経済なんでも研究会

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最後のトリデは 個人消費 / アメリカ

2019-12-06 08:15:00 | アメリカ
◇ 年末商戦は活況の滑り出し = アメリカでは、先週28日が感謝祭の休日。毎年この日の夕刻から、恒例のXマス大売出しがスタートする。ことしの滑り出しは、きわめて好調。デパートや専門店には、行列ができたという。調査会社の予測では、売上総額が7300億ドル(約80兆円)、前年の4%増になる見通し。この年末商戦は12月中旬まで続くので、トランプ大統領も中国製品への追加関税引き上げを12月15日まで延期した。

これまでも個人消費は堅調に推移してきた。7-9月期も前年比2.9%の伸びを維持している。失業率が3.6%と50年ぶりの低さとなり、賃金も3%台の上昇率を維持していることが原動力だ。こうしてみると、アメリカ経済は底堅い動きをしているように思われる。しかし半面、製造業は深刻な状態に陥っている。工業生産はことし6月以降、8月を除いて減少中。ISM(サプライ・マネジメント協会)による景況感調査は、11月まで4か月連続で好不況を分ける50を下回った。

アメリカのGDPは、個人消費が7割を占める。製造業の比重は1割強しかない。したがって個人消費の堅調が続けば、そのうちに製造業の業況も回復する。だから経済の将来に不安はない。こう考える人が、いまは過半数を占めている。もちろん、その可能性も小さくはない。だが一方で、落とし穴もないではない。

と言うのも、Xマス商戦の売れ筋は玩具やゲーム、化粧品など。その多くは中国製品であって、アメリカ製品はむしろ少ない。このため年末商戦が活況でも、アメリカの製品在庫は減りにくい。また現在の消費ブームは、15日以降の高関税を見越した“駆け込み”かもしれない。仮にそうだと、消費は年明けから鈍る可能性もないではない。楽観は禁物である。

       ≪5日の日経平均 = 上げ +164.86円≫

       ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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