子を持つ全ての親へ、川崎病って知っていますか?
川崎病を知ってる?
皆さんは川崎病を知っているだろうか。先日NHKのハートネットTVでも取り上げられたが、近年患者数が増加していると言われる、原因不明の難病だ。
「知ってる知ってる」「友達の子供が川崎病だったよ」と仰る親御さんによく出会うが、川崎病の存在を知っているだけで、川崎病のことについて知っている訳ではない方が非常に多い。未だに「川崎市の公害」だと思っている方にも会ったことがある。
これはそんな川崎病に対する認識の甘さが命取りになるかもしれないということを周知するための記事である。
親の知識が必要な理由
川崎病は冠動脈瘤や心疾患の合併を防ぐためにも急性期における早期治療が必要とされている。症状が現れて川崎病を疑う所見が出揃った段階で親が気づけなければ、冠動脈瘤のリスクが跳ね上がるということだ。
川崎病は医師ですらハッキリと「川崎病です」と断言することができない。原因が特定されていないため、親の記憶を頼りに聞き取りを行いつつ現状の症状から診断を下す以外に方法がないからである。普段から子供を見ている親のさじ加減ひとつで、医師の診断が遅れて取り返しのつかないことになる場合もあるということだ。
小さな小児科クリニックだと「風邪です、様子を見ましょう」で押し通されてしまい、どんどん発見が遅れてしまうなんてことになるケースもある。我が子もサードオピニオンで川崎病と診断された。そしてその時も数人の医師で確認し「不全型川崎病でいいと思います」と、曖昧な表現での診断を受けたのだ。
それだけ親の判断が物を言う病気だということを念頭に置いていただきたい。
まずはこちらに目を通して
私が書いた川崎病についての簡単な説明記事である。もちろん私の記事だけではなく、Wikipediaや様々な記事、文献なども併せて参照していただきたい。
よくある質問や相談
色々なグループが啓発を行なっているようだが、私の実感として川崎病をしっかり知っている親御さんは多くない。この機会に、私が色んな親御さんから受ける質問や相談とその回答をQ&A方式で、普段よりも少し丁寧に紹介していく。
Q.川崎病って治るんでしょ?
急性期における諸症状は適切な治療により完治し、また、冠動脈瘤が起こるリスクのピークも乗り越えることができます。ただ、あくまでそれだけです。未解明なだけに川崎病の根治という概念がそもそもありません。再発に怯えながら過ごすことになります。(脅すような言い方で申し訳ないけどそれぐらいの意識でいた方が安全です)
なお、小学6年生まで年に一度の定期検診が必要です。その後はほぼ心配いらないようですが、稀に大人でも発症するそうです。まぁ、定期検診を終えれば大丈夫でしょう。
Q.感染する?
いいえ、感染しません。ただ、流行する時期や地域などがあることや、環境や遺伝的要因が発症の原因の一つと考えられているため、同じ親から生まれ同じ場所で過ごしている兄弟間での発症は通常よりも多いようです。
Q.原因は一体なんなの?
原因は未だ未解明ですが、遺伝的要因に環境因子が加わることで発症すると考えられています。
例えばウイルスや細菌への感染、カンジダ(カビ)・中国からの気流・PM2.5などの吸引、添加物・界面活性剤の経口摂取などの環境因子を引き金に、なんらかの遺伝的要因を持つ子供が発症する、ということです。
日本での発症率がダントツで高く、韓国や台湾が次いで患者数が多い。また、海外に移住した日系人の発症率も現地人に比べると高く、兄弟間や親子間での発症率なども鑑みると、遺伝的要因はあるとみて間違いなさそうですね。
また、女子よりも男子の患者数が多いです。
Q.新しい病気なんだよね?
