作ることはやめてしまいました。

でも

どういうわけかその後東京、香港、シンガポールと引っ越しましたが、この重いひび割れた頭像とちぎれた耳を捨てずにいたのです。

各国を引っ越すたびに一緒に持ってきました。

何故だろう？

そしてこれまたなぜかついこの間チャンスがあって金継ぎを習ったのです。金継ぎとは日本の伝統芸術で割れた陶器を漆と金の粉で接着し装飾する修復技法のこと。

実はちょっと前から、そうか、金継ぎしたらいいかも？と思っていたのでした　なんとなく、無意識にね。

そして

金継ぎ。。。に取り組みました

習ったのはついこの前。

自分の作品で金継ぎの技法を使ったのは初めて。

うまく行くかどうかわからなかった

失敗して自分の彫刻がもっと酷いものに

なってしまう危険もあった

でも挑戦してみました

幸運なことに！

うまく行った！

ヒビだらけの負傷アートが光り輝く金の条のおかげでまるで全く新しい作品へと生まれ変わりました

これで私が抱えていた長年の疑問、落胆、精神的なショック、不運を嘆く気持ち、、、などがスーッと消えていき、逆に喜び、光、希望、自分を褒めてあげられる気持ち、へと昇華して行きました

今なら言えます。先生、学校、ヒビ、事故、彫刻、金継ぎ、窯、全てにありがとうと！

本当に今回のこの作品作りは

自信になりました

金継ぎには

単なる工芸品を作る技法

という以上に

優れた哲学という側面もあると思うのです

人間って

欠点とか失敗とか

とにかく

ネガティブなところを

消したり隠したり直したり

しちゃいますよね

でも金継ぎは

欠点も失敗もネガティブな面も全て

消さず

隠したりせず

あるがままの状態で

そこに

金をあしらうことによって

逆に

目立たせちゃう

美点にしちゃう

そうすることによって

失敗を嘆く気持ちとか

壊れてしまったこと

壊されてしまったことから生じた

トラウマとか

ショックとか

全てのマイナス要素を

逆にプラスのエネルギーに

昇華させてしまう

まさに錬金術のような

不思議な不思議な

魔法のような

そういう

とても一言では言い表せない

重層的な意味、意義を持つ

素晴らしいアート技法なのです

本当に嬉しい

このアイディアが湧いたこと

トライしてみたこと

失敗する危険もあるけど

やり抜いたこと

いくつか困難もあったけど

乗り越えたこと

そして

美しい作品を作るという

挑戦をやり遂げたこと

20年かかったけど

ここから本当の

私のアート創造が

始まるのかもしれません

リウマチという大きな負の要素も

消したり隠したりしないで

逆に金を継いで

目立たせて

美しいものに昇華させることが

できるでしょうか？

追伸：自分にとっても大きな事件だったのでオンラインのコンテストを探したらちょうど２時間で締め切りのロサンジェルスのコンテストがあり、応募してみました。通常応募にはいろいろな書類を提出しないといけないので２時間では間に合わないか、と思ったのですが、なんとこのコンテストはチョー簡単！作品の写真を送るだけ！！締め切り前ギリギリに応募完了！

そしてそして見事

ファイナリスト賞（最終選考に残った人の賞）獲得！！！

10年でも20年でも

諦めないで続けること

挑戦し続けること

どこかに必ず

切り抜けるための答えのヒントが

落ちている

皆さんも

ぜひ

諦めないで

まずは血液検査の結果から！

                       今回　　(前回　　　前々回)　　 基準値              

CRP　　　　　   0.07         <5          <1      　(0-10)               

リウマチ因子　   25⬆️　　　　 　　　　　       <15    

MMP3               42.7                           　　16.1~56.8                                                         

血沈　　　　　　 4             7            12          3-15　

クレアチニン　   66         69         　67          (50-90)                                 

ヘモグロビンA1C(NGSP)(血色素量？）

　　　　　　　　13.1       12.9       13.５　　11.5~15  

ALT          25 ⬆️(7-23J)   44        47⬆️  5~40 (10-70)                     

白血球数　　　   5.2          3.87        4.14　　  4-11　                 

血小板数　　      168         171         165        140-440 

日本なのでリウマチ因子とMMP3が入っているのが

いいですが、リウマチ因子とALTが高いのはちょっと嫌ですね

しかし今回

東京のこの大学病院は

シンガポールから電話して予約したのですが

一筋縄ではいかなかったのよー

まず、

前回行ったのは2年半前で

その後の予約は2年くらい前だった

でもみなさんご承知の通り

この2年半はコロナのおかげで

感染リスクが怖くて飛行機には乗れなかったし

着いても隔離があるから

時間もホテル代も無駄になる

ましてやもし飛行機内でウイルスをもらっちゃったら

さらにどこかの病院に隔離されて

もし万が一肺炎とかの症状が出て

重体になったりしたらどうしよう。。。

最悪の場合は、“死”です

なので病院に香港から電話して

予約を変更しようと

何回か試みたのですが

同様の人が殺到したのか

あらゆる意味で病院が逼迫していたのか

電話が繋がらないのでした。。。

そのうち、もう諦めてた。。。

で今回この病院に心して電話

リウマチ科、整形外科、皮膚科、歯科の予約を変更したかった

すると、

この病院では海外から来た人は到着から10日間はこの病院に来てはいけない！！

そして、前回通院してから時間が経っているので

再診ではなく初診になってしまう！！

とのこと！！

ゲッ

でもなんとか説明して

何度も電話したけど繋がらなかったし

コロナ怖くて行けなかったし、、、

と言うと整形外科、皮膚科、歯科は

では先生に聞きます、お待ちください、、、

となり、

はい、先生の確認が取れましたので

と再診にしてもらえました

ところがなんと

一番のメインのリウマチ科だけは

実際に通院日に行ってみたら

なんとなんと！

初診扱いとなり

初診料払わされて

担当医師に合わせてもらえず

通常初診患者を担当するお医者さんにしか

会えなかった！！！

こりゃあひどいんでは？

病院代えた方がいいか？？？

まっそれでも

今回の一時帰国の最大の目的

リウマチ科受診は一応

達成されました！

他にも

弘前レンガ倉庫美術館にて

池田亮司展を観、

オープニングトークに参加し

おまけに

もと森美術館館長の南條史生さんとひさしぶりに再会、

奥様の沓名美和さん、そして建築家の田根剛さんと

4人でランチするという光栄に預かりました

コロナのおかげで切れてしまった運転免許も

めでたく更新！

日本でしか買えない

薬や化粧品もゲット！

2年半会えなかった友達にも会えたー

軽井沢では知り合いの個展に行ったり

友達にも会いに行けた

と言うわけで

大変実りのある充実の

一時帰国でございました

４回目ワクチンのおかげかどうか

幸いコロナにも罹らず

大満足でシンガポールに帰国いたしました

みなさんも