経済なんでも研究会

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円相場は なぜ静止しているのか

2019-04-24 07:12:28 | 円相場
◇ 有力説は貿易黒字の縮小 = 円の対ドル相場が、ほとんど動かなくなった。今月15-16日にはワシントンで、閣僚級の日米貿易交渉が開かれた。それを前にアメリカのムニューシン財務長官は「為替条項の挿入を求める」と発言したが、円相場は動かなかった。ふつうなら、この発言で1-2円は高くなったはず。その会議が終わっても、円は動かない。不思議と言えば、きわめて不思議である。

年初の円相場は108円だった。そこから少し下落し、1月21日からはずっと109-112円の間で足踏みしている。イギリスのEU離脱や米中貿易戦争のニュースが入っても、動かない。こんな現象はかつてなかった。調べてみると、円相場の動きは昨年を通じても鈍かった。年間の高値と安値の差は、わずか10円にとどまっている。なぜなのか。

この点について、日経新聞は「貿易収支の黒字が減り、所得収支の黒字が増えたため」と解説している。たとえば昨年の場合、貿易収支の黒字は1兆2000億円。04年の14兆4000億円から大きく減少した。その半面、所得収支はこの間9兆5000億円から18兆8000億円に急増している。貿易黒字は企業が円に転換するが、投資などで得た所得収支の黒字は転換することが少ない。だから円高になりにくいというわけだ。

なるほどとは思うが、それだけで説明するのは少々ムリ。ほかに国際緊張の緩和で、安全資産としての円の重要性が低下したとも考えられる。そこまで考えに入れても、説明は困難。なぜ110円前後で静止するのかも判らない。原因が解明できないから、今後の見通しも不透明になる。だから専門家でも、見通しは口にしない。

       ≪23日の日経平均 = 上げ +41.84円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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