1967年に川崎富作先生によって発見された、比較的新しい病気です。日本では年間10,000人の患者が発症しています。
なお、1990年頃から患者数が年々増加してきていますが、患者数が単純に増えているというよりは川崎病の認知度が広がり適切な診断をくだせる小児科医が増えたことで、全国調査による患者数の増加が見られているようです。
Q.遺伝とか書いてあって責任を感じてる…
親御さんが責任を感じることは一切ありません。もちろん現段階でも遺伝的要因の解明に向け研究がされていますが、遺伝だったからといってそれが親御さんのせい、という訳ではないのです。
例えばアトピーや花粉症、食物アレルギーなどのアレルギー疾患というのも、川崎病と同じように遺伝的要因と環境因子によるものと考えられています。食生活、清潔すぎる、など、挙げだしたらキリがないほど様々な要因が混ざって誘発されると考えられているため、原因の特定は困難です。川崎病も同じです。
「母親の不摂生のせいだ」などとのたまうゴミ野郎も少なからず存在しますし、確かに私も10代の頃は不摂生の限りを尽くしてきました。でも悔やんだって戻れる訳ではありませんし反省したって治りません。
ちゃんと対処さえすればそんなに危険な病気ではないので、もしこの先「親の不摂生が原因で川崎病になることがわかりました」という結論が学会から発表されたとしても、あんまり気にしないでください。
Q.親の会とかってある?
川崎病の子供をもつ親の会 という、川崎病研究センター公認の親の会が存在します。講演会や出版なども行なっており、最新の正しい情報をシェアしてくださることと思います。心細くて不安な方は、仲間も多くいらっしゃると思うので、ホームページを見てみてくださいね。(私は、入会金や年会費などのお金を払うのを躊躇してしまって入会できていません)
私のように「お金をかけずに」ということであれば、病院や福祉センターなどで「ピアサポーターはいませんか?」と聞いてみてください。ピアサポーターとは、同じ病気の子供を持つ親のこと。人生は支え合いです。
もちろん私もピアサポーターとして活動していますので、気軽に話しかけてくださいね。
最後に
私は医師でも研究者でもなんでもない、ただのいち患者の母だ。そのため、このブログに書いてあること全てを鵜呑みにしないで欲しい。
…とはいえ、しっかりと精査した情報をピックアップし、日頃から勉強したことを書き綴っているので、ある程度の指針にしてもらっても構わないと思う。何よりも未解明なものだから、例え研究者であっても素人が提唱する説ですら否定することも肯定することも難しい。
むしろ、私の記事に対して意見や指摘があれば、ぜひお願いしたい。正しく、新しい情報を、私も常に求めている。
とにかく、病気について本当に気になることは信頼できる医師に質問するのが一番安心だろう。不安は少しでも取り除いて、病気と共に歩んでいこう。
川崎病におけるステロイド治療とは
我が子は再発時に重症と診断されてしまい、グロブリンだけでは効かないだろうということでステロイドの治療を行った。今回はステロイドについて記載していく。
ステロイドとは
子育て中の親御さんなら、アトピーなどの皮膚炎に使われる塗り薬として耳にする機会も多いだろう。ステロイドとは、もともと人体が副腎から分泌している抗炎症作用のある副腎皮質ステロイドホルモンと呼ばれるものである。強いステロイドを使えばどんなに酷い肌の症状も一晩で綺麗になることもあるほど、その効果は大きい。ただ、それだけ強力なために「脱ステロイド」を謳う医師や親御さんも少なくない。
もちろん、用途、用法用量によっては危険である場合もあるのだろうが、川崎病をはじめ、人体を壊してしまうほどの炎症反応が起こった場合においてはかなり有効であり病気によっては必要不可欠な成分であると言える。
ステロイドにもいくつか種類があるのだが、ここでは糖質コルチコイドと呼ばれるホルモンに限定させていただく。この糖質コルチコイドは炎症や免疫を抑制し、血糖を上げる作用がある。
川崎病におけるステロイドの役割
その名もパルス療法
3日間、ステロイド薬を大量に点滴する方法が、ステロイドパルス療法です。
具体的には、1gのステロイド薬を、ブドウ糖液250~500mlに溶かしたものを1~2時間かけて点滴で静注していきます。 これを3日間続けていきます。パルスには「衝撃」という意味があり、大量のステロイド薬を投与する療法は、”劇的な効果を得る” ところからパルス療法と呼ばれています。
パルス療法の川崎病における目的は、糖質コルチコイドを真似た化学構造で作ったステロイド薬を用いて、免疫暴走による強い炎症反応を抑制することが目的である。(免疫や炎症反応と川崎病の関連については下記の記事にまとめているため、参考にしていただきたい)
パルス療法を行うボーダーラインは?
