文字が多い夜便です。


重いけど…なハナシを
何回かに分けて
お伝えしたいと思います。
うまく書けないけど許してねー。




今回はホーダーさんの事。


数年前。
私が猫使いの弟子を始めて
間も無くの事。
初めての多頭飼育崩壊(寸前)
の現場でした。


お外の猫さまも保護して
おウチにさえ入れれば幸せになる。
まだそう信じていた時だったので
衝撃を受け考えさせられた
忘れられない現場です。


ホーダーさんは
集めてしまうヒトのこと。
有名どころではゴミ屋敷の家主さん。


猫を集めてしまうホーダーさんは
正式には「アニマルホーダー」と
呼ばれています。



IMG_1372



ホーダーさんは
私より少し歳上の女性一人暮らし。
3LDKのアパート住まい。



この一人暮らしには十分な広さの
お住まいに30頭ほどの猫さまを
集めていました。




IMG_1374



このホーダーさん宅では
LDKで半分の猫をフリーで
飼育しているのですが
繁殖していました。
子猫がたくさんいて…
一部の子は近親故か障害の出てる子も
おりました。


そう。ほとんどの子が
未手術。




IMG_1373



ホーダーさんは
自分は保護活動をしている。
と思われています。
自分は可哀想な子を集めて
お世話をしている。
救っているのだという認識です。


しかし
猫は家の中で増え続け
生活がままならぬ状態。


無職状態のホーダーさんは
ご自身の生活も健康も
経済的にも余裕がなく
かなり頑張られていたと思いますが
お掃除も医療も滞り気味。


猫が好きで可哀想。
私がお世話をしなきゃ。
という思いが空回りし続けている。
そんな状態です。



それはそれで
お辛いだろうな…と思います。


IMG_1375


そこで私のお仕えする
ハイパーボラ様が全頭の手術…

そして

一部の猫さまの
引き取りを申し出たのですが…


手術はいいけど
引き取りはNG。



この子はこんな病気だから手放さない。
この子もあんな病気だから心配で無理。


一度引き取りに応じた子猫も
枕元に神様?仏様?が出てきて
引き渡すなと言われたから…
と、なかった話になったり。


結局、1頭も手放しませんでした。






LDKで半分の子がフリーで繁殖。


あとの半分の子は…
2部屋を潰してケージ暮らし。


LDKのフリー状態は
これ以上ケージが
置けなくなったから。




IMG_1376


そのケージは
15ケージぐらいあったでしょうか…


名前もついてます。
トイレもあります。
ご飯ももらえます。


私達が来るから…と
お掃除もしてありました。


ただこの子達はもうフリーになる事なく
一生をこの1段ケージで送る。


どちらかというと
可愛がる。お世話をする。
というより
ケージに収めて安心した。
悪く言ってしまえば
コレクションケース的…意味合いを
感じました。



呆気にとられた私の目に入った
ケージ内の白猫さまの
諦めたような
悟ったような
「無」な表情が忘れられません。


でも、それは私から見たら…
な話で
ホーダーさんから見れば
保護した可哀想な子。
ウチに来たラッキーな子。
になります。


私から見たら…
これは…
キャパを越えた多頭飼育崩壊で
虐待と紙一重??
でも。
ホーダーさんは本気でなんの疑いもなく
保護してる。
救っている。
良いことをしてる。
と思っている…


これが話の噛み合わない
難しいところ。


そして状況が悪くても
なんだかんだ理由をつけて手放さない。

周りのヒトから理解されず孤立して
更に悪い状態になっていく。

その悪循環。



アニマルホーダー(ゴミ屋敷の家主)は
強迫性障害、依存症の一種という
精神疾患らしいのですが
まだ社会的には
困ったヒト
変わったヒト
迷惑なヒト
といった認識で止まっています。



"今、日本には動物虐待に具体的な
数値規制などがありません。


動物の所有権を奪う
専門機関アニマルポリスもありませんし
所有権を奪っても
保護した動物を保護するティアハイムのような施設
センターは保護施設ではありません。もありません"


この現場は
まだ手術の出来ない子猫を除く
オトナ猫全頭の不妊手術(第一回)
子猫の成長を待って子猫の不妊手術(第二回)
の全頭手術。



これが現状、出来る限界…




これが私の見たはじめての
ホーダーさん。
による
多頭飼育崩壊(寸前)でした。