将来有望な人材として人気の高い高卒新卒就職生。県内外から求人が殺到し、求人倍率は年々上昇しています。積極的に情報を発信している県外企業に、高校生の注目が集まりがちですが、地域活性のためにも確実に県内の高校から高卒者を獲得したいもの。
県内就職の定着に向けて動いている県も増えていますが、なかなか県内就職率が伸びないのが現実です。どうすればいいか頭を悩ませている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、高校進路指導の先生の本音から「地元の高校生の県内就職率を上げる採用活動の極意」を探ってみたいと思います。
「県内企業」と「県外企業」の採用活動の大きな違い
高校進路指導の先生によると、「県内企業」と「県外企業」の採用活動の大きな違いは、『学校訪問スケジュール』だそうです。
挨拶をかね、高校二年生の秋ごろからアポイントを取って積極的に学校訪問に来る県外企業に比べ、高校三年生の6月以降から学校訪問を始める県内企業が多いのが実情のようです。しかも、アポなし訪問のため進路指導の先生との面談ができない場合もあるそう。せっかく学校訪問しても、担当の先生と会えなければ効果は半減してしまいます。
「地元の企業だから仕事内容など分かってくれているだろう」と学校を訪問するのを怠ると、信頼関係を築こうと積極的に学校訪問をする県外企業との差は広がるばかりです。
高校生の就職先の決定は、進路指導の先生の推薦が大きく影響します。まずは、進路指導の先生に企業の魅力や仕事内容などを理解してもらう必要があります。県外企業に出遅れないよう積極的に学校訪問をおこない、信頼関係を築きながら企業PRに努めましょう。
効果的な自社アピールの方法
県外企業は印象に残る自社PRや中長期的な人事計画案を提示するなど、ポイントを押さえてアピールしてきます。高校の卒業生が自分の現状報告を兼ねて、企業をPRしにくることもあるそう。
進路指導の先生が、「効果的だ!」と感じるアピール方法は以下の3点!!
①先輩社員が働いている動画や画像などで、仕事内容が分かる資料
②入社後のキャリアプランがイメージできる資料
③インターンシップや職場見学の受入れ
地元高校出身の先輩が働く姿を紹介することで、企業を身近に感じるキッカケになります。また、入社後何年でどのような仕事や役職に就けるのかを図解したキャリアプランを提示することで、高校生が自分の働く姿や将来像を想像しやすくなるでしょう。
インターンシップや職場見学も県内で開催できるのは、地元の高校生が参加しやすいという大きなメリットになります。
給与など待遇面で県外企業と競うのは厳しくても、地元企業ならではの魅力を発信することは可能です。高校生は求人票の他に、パンフレットやインターネットで情報収集を積極的に行っています。働くイメージが伝わるパンフレットや採用サイトを作って、高校生に企業の魅力をPRしましょう。
「地元だから知っているでしょう」という認識は大間違い
「手作りでもいいから働くイメージが伝わる資料が欲しい」「学校訪問が少ないと採用意欲が感じられない」と思っている進路指導の先生が多いのが実情です。
「地元」という地の利を活かし、早い時期から学校訪問をかさね、学校と信頼関係を築きながら、県外企業に負けない自社の魅力を発信し続けることが、県内就職率UPの近道なのではないでしょうか。