我が息子のお世話になっている多摩小児総合医療センターでは、詳しいことは教えてもらえなかったのだが、炎症反応や症状、検査結果を基に川崎病の重症度に対して点数をつけているそうだ。これが5点以下であればステロイドの投与は必要ないのだが、息子の場合は8点だった。5点を超えるとグロブリンの効果だけでは症状が改善しづらいと判断され、パルス療法を実施することになる。
なお、ここの判断がしっかり出来ないと、何度も何度もグロブリンの投与を繰り返すことになるため、医師の手腕によるところとなるがこればっかりは未解明の難病なので医師を責めることもできない。なるべく経験豊富な医師がいる病院を選ぼう。
ステロイド長期投与の注意点
次に、ステロイドの長期投与を行った場合の主な注意点を記載する。
風邪をひきやすくなる
免疫抑制の作用がある…ということは、単純に風邪をひきやすくなるということだ。グロブリンの効果で免疫が強くなるのでは?と疑問に思う方もいらっしゃると思うが、投与している期間はステロイドが断然多い。そのため、結果的に免疫力は下がってしまうのだそうだ。
副作用が目立つ
副作用については下記のページが最もわかりやすいので参考にしてほしい。
我が子は下痢が続き、顔が丸くなり、お腹が妊婦のように突き出た。食欲旺盛で普段は食べない野菜もモリモリ食べたので、悪いことばかりではない。前向きに考えよう。
断薬は一筋縄ではいかない
パルス療法が終わると内服でのステロイド摂取に切り替わる。強いステロイド薬から弱いステロイド薬に減薬していき、1日の摂取量を徐々に減らしていくためだ。
というのも、冒頭で説明したようにもともとステロイドは副腎から分泌されているホルモンであるため、外部から薬で補うことにより副腎はステロイドの生産・分泌をサボるようになってしまうからなのである。そのため、徐々に減薬していくことが重要だ。だいたい1度目の検診が終わる頃まで服用し続けることになる。
多摩小児総合医療センターではかなり細かく検査しており、副腎の値が5を超えない限りは微量のステロイドを内服し続けることになる。息子は退院後すぐの検診の時に1.3という数値だったために、2度目の検診まで飲み続けた。「他の病院ではここまで神経質に診ないし気にしないような部分ではあるんですが」と仰っていたため、そこまで心配しなくても良さそうだ。
最後に
他の記事でも何度も書いているが、川崎病において一番大切なことは急性期の症状を早急に落ち着けることである。グロブリンだけでは改善されにくい症状の場合はパルス療法によって確実に落ち着けていく方がリスクが少ないと言えるのではないだろうか。
グロブリンの投与は1度につき24時間かかる。それから24時間様子を見て、症状が再燃するようであれば再度グロブリンを投与する。症状が完全に収まるまで何度も繰り返している間に、時はどんどん過ぎていくのである。
悪いイメージもあるかもしれないが、冠動脈瘤や心疾患のリスクをなるべく下げるためにステロイド投与が必要だと医師に言われたのであれば、受け入れてほしいと思う。
※この記事は随時加筆・修正を行っていきます
川崎病定期検診(再発後2ヶ月目)
ステロイドを服用している関係で、副腎ホルモンの分泌を見るため早朝から血液検査をした。その後すぐ心エコーと心電図をとり、血液検査の結果を待ってから内分泌科の医師と面談。
前回1.3だった数値は10.6まで上がっていた。5あればクリアということだったため、ひとまず安心である。ステロイドは今日から辞めて良いとのことだった。
医師のスケジュールの都合で午前中に検査と内分泌科の面談、そして午後に川崎病外来となっているため、昼食や休憩を挟む。
余談だが、多摩小児総合医療センターは川崎病の専門外来がある。未知の病ということで、せめて最先端の医療を受けたいと望む親御さんには是非オススメしたい病院だ。
