バレエがうまい人でもそうでない人でも突き詰めたら同じことを注意されている | パパはバレエダンサー

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パパはロシア人バレエダンサー。中央アジアはキルギスタン
ビシュケクというところで暮らしています。
娘が2人、猫2匹。夢だったバレリーナ・・・
気が付けばバレエダンサーの嫁になってました。
いろいろ突っ込みどころ満載の
日々の暮らしを漫画でアップします。

みなさま今日はいい夫婦の日ですね。

 

こちらはよい夫婦かはわかりませんが仲良くやっておりますよ。

 

昨日は家族みんなでビッグバレエの新シリーズを見ました。

 

どういうわけか、知らないうちに自宅でロシアの全チャンネルが見られるようになっていて

しかもさかのぼり視聴もできるようになっていました。

 

気がついたときには放送時間を過ぎていたのですが

 

「これ見たかったな~」

 

といったら探して一緒に見て!!くれました。

 

バレエの番組とか異様に嫌がるロシア人。

 

来週も見てくれるとか言ってて

奇跡!!

 

そんなわけで

ロシア語理解率20%くらいの私が見た感想。

 

司会がザハロワで審査員がルジマートフとヴィシニョーワとか

プロでも緊張するわ!

 

まぁ出ている人、みんなプロなんですが…

 

それでも点数付けるとか、えげつない番組作りますね。

 

まぁプロもピンキリだということなんでしょうが

プロになってまで注意されることってなんだろう?

 

って思いませんか?

 

あんなに踊れる人のどこを注意するんだろう?

 

って不思議ですよね。

 

中には衣装が変とかもありましたが

私が気になった言葉が

「Чистый.」

 

 

日常生活でもよく使う言葉で

散らかっている部屋を見て「掃除して!」

とか

服とか食器とかに向かって「これキレイ?(清潔)」

とか

私でも使うロシア語です。

 

それをダンスで使うと

「Чистый танец」となり、審査員はこれを褒めたり称えたりジャッジしたりする場面が見られました。

 

で、それってどんなダンスよ?

 

ってなるわけです。

 

どんなダンスが「清潔」なのか・・・

 

 

英語だと清潔はハイジーンとかクリーンになるのかもしれませんが

ロシア人は「クリア」と訳してました。

 

なんとなく・・・・

 

二人とも母国語以外の語学はつたないのでこの辺で勘弁してくださいませ。

 

同じような意味で「アカデミック」もよく使うそうです。

 

伝統的な、格式的な…っていうほうです。

 

つまりは

 

腕の動かし方やポジションなどが伝統的なバレエの型にきっちりハマっている。

それが紛れもなくはっきり見えるバレエが「Чистый танец」なのではないでしょうか。

 

具体的に言いますと

 

足のポジションがどんなときも崩れない。

 

アンバ、アンナバなどの腕の動きが正しい軌道で正しいポジションに入っている。

 

など、どんな大技しようとも名前のない形にならない!

 

というのが大事みたいです。

 

 

ついつい

たくさん回ろう。

 

たくさん足上げよう。

 

高くジャンプ!

 

難しい技を見せたい!

 

と思ってしまいますが

 

審査員はそこではなく

いかに純粋なバレエになっているかをジャッジしているんですね。

 

そして純粋さは難しいことをしようとした瞬間に崩れやすいのです。

 

そりゃ

もうプロとして踊っている人ですから

技術はすでにある前提で、もしかしたら表現とか華やかさとか

そういう部分も大事ですけど

 

まさかの

 

5番が甘いとか腕の通り道が汚いとか

そういう話ですよ。

 

もう

 

「いつまでも言われることは変わらない」

 

というのに納得してしまいます。

 

バレエって何年やろうともどんなに上手くとも

結局のところ

「アンディオール」

「5番」

「ポールドブラ!!」

 

って言い続けられるのですね。

 

しかもそれができることはプロでも難しいということです。

 

よくサクセスもので粗削りだけど踊りの才能がある!という設定の子どもが

バレエ学校に行くとかいう話ありますけど

学校入った瞬間に自由に踊ることはできなくなって

徹底的に型、バレエのルールを叩きこまれるわけです。

 

型が叩き込まれたうえで、自分の表現をしていかなくちゃいけないんですね。

 

バレエ学校最重要の役割がそこなのでしょう。

 

また

 

ロシアには都市ごとにオペラバレエ劇場があって、普通はそこに付属するバレエ学校があります。

 

その最高峰がワガノワやペルミだったりするのですが

逆にそこそこのバレエ学校もあって

卒業したら付属の劇場に就職できます。

 

だからマリインスキー劇場で万年コールドのダンサーも

ほかに行ったら即主役。

 

田舎の劇場のプリンシパルもボリショイに行ったら

コールドしかできない。ということがあるんだなぁ

 

そういう意味でも

ロシア全土から若手とはいえプロを募集してジャッジするなんて

恐ろしい企画です。

 

素質の問題だけじゃなく学校そのもの、劇場の質もジャッジされているようなものですもんね。

 

プロになったのに

 

あの場に出て

ピルエットの前の4番が甘いとか

着地の5番がなってないとか

ジャンプの前に6番が見えるとか言われたらツラいな…

 

「そこかよ!」って思うかもしれないけど「そこだよ!!」って突っ込まれる。

もっとほかのところ見てほしいって思ったりするかもだけど、そこも大事なんだね。

 

もちろん、審査はそのほかのところも見ていたけれど

私が参考になるようなところはそれくらいです。

イタリアンフェッテのコツをヴィシニョーワが言ってたのはよかったか。

(違う衣装着ているって言われてた子がいたけど、どうしちゃったんだろう…)

 

そうそう、あんなに上手な人たちと同じところ(全然規模は違うでしょうけど)を注意されているんだから

「できなくて普通」

ではなく

「より注意してやろう」

と思いましょう。

 

だって!

 

 

「Чистый танец」はきっとみなさんがずっと言われ続けてきたことで

目指しているところで先生が教えたいバレエであって

体型も年齢も関係なくできる部分!なんですよ。

 

 

型を教えてくれるバレエ学校に行かないのが普通の大人バレエにとって

「Чистый танец」を理解して身に着けるのは大変だと思います。

 

でも教えられたこと、技ではなく姿勢、ポジション、腕の運び、バレエのルール!

一つ一つ丁寧に最新の注意を払って踊ることで

なんちゃってが薄れるはずです。

 

名もない手の形や足のポジション・・・・

それがなるべくなくなるように。

 

勢いで踊ってしまう私に必要な意識です。

 

 

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