熊本県では豪雨のため川の氾濫や土砂崩れが起こり、死者や行方不明者が出ているという。一方、コロナの感染者数は増加の一途をたどり、改善の兆しがない。今日は辛いニュースが続いている。

 

今日の東京は涼しくて、時に雨が降り、私には何の予定もなかった。そこで図書館で借りている三笠書房発行のクローニン全集を読むことにし、まずは第一巻の「帽子屋の城Ⅰ」を手に取った。

 

これはクローニンの処女作で、第2巻で完結する長編。もともと医者としての勉強や活動をしていたクローニンだったが、過労により静養が必要となり病院を閉鎖、故郷のスコットランドに転地している間の3か月間で書き上げた作品だそうだ。

 

この小説は1879年から始まる。ジェームズ・ブローディという専制君主のような男と、その家族の特異ともいえる物語である。まだ第2巻を読んでいないので、意見は差し控えるが、第1巻を読み終えた今、頭がクラクラしている。字が小さいからか?翻訳された言葉が難しすぎるからか?いやいや、このジェームズ・ブローディの凶暴さや彼に支配される家族のみじめさが、息苦しかったからではないだろうか?

 

でも、この作家はある意味大衆的というか、最後は苦労の中にも善良な人物が幸せになるストーリーが多いから、後半に期待しよう。(ハッピーエンドが好きな私です。)

 

ところで、この全集はこれまで読んできたクローニンの作品と同じ竹内道之助という方の翻訳だが、処女作のせいか、翻訳が分かりにくい。フリガナがついてはいるが、阿諛(アユ)とか、平仄(ヒョウソク)とか、まあ、私にとってどうにか読める程度の言葉がたくさん出てくる。また、原文がそうなっているのだろうが、いくつもの文章が「、」で並列されていて、長すぎて理解しにくい。

 

これまでは同翻訳者の文章はとても分かりやすいという感想を持っていたのだが、長い間に徐々に原文も翻訳もスマートになってきたのだろうか?話も暗いし、翻訳も分かりにくいし、ああ、まだ頭がクラクラしてる。それでも、続きが読みたい。(笑)

 

ブログランキングに参加しています。

今日もクリックしていただけると嬉しいです。