さて、今回の川崎病外来での結果は心エコー・心電図共に問題なく、なんとアスピリンももう辞めて良いとのことだった。ようやく毎朝の投薬から解放された母子である…(感涙)
川崎病の急性期である2ヶ月を過ぎると、検診のスパンは空くようだ。次は1年後の予約だ。年1のフォローアップが5年間続く。
それまでに再発しないことを祈るばかりである。
朝から午後まで2歳児が病院で缶詰になるというのは母子ともに辛い状況であるが、YouTube様の尽力もありなんとか凌げた。
ガンマグロブリン大量療法の目的
長男がガンマグロブリン(以下、γグロブリンと記載)療法を始めるに際して「得体の知れない薬を投与されてたまるか」と思いγグロブリン製剤について一晩で調べ上げ、明朝、医師に頭を下げて投与開始をお願いした。私と同じようにお子様が川崎病に罹患してしまいγグロブリン療法を始める・始めた親御さんの助けになれば幸いである。
ガンマグロブリンとは?
γグロブリンとは薬の名称ではなく、免疫グロブリンというタンパク質のことだ。血液中に存在する水溶性の球状タンパク。主にリンパ節や細網内皮系で作られる、人体がウイルスや細菌と闘うための抗体…いわゆる免疫のことである。
このγグロブリンは5種類の抗体から成り立つ免疫システムであり、各々が別の役割を持って人体を守っている。
- lgE ヒスタミンを放出、アレルギー反応を引き起こす。
- lgG ウイルスや細菌の出す毒素を無毒化。出産時に胎盤から乳児へ移行。
- lgM 感染初期にウイルス等を破壊。
- lgA ウイルスや細菌の侵入を防ぐ。母乳に含まれる。
- lgD 働きが解明されていない。
点滴に使うγグロブリンは?
lgEの出すヒスタミンという炎症成分による毛細血管の炎症が川崎病なのだが、lgGの働きによりこれを無毒化することができる。
点滴に用いるγグロブリン製剤はこのlgGを超濃縮したものだ。lgGの働きによりlgEの暴走を抑制、ヒスタミンの発生を抑える目的である。
献血などにより採取した人の血液から免疫グロブリンを抽出し、滅菌処理等を行い、精製する。一番広く使用されているのは献血ヴェノグロブリンという名称の製剤だろう。
グロブリン治療の注意点
感染の可能性が否定できない
人の血液から抽出される成分で作られているため、ウイルスを不活化するための加熱処理やウイルスを取り除く処理は施しているものの、感染の可能性を完全に否定することはできないと言われている。ただ、今までにそのような報告は無いそうだ。
副作用に重篤な症状がある
どんな薬でも一緒だが、副作用などのデメリットとしては重篤なものから軽度なものまである。下記のリンク先を参照していただきたい。
小さい子供にはかなり酷
24時間は点滴を投与し続けなければならないため、小さい子供にはかなり酷だ。聞き分けが出来ない年齢の場合はベッドに拘束し、点滴を抜かないようにグルグルに巻いて固定することもある。体のために必要なこととはいえ、精神的ダメージが危惧される。
しばらく予防接種が受けられない
麻疹、風疹、水疱瘡、おたふくなどの生ワクチンは、グロブリン療法が終わってから6ヶ月間は摂取を延期することとなる。体内に残っている免疫が働き、予防接種の効果が抑制されてしまうためだ。不活化ワクチンは影響を受けないが、念のため2ヶ月ほどあけると良いと、指示を受けた。
急性期におけるグロブリン療法は必須
私はグロブリン療法を受けて良かったと思っている。急性期の症状は驚くほど良くなるのだ。やはり急性期の症状を早く落ち着けることが川崎病においては最重要であるため、迷うぐらいなら投与していただきたい。(親としては医師を信頼して投与する他ないのだろうが、安心して医師に任せて欲しい)
※この記事に関しては随時加筆・修正を行なっていきます
謎の難病、川崎病とは?
