こんばんは。

 

 先月下旬に行われた第53回気象予報士試験の実技問題を見ての感想と言うか雑感を書くシリーズ。2回目は実技1の問2について書きたいと思います。なお、ペーパー気象予報士なので何卒お手柔らかに・・・。

 

 

◎前回のおさらい

 前回は実技1の問1について書きました。地上天気図と850hPa図の実況資料を用いて、天気図記号の意味や気圧傾向の変化を問う基本的な問題が中心でした。

 

 問2からいよいよ実技試験の「十八番(おはこ)」である〇〇時間予想図等を用いて解析していく問題となります。この辺りからいよいよ合否の分かれ目となりそうな問題が出てくるのであります。

 なお、問題で提示されている天気図は著作権に引っ掛かる可能性があるので載せるのを控えたいと思います。気象業務支援センターから公開されているので、すみませんがそちらをご覧下さい。

 

 

 

 問2 

 (1) 赤外画像を見て雲の特徴を記述する問題。問題文に「発達中の低気圧の雲形の特徴」、「雲頂高度」と言うキーワードが出てきているのでこれらに対応した解答を書かないと満点とはなりません。

 

 まずは雲頂高度。雲が赤外画像に移る仕組みはここでは割愛しますが、赤外画像は白く明瞭に映っている時は雲頂高度は上層にあります。

 図3を見ると、低気圧中心の北~北東側の雲は相対的に白く明瞭に写っており雲頂高度は高いと言えるでしょう。

 次に雲の形状はどうか。低気圧の中心から北側(極側)に盛り上がっています。問題文で「発達中の低気圧」と大ヒントが出ているので、バルジ状と言うフレーズを思いつけばOKでしょう。

 

 ・雲頂高度・・・高い

 ・雲の形状・・・北側に明瞭に写る雲域がありバルジ状を成している。

 

 

 (2) 前線描画と前線(面)に対応する高度、気圧を解析する問題。過去に何度も似たような問題は出題されていたと思います。気象予報士試験対策で

 

 過去問演習は必須です。

 

 と言うか、独学の場合はこれしか対策のしようがないような気がします。市販されているオリジナル問題って少ないですし・・・。

 

 前線に対応する等温線や前線描画は、等温線の込み具合、風のシアー(風向の異なる境界辺り)、移流(暖気、寒気)の様子を考えて解答します。前線描画のお決まりのセリフと言えば「等相当温位線集中帯の南縁」ですが、今回は相当温位図が示されていないので・・・。

 

 次に状態曲線から前線面の気圧や高度、勾配を求める問題。勾配を求める所で初めて計算問題が登場します。ちなみに問題に出てくる秋田(市)は北緯40度、東経140度付近にある事から色んな線や記号などがごちゃごちゃしている天気図で、日本列島の場所を特定する際の重要な情報源となるので覚えておいた方が良いでしょう。

 

 状態曲線を見ると、下層より上層の方が気温が高くなる「逆転層」が2個所あります。「温暖前線に対応する」なので、冷たい気団の上を暖かい気団が滑昇する事により形成される移流性逆転層を示す600hPa付近がそれに当たります。 

 まあ、そこまで考えなくても機転を利かせて次の(3)の問題を読むと、「(2)③とは別の下層にも特徴的な気温変化について問う」と書かれているので、ああ(2)は上の逆転層の事についてだな、と分かってしまうのですが・・・。詰めが甘いか支援センター!!

 

 前線面は暖気側に該当するので逆転層の上層側の気圧を解答します。

 

 前線面の気圧が解答出来れば、問題文に出ている条件を用いて高度も弾き出せるでしょう。

 

 500hPaの高度5,580mで1hPa当たりの高度が13m。つまり100hPaだと1,300m。

 

 よって前線面(600hPa)の高度は5,580-1,300=4,280m

 

 

 ⑤の勾配を求める問題は、もし自分が受験していたら後回しにして時間があったら解いてみると思います。計算問題は面倒な計算をした割に正解でも配点で報われないケースが多いので・・・。

 

 

 ちょっと長くなったので今日はここまで・・・。問2(2)の続きは日を改めて書きたいと思います。

 

 

 

 


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