酵素生活~リバースエイジングの秘訣~

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「長岡式」を敬遠する現代人の忙しさ

2019-09-05 18:18:30 | 長岡式酵素玄米ご飯/ファスティング
芸能人のガン報道がこのところ相次いでワイドショーをにぎわせました。
「ガンは恐い」というイメージがふりまかれる一方で、肉食、砂糖、乳製品の危険性や、三大療法(標準治療)の問題点を指摘するようなコメントは皆無。
早期発見のための検診を促す呼びかけが予定調和的に導かれるのが、いつものことながら大体のパターンでした。

【似て非なる発酵玄米】

胆管ガンで亡くなった女優の川島なお美さんが抗ガン剤治療を行わず、玄米などの食事療法を取り入れていたことがネット上で論議を呼んでいました。
ガンの食事療法として玄米食を公言すると、バッシングされることがよくありますが、今回は批判的な意見に対し、川島さんの選択を擁護する反論も見受けられました。

川島さんの公式ブログを拝見したところ、昨年6月のブログで「発酵玄米」にはまっていると書いています。
「本当は圧力鍋で焚く『長岡式』で作りたいのですが、巨大なお釜が2台いり大変なので新しく購入したこちらの炊飯器を代用してます」とあり、電気炊飯器と、炊いてから5日後という玄米の写真が添えられています。
写真を見た限りでは長岡式で発酵させた玄米とは似て非なる色合いでした。
川島さんは「長岡式酵素玄米」をご存じだったようですが、なぜ長岡式を「大変」と受け止められたのか、気になりました。

【炊き方の約束事】

私は長岡式酵素玄米を炊き始めて約10年になります。
「巨大なお釜」とは正確には圧力釜と保温ジャーを指していると思われます。

確かに長岡式は一見面倒です。
まず、長岡式の普及活動をしている「太陽の家」(本部・埼玉県川越市)が全国各地で開いている炊き方講習会に参加しなければなりません。
1回3時間ほど。
参加費は私のときで500円でした。

長岡式の考え方に納得がいけば、専用の道具一式の購入を申し込みます。
総額約7万円。
買う、買わないは自由で、押し売り的なセールストークは一切ありません。
長岡式で炊いた玄米に私が魅力を最も感じたのは、何よりも美味しさにあります。
「こんな玄米ご飯を自宅で炊ける」。
考えただけで、わくわくしました。

炊き方の約束事は細かく決められています。
1回に炊く量は1升。
ビールコップ(1合)で10杯、コップに盛った玄米を専用の木定規でならしながら正確に量ります。
最後に小豆を2分の1合加えます。
これを浄水で丁寧に洗い、専用のざるで水を切った後、内釜に移し、ビールコップで浄水を10杯、1杯ずつ入れていきます。

専用の泡立て器で渦を巻くように玄米+小豆をかきまぜながら、これまた専用の塩を加え、計7分、かきまぜ続けます。
ここで内釜を外釜(ビールコップ1杯半分の水を入れておく)にセット。
タイマーを25分にセットし、七分の火力で着火します。
25分前後でおもりがくるくる回転し始めれば火加減はOK。
そのまま13分をめどに継続し、おもりの回転が止まったところを見計らって火力を五分に落とします。
15分後に火を止め、50分蒸らして終了。
玄米のイメージを根底から覆すもちもちのご飯が炊き上がります。

これをジャーに移し、酸素を供給するための天地返しを日に一度繰り返します。
発酵が進み、玄米がこげ茶色に染まる3~4日目あたりから食べごろになります。
私は炊飯直後から食べ始め、約1週間かけて食べ切ります。

【手順守って失敗なし】

1回の炊飯時間は玄米の計量から約2時間半。
白米を炊飯器で炊くようなわけにはいかず、手間暇かかると思われるかもしれませんが、1回炊けば1週間は持ちますから、1日当たりにならせば30分足らずです。
川島さんが「大変」と書いたのは道具だけのことではなく、手順を含めてのことかもしれません。
しかし、要は慣れ。
繰り返し炊いているうちに手順は自然に覚えます。
炊き上がりがうまく行ったときの達成感も喜びとなります。

炊き方講習会では「手順を自己流にアレンジしないでください」と注意されました。
妻からは「どんな量り方をしようと1升は1升でしょ?コップでわざわざ1杯ずつ量るなんてバッカじゃないの」と呆れられました。

何事にも批判精神旺盛なつもりですが、こと長岡式酵素玄米に関しては理屈を抜きにして炊き方の手順をほぼ忠実に守っています。
おかげで炊飯を失敗したことはこれまで一度もありません。

私に文句を言った妻はだいぶ後になって炊き方講習会に参加し、長岡式を時々手伝ってくれるようになったのですが、自分の判断で手順をいくつか省略した結果、ものの見事に失敗。
以来、わが家では玄米の炊飯は私のみの受け持ちとしています。

【仕事優先が遠ざける養生】

川島さんが長岡式を「大変」と感じたのは仕事が忙し過ぎたせいもありそうです。
伝えられる川島さんの信念は最期まで女優として輝き続けることだったようです。

このような生き方は、川島さんのような生存競争の厳しい芸能人に限ったことではありません。
現代人の多くは仕事を最優先にして生きています。
昔なら土を耕すことから始まった「食べる」という面倒な行為は、現代ではファストフードやコンビニ弁当で空腹を満たすだけなら間に合います。
しかし、便利さと引き換えに伝統的食文化が破壊されたり、化学物質まみれの食品が氾濫したり、失ったものも多々あります。

人生には健康や命を犠牲にしても目的を達成しなければならない局面もあります。
個人の思想や哲学にかかわる問題を他人がとやかく言うべきではありませんが、道半ばで病に倒れるのは誰だって無念でしょう。
そうならないために、小さなことでも養生を積み重ねるに越したことはありません。

国内外を問わず、長寿郷といわれる地域では、便利さに慣れた都会人が面倒くさがることが生活習慣として日常に組み込まれています。
自然体で日々養生しているわけです。
「文明に出合った瞬間から短命化が始まる」という森下先生の至言を私はいつも思い出しています。

長岡式といえども、文明の利器であるガスと電気を使います。
それさえも「大変」と言わしめてしまう現代人の忙しい生き方の是非を、この機会に立ち止まって考えてもよいのではないでしょうか。

森下自然医学 2015.12.
ヒポクラテスの目 No.40
山田寿彦
(元毎日新聞記者。1960年、北海道函館市出身。早稲田大学教育学部卒。2015年10月、札幌で鍼灸指圧治療院を開業。)

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