この記事にたどり着いた方の大半は、お子様が川崎病に罹患してしまい検索しまくっている親御さんや保護者の方だと思う。私も同じように検索の鬼と化した。我が子の病気のことなのだ、熟知しておこうとして当たり前ではあるが、看病やお見舞いにも体力は必要だ。当ブログを読んだら少しでも良いので休んで欲しい。
この記事は私が川崎病について調べ上げた結果をまとめたものである。残念ながら川崎病は原因や根治について未解明の病気であるため、無責任なことは書けないという理由から川崎病についてのデータはネット上にも少ない。私も専門的なことはほとんどわからないが、少ないデータから理解できたことだけでもまとめておきたいと思う。少しでも参考になれば幸いだ。
川崎病とは?
急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群。
全身の血管が炎症を起こす事で様々な症状を引き起こす病気。原因や要因については未だ解明されていない。川崎富作先生が患者を発見し、1967年に報告。そこから先生の名前をとって「川崎病」と呼ばれるようになった。
川崎病の主な症状
上記にも書いた通り血管で炎症が起こる病気なので、川崎病の診断で必要な諸症状は下記のような全身の熱・赤みを帯びるものが多い。
- 5日以上下がらない高熱
- 眼球、結膜の充血
- 唇・粘膜・喉の赤み、いちご舌
- 不定形な発疹
- 手足の指先の発赤
- リンパの腫れ
川崎病の診断基準
上記の主要6症状のうち5つが揃えば川崎病と診断される。また、5つ揃わなくても4つが出揃い、且つ冠動脈の腫れや瘤が確認されれば診断がつく。
なお、そのどちらにも該当しないものの大体の症状が出揃っており川崎病が強く疑われ、川崎病患者に多く見られるBCG摂取部位の発赤、下痢などの所見が確認される場合は、医師の判断で川崎病治療を進める。これを不全型川崎病と呼ぶ。
注意すべきは冠動脈瘤
そしてこの川崎病の急性期には冠動脈瘤を合併発症する恐れがある。また冠動脈瘤だけではなく、心機能の低下や心不全を引き起こす場合もあるため、急性期における早期治療で炎症を抑えて合併症を防ぐことが川崎病治療最大の目的であると言える。
治療については別で記事を書いている。そちらを参照していただきたい。
また、下記の記事によくある質問をまとめたので参考にしてほしい。
未解明である川崎病という難病について、少しでも知識がつけば不安も軽減されるだろう。
私も講演などに出向いてどんどん知識をつけていくつもりだ。データベースとして利用していただければ幸いである。
※このページについては随時修正・加筆を行います。
入院10日〜17日目(再発)
2016年8月16日(火)
経過良好。変わりなし。
2016年8月17日(水)
指の皮がどんどん剥けてきている。
私から見れば全然退院しても良さそうに思えるが、ステロイドの関係で無理らしい。
2016年8月18日(木)
昼間はモニターを外しても良いとのことで、リモコン式のモニターも外せるように。1日中ナースステーションの周りを歩き続けた。
足も皮が剥けてきた。
2016年8月19日(金)
経過は良好だが、看護師さんが忙しくてウンチを替えられなかった隙に、ベッド上でオムツを脱いで全裸になりウンチをシーツで拭くという暴挙に出た。相部屋の皆さんへ誠心誠意謝罪したが、皆さん笑ってくださった。
これだけ元気ならもう帰ってきていいんじゃないだろうか。
2016年8月20日(土)
なぜかこのタイミングで「自分で靴を履く」という新しいことにチャレンジした。
経過は良好。
2016年8月21日(日)
