新宿レコ屋⑨~悲しみは果てしなく | レコ屋巡りの夜

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塩化ビニール(=レコード)中毒患者のトホホな日々を綴りたいと思います。
オリジナルが欲しいけど高いなら諦めます。

 そして男は下北駅から小田急線に乗って一路新宿へ。世界NO.1のレコード街・新宿。海外からも各国ディーラー&業者&単なる物見遊山の観光客が溢れる町・新宿。3桁レコが主食の男にとって、レコード・ハイエナジープライスで迎撃するD店、H店&新規参入のT店と極めて攻略は難しい。よって3桁男は普通はこんな敷居が高い街には近寄らないのだが、セール後のエサを求めて近づいてしまったのだ。

 

 小田急線に乗りながらいつもの様にスマホで収穫物をDiscogs のデータと照らし合わせると…まずMidnight Sun のUS盤相場はやはり20~30ドルで正解。しかし…それがBADコンディションならいいですよ。それがEX ( excellent ) コンディションならどうよ(涙)?なんでオラはあんなにボロイのをわざわざ3200円で買うわけ(試合終了)。

 

 そしてMad Riverですよ。事前リサーチでは海外でも良コンディションで100ドルほど…のはずがずっと安い!えっ?自分が買ったものと同じ程度が海外でやはり20~30ドルって⁉ そりゃぁ…それを送料払って輸入すれば同じ値段だろうけど…。もうね、新宿に着く前に意気消沈状態。

 

 そして新宿に着いて改札出たら、西口に出てしまった。20年以上前なら新宿のレコ屋街は”西口”だったけど、今やすっかり様変わりして東口中心になってしまった。仕方がないので飲み屋街の路地を通り抜け、小さく低いガード下を通り抜けアルタ前にでる。しかしその男には、アルタ6Fで高額プライス溢れかえるH店に行く根性はもう残ってはいなかった。下北での掘り師としての敗北を認めざるを得ない心を抱え、向かうは紀伊国屋書店?ビル8FのD店である。

 

 この店に到達するにはエレベーターに乗るわけだが、何しろこれがいつも混むわけですよ。だから敬遠したくなるんですが、東口アルタ前からルート上このD店が一番近いということで行くことに。そしたら結構空いていて、簡単にエレベーターにも乗れてスンナリ8Fへ(フ~)。ここにもあるわあるわ、ゴールデンウィーク・60~70年代ロックプレミアム廃盤セールコーナーが!つうても買える値段じゃないんだよなぁ…と早速パラパラ見てゆくと、見始めて10枚くらいのところで見覚えのあるあのジャケットが!

 

またもやMidnight Sun のUS盤!! こんなに簡単にまた見つかるんかい!?しかも裏ジャケ見ればご丁寧に、先ほど買ったのと同様のサンプルスティッカーが!盤質は自分が買ったのと同じ”B”ではあったが、少なくとも自分のブツのように天は裂けていない。あああぁ…で値段は5000円台後半でホッと一安心。しっかしこんなに簡単に再び見つけるかね?1時間ほど前のあの興奮は何だったん?もちろん検盤する意味もないので、悪い夢だったと見てみぬことに。

 

 そしてその数枚先に再びま~~~ったく同じUSサンプル盤の同LPが!2枚目!…否、本日3枚目の目撃(=試合完全終了)。何のためにあんなに興奮してあのボロ盤を買ったんよ?泣けてくるってのはこのことですね(涙)。ちにみにこれも5000円台でした。あばよ、ミッドナイト・サン!

 

 その後もこれまた狙っている物が5000円くらいで2~3枚出てきたんですが、それもこれもあのMidnight Sun を買っていなければ買えたのに!!と怒りに打ち震えながら棚に戻すを繰り返す。

 

教訓: よ~っぽど安くない限り、ボロイのを買うのは止めましょう。

 

 嫌気が差しながらもう店を出ようか…と入り口付近に来たとき、左側に新入荷コーナーを発見。そうだそうだ、ここにもあったよと早速捜索再開。さすがに廃盤…と名の付くような代物は出てきませんな。国内盤帯なしのよく見る3桁レコがスコスコ出てくるが、流石に買う気になれず。うぬぅ・・・と諦め加減のときこれが出た!

 

Underground Electrics - Hey Jude ( Crown CST 588 1968年 ) US LP 980円

 

 オオッ!来た~~!これは昨年ブログ仲間のJahking さんが紹介されていたブツ。見たところ何の変哲もないVarious Artists の編集盤に見えますが、これCrown Records の覆面バンドによるヘヴィー・ブルース・ロックの究極の1枚!

 

 

ついでにjahking さんの記事もリンクさせて頂きます:

https://blog.goo.ne.jp/jahking/s/Electrics

 

Jahkingさんは確か300円で入手されているが、こちらは3倍以上のお値段。それにしてもジャケットがやたらキレイだ。カウンターで検盤しましたが、出てきた盤これまたどピンピン!レーベルに髭のないいわゆるミントコンディション。”ミラー・コンディション”とはこのことか。ちなみにこのアルバムのことはどんなガイド本にも載っておらず、Jahkingさんが見抜いたのだ(詳しくは上のリンクで当時を記事をご覧下さい)。

 

 ちなみに次のレコード番号 "Crown CST 589"が同じく覆面バンドながらヘヴィーサイケの権化的アルバム"Firebirds"なので、このUnderground Electrics も同じバンドではないか?と推測されています。

 

 

・・・で、一矢報いたぜと退店。その後本丸のD店ロックストア4&5F店+路面店に行くも客は多いものの完全に空振り三振。空しく家路を辿った。

 

☆☆☆☆☆☆

 

 そうは言ってもね、一応探していたブツも手に入ったしと今朝は起きてすぐに収穫祭を開始して一枚づつ試聴する。あれだけガックリしたMidnight Sunは作品的には素晴らしく、なぜか再生音もきれい。あの極悪ヘアラインも鳴りを潜める。

 

 しかし…これまた問題の Mad Riverがね…。盤面は薄いスレや傷はあったですが、盤面を触っても感触はないし音には出まいと思っていたのに、これはAB面通して絶え間なく降り注ぐサーフィス・ノイズの雨…。終わった…もはや言い逃れぬことのできぬ敗戦。見た目も音も最低だ(涙)。昭和の掘り師を完全なる敗北を認めざるをえなかった(無念!)。

 

教訓: 中古レコは、やっぱり良コンディションを買いましょう。

 

レコ屋巡りの旅はつづく…。

 

 


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