ハチの家文学館

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ヒュッテルのトランペット

2019年08月21日 11時42分32秒 | ハチパパのひとり言

昭和40年、郷里浜松でビッグバンド「ジェリーメン楽団」を結成したころ、西ドイツのHUTTL(ヒュッテル)製のトランペットを買った。バンドでのパートはトロンボーンだったが、個人的にトランペットが好きで実家の工場で練習したり、すぐそばの川べりで「夕焼けのトランペット」などを吹いていた。会社のパーティなどでウクレレのIさんと演奏したこともある。

昭和41年、銀行の自由が丘支店に転勤したころも、大井町の独身寮に早めに帰って、人気のないうちにと最上階の物干し場で吹いていたこともあった。自由が丘支店のビルの地下にジャズ評論家磯野テルオさんが経営する、「ファイブスポット」というモダンジャズのライブハウスがあってよく通っていた。

このトランペットには役立ちのエピソードがある。昭和41年から43年頃の独身時代、目黒駅前の「園」というBARによく通っていた。当時、月末払いのツケで飲んでいたのであるが、支払に事欠いたことが2度あった。そのとき「園」にほど近い質屋に行って1万円調達したことがある。10年ほど前にその質屋を探し当て、中に入ってみたら当時のご主人は他界していていなかったが、息子さんが跡を継いでいて当時の話をしたら息子さんも「園」に通っていたという。ひょっとすると顔を合わせていたかもしれない。

先日のお盆で私の75歳の誕生祝に息子たち家族が集まった時、今年中学1年生になった孫娘がブラスバンドに入って、トランペットを吹いているというので、屋根裏部屋にしまい込んであるヒュッテルのトランペットとトロンボーンを出してきてプレゼントした。孫娘の嬉しそうな顔を見て、ジイジとしても好きな楽器を引き継いでもらえてよかったと大満足。

断捨離という訳ではないが、数年前からモノを少しでも片づけようと、衣類、ネクタイ、書棚の本雑誌や40数年前のオーディオ機器などを処分してきた。まだまだカメラや写真など整理して処分するモノは沢山あるが、何でもかんでも一挙に処分することはあるまいと思うようになった。

先日、スクラップ帳に貼っていたマッチのレッテル3冊を廃棄した。おそらく2000枚以上はあったと思う。およそ40年もの間、全国出張、旅行をはじめ、東京・横浜・浜松を中心に集めたマッチ、今では殆ど使われていないマッチ箱の証としても貴重な資料だった。なぜ捨てたかと言えば、飲み処のマッチが多く、もしものあとに親父の浪費癖を立証するものだと考え廃棄した。今思えば好き勝手して生きてきたことはカミサンも息子もよくわかっていることだし、いまさら隠しても仕方のないことだった。

 



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