明日血液検査をし、明後日にエコー。
そして問題がないようであれば退院になるということだ。
2016年8月22日(月)
血液検査の結果、何も問題ないとのこと。
水曜日に退院が決まる。
2016年8月23日(火)
エコーの結果も問題なかった。明日、10:00に退院。
入院9日目(再発)と誕生日
今日は入院9日目、そして2歳の誕生日だ。
何も誕生日にこんな思いをさせなくても良かろうに、神は無慈悲な我が敵である。
朝には点滴が外れ、心拍を計るモニターもリモコン式のようなタイプになり、移動が可能になった。ご飯も部屋ではなく食堂で食べれるし、私が一緒なら病棟内を自由に散歩することもできる。
そして念願のプレイルームで遊べるようになった。
モニターを自分で背負い、食堂でご飯を食べる。
テーブルの上には看護師さんが作ってくれた誕生日カードが置いてあった。良い病院で心底ありがたさを感じている。
入院2日〜8日目(再発)
2016年8月8日(月)
γグロブリンの点滴が終了。
大量のコードをつけたまま私の膝の上で泣いて怒り、コードを引きちぎろうとしたり、凄まじい不機嫌は相変わらずである。
経過は良好、熱も下がった。
2016年8月9日(火)
夫がお見舞いへ。私は少し休ませてもらった。
耳の下の腫れもおさまり、発疹もひいてきたようだ。浮腫みはあるが、最初より見た目の症状は緩和されてきた」とのこと。
血液検査の結果、肝臓の数値も下がってきている。炎症の値は全体的に落ち着いたようだ。
2016年8月10日(水)
機嫌が少し良くなった。
目に見える症状はもうほとんどわからない。
2016年8月11日(木)
朝に37℃まであがったらしいが、室温のせいだろうとのこと。半袖にして空調を整えたら36℃になったようだ。
昼時に「お腹空いた?」と聞くと「うん」と答えた。「ご飯食べよう」と言うと笑顔で「はーい」と、点滴がついているコードだらけの手を挙げた。
2016年8月12日(金)
早くて再来週の火曜日あたりの退院になる、と医師に告げられる。
1回2mg投与していたステロイドを1mgにした。次に0.5mgに減薬し、そうして断薬するようだ。ステロイドの投与に頼っていて自分の体がホルモンをうまく作り出せない状態になっている恐れがあるためらしい。
2016年8月13日(土)
個室から出れた。コードを取り、お風呂にいれてあげることができた。
サッパリしたこともあり、お風呂まで抱っこで移動できたのもあり、いつになく楽しそうであった。
2016年8月14日(日)
靴を履いて、ナースステーションの周りをグルグルと散歩した。
思っていたよりも、トットット、と上手に小走りできていた。
ステロイドを内服に切り替えていくため、明日の朝には点滴が外せるようだ。
手の指の皮が剥けてきた。
入院1日目(再発)
川崎病確定ということで、ガンマグロブリンの治療を開始。そして今回はステロイドを用いたパルス療法というものも同時に行っていくこととなった。
というのも多摩小児総合医療センターでは、血液検査や症状の出方に点数をつけて川崎病の重症度を決めているそうなのだが、今回の長男の急性期は8点、重症と判断されたからだそうだ(5点がボーダーライン)
今回はリンパの腫れが強く、おたふくを疑うほどである。
川崎病の重症患者になってしまった。
ステロイドを用いると入院期間もかなり長くなるようで、もう絶望しかなかった。なんでウチの子ばかり、と苛立ってしまう。
とはいえ母である私がドッシリしていなければいけないのだ。
当事者である長男はもちろん、精神的に弱い夫、乳飲み子の次男、みんな私を頼りに生きているのである。泣き言なんて1つも漏らせない、漏らさない。
