経済なんでも研究会

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対中輸出・対米黒字・燃料輸入の動向

2019-04-19 07:16:22 | 貿易
◇ トランプ大統領は納得しない = 財務省は17日、3月分の貿易統計を発表した。それによると、輸出は7兆2000億円で前年比2.4%の減少。輸入は6兆6700億円で1.1%の増加だった。この結果、貿易収支は5300億円の黒字となっている。いま貿易に関して重要な視点は、対中輸出、対米収支、燃料輸入の3点だろう。季節的な変動をならすために、1-3月期の数字を前年同期と比較してみた。

まず対中輸出。3月の輸出総額が減少したのも、中国向けが9.4%も減ったため。1-3月期でみると、輸出額の合計は3兆6800億円。前年に比べて7.6%の減少だった。1月に大きく減少したあと2月はプラスになったが、3月には再び落ち込んでいる。中国政府は1-3月期の成長率が下げ止まったと発表したが、日本の輸出にはまだその影響が現われていない。

次は対米収支。1-3月期の収支は1兆6000億円の黒字だった。前年同期比では4.4%の増加となっている。日米間の貿易交渉を控えて日本はシェール・ガスや防衛装備品の輸入を増やす努力をしたが、その効果は数字に出なかった。トランプ大統領も、これでは納得しないだろう。5月以降の本格的交渉で、アメリカ側はこの数字を持ち出して厳しい姿勢をみせるのではないか。

もう1つはエネルギーの輸入額。1-3月期に輸入した原油など鉱物性燃料の総額は4兆7600億円だった。前年比では4.2%減っている。これは原油などの国際価格が下落したためで、輸入数量は減っていない。最近は原油価格が急騰しているから、4月以降の輸入額は増加に転じるだろう。政府は早急にエネルギー計画を立て直す必要がある。

       ≪18日の日経平均 = 下げ -187.85円≫

       ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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