川崎病が再発した。
ただただ絶望である。
2016年8月4日(木)
保育園に迎えに行くと「37.8℃あって」と報告を受ける。
2016年8月5日(金)
日中も熱はあれど、それなりに元気で過ごす。
20:00になると39.6℃に上昇。ガンマグロブリンの効力も切れてきて、高い熱が出るようになってしまったのか。
金曜ロードショーでもののけ姫を見ながら看病するが、21:30頃に足の発疹を見つける。また、22:45頃には手にも発疹を確認。
川崎病を疑いつつも、手足口病や水疱瘡を疑う(予防接種は済ませているのだが)
2016年8月6日(土)
深夜2:30、突如咳き込んで「オエッ」としだす。背中をトントンして吐瀉物の処理を済ませて様子を見ていると、左耳の下あたりが驚くほど腫れている。パンパンだ。
手足口病ではなくておたふくか?と色んな可能性を視野に入れつつ、川崎病の症状を急いで探す。リンパの腫れ、発疹、発熱…唇も赤い。こりゃもしかして。
そしてかかりつけの小児総合医療センターへ救急で行くと、「入院しましょうか」と言われる。
ただ、今回は発熱からまだ3日しか経っていないことと、症状の出方がまだ弱いということで、様子見の入院ということだった。とはいえ、医師は十中八九川崎病でしょうね、と仰っていた。
あまり多いケースではないそうで、長男のデータを川崎病研究に役立てるために情報提供をさせて欲しい、とお願いされた。喜んで提供させていただく。こんな思いをする人はいなくなるべきだ。不安で仕方ない。早く解明されてくれ。
二ヶ月後の検診
今回も心エコーと心電図の検査をしたが、睡眠薬は使用せずにアンパンマンのDVDだけで頑張れた。偉いぞ長男。
前回も少し相談した風邪を結構引くという件についてやはり心配だったため、下記についてしつこいぐらい相談してきた。
- 先天的な免疫異常ではないか
- γグロブリンを打ったのにも関わらず何故こうも風邪をひくのか
免疫異常の可能性については、検査もクリアしているため否定された。
γグロブリンを打った場合の風邪については、あくまで風邪症状が抑えられるというものだそうだ。風邪をひいても重症化することはないということらしい。確かに熱が出るほどの風邪はひいていないが、そんなもんなのか?
今回診察してくださった医師は若くて優秀に見える医師だったが、前回お会いした循環器科の医師は聞くところによると川崎病研究における最前線の方だそうだ。その方がくすぶっていると仰っていたということが、気にかかる。
次は1年後で良いとのことで、ひとまずは医師の言うことを信じていくことにしよう。
入院9日目、退院
入院9日目
朝から血液や心エコーなど、様々な検査をする。
ちょっと熱が出ていると言われ、もう少しで退院できると思った私は再び絶望する。もう勘弁してほしい。
しかし検査結果は異常なく、この熱もただの風邪や外泊の疲れのようであれば、なんと明日には退院できるとのこと。午前中に電話連絡してくださるようだ。
祈るばかりである。
入院10日目
ついに退院!!
10日間という長い期間、病院でしっかり頑張って闘った長男は本当に偉かった。
ホッとしたし、今日から再び一緒に居られると思っただけで涙が止まらなかった。とはいえ今は川崎病の急性期が凌げただけであって、今後のフォローアップをしっかりして冠動脈瘤を防ぐのが何より大切なのである。川崎病のコワイところは冠動脈瘤なのだから。
皮がズルズルである。
一ヶ月後に検診をすることになり、しばらくは朝のアスピリンを服用していくことに。症状が出ないよう、しっかり診ていきたい。