3月の湯ノ丸山「地蔵峠から残雪期の湯ノ丸山・烏帽子岳を散策♪」

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湯ノ丸山とは?

 湯ノ丸山(ゆのまるやま)は、群馬県嬬恋村と長野県東御市の境にある標高2,101mの火山。関東百名山、群馬百名山の一つ。6月中旬から7月に掛けて咲く、レンゲツツジで有名な山です。

 難易度的には、雪山登山入門~初級者向けとなります。雪崩・滑落・凍傷・低体温症のリスクが少しありますのでご注意下さい。積雪期に登山をする場合には、一般的な雪山登山の装備が必要です。 湯の丸高原は、スノーシューハイキングの人気ルートですね。

*悪天候での雪山登山は大変危険です。

・アイゼン(クランポン)チェーンスパイク~12本爪
・ピッケル(アックス)推奨(撮影アイテムとして……)
・ハードシェル推奨
・冬山用登山靴推奨
・スノーシュー(ワカン)推奨(降雪後はあると楽)

レンゲツツジの時期はこちら↓

駐車場・アクセス

駐車場:湯の丸高原(地蔵峠)の湯の丸スキー場P1駐車場を利用。

アクセス:マイカー、又は、タクシーを利用。詳しくは、湯の丸スキー場のサイトをご覧下さい。

湯ノ丸スキー場:https://yunomaru.co.jp/

今回のコース

地蔵峠 標高1,726m(トイレ・売店・スキー場)
↓40分
鐘分岐 標高1,859m
↓50分
湯ノ丸山 標高2,101m
↓10分
北峰 標高2,099.1m
↓10分
湯ノ丸山 標高2,101m
↓30分
鞍部 標高1,858m
↓60分
烏帽子岳 標高2065.9m
↓45分
鞍部 標高1,858m
↓60分
地蔵峠 標高1,726m(トイレ・売店・スキー場)

標準コースタイム 5時間5分 距離:9.1km
(ロガー測定値:5時間43分・9.2km)
*雪の状態によって、時間や難易度が変わります。

残雪期の湯ノ丸山に登ってみた♪

「湯ノ丸山から烏帽子岳方面」

 2020年3月19日、積雪期の湯ノ丸山登山口としては一般的な「地蔵峠」の駐車場を目指した。道は完全舗装で道幅はまずまず広い。高速のインターから近くてアクセスも良く、湯の丸スキー場があるため、厳冬期でも除雪が行き届いていて安心できそうだ。


「地蔵峠駐車場」

 順調に車を走らせ、午前7時前に駐車場に到着。ココの駐車場は24時間開放されており、トイレも常時開放されているので登山はしやすいと思う。

 

「リフト方面からスタート」

 今回は湯ノ丸山から回るので、湯の丸スキー場の第1ゲレンデ方面へ。出発時間が少し遅くなるけど、あまり歩きたくない……と言う人は、リフトを使うと20~30分ほど時間を短縮することが出来る。

*リフトが運行しない日があるようです。また、事前に登山で乗車可能かどうか確認して下さい。

「ゲレンデ右側の不整地を行きます」

 リフトを使わない場合、ゲレンデを直登する人も居るようだが、私はゲレンデの隣にある不整地を登った。ここは整地されていないものの、滑走してくる人がそれなりに居るようだ。リフト営業中に登る場合には、滑走してくる人との衝突に注意が必要である。


「リフト上部」

 当日の雪の状態は、やや湿った柔らかい雪で、足は踝あたりまで沈んだ。トレースも2~3人分位しかなく、かなり体力を削られながら、30分ほどかかってリフトとの合流点へ辿り着いた。


「まっすぐ行くだけです」

 リフト終点からは、湯ノ丸山を正面に見ながら進む。鐘分岐までは林間の勾配が無い雪道だが、雪が柔らかく、足が沈み込むのでわりと疲れた。


「鐘分岐」

 途中にある東屋で少し休憩を取り、鐘分岐には駐車場から50分ほどで到着。すでにコースタイムはオーバー気味であるが、晴天でトレースがしっかりとしていれば、安全で楽なコースだと思う。


「積雪量は少なかったが……」

 鐘分岐から湯ノ丸山までは、無雪期のコースタイムで40分ほどの登りだ。斜度はそこまでキツくなく、雪も柔らかかったのでアイゼンは使用しないで進んで行った。

*積雪期は特別な場合を除きアイゼンが必要です。ピッケルは出番が無いでしょう

「傾斜は最大この位です」

 このルート上には高い木がほとんどないので展望は良い。霞で撮影は難しいレベルだったが、遠くに富士山も見えていた。


「悪天候時はルートロストに注意ですね」

 沈み込む足に苦戦しつつ、頑張って登って行くと山頂が見えてきた。厳冬期でも、団体が歩いた後なら、もう少し楽に登れるだろう。


「北峰の奥に四阿山」

 湯ノ丸山の山頂には8時50分頃に到着。山頂に堆積している岩はかなり出ている状態だった。やはり雪が柔らかいと体力が持って行かれるな~と思いつつ、休みながら周囲の景色を楽しむ。


「篭ノ登山・浅間山方面」

 遮る物がないので360度の大展望が楽しめるが、前回の四阿山と近い感じがする。まあ、すぐそこに見えているのだから当然だろうな~と思いつつ、少し眺めてから北峰へと向かった。


「北峰まではノートレース」

 こちらは誰も歩いていないのか、あるいは風で消えたのかノートレース。当日は風が強く、歩くと雪が吹き飛んで雪煙が激しく舞う。今回が今シーズン最後の雪山散策なのだが、一番と言って良いくらいに雪山気分を味わうことが出来た(笑)。


「北峰から湯ノ丸山」

 北峰から戻り、湯ノ丸山山頂直下の樹林帯の陰で風を避けながら休む。何だか疲れたので、今日はこのまま下山しようかな……と思いつつカップラーメンを食べた。


「烏帽子岳方面」

 まあ、折角だから周回で下山しようと烏帽子岳方面への分岐を見てみると、これまで登って来たルートよりもハッキリとしたトレースがあったので鞍部まで下ってみた。


「結構、登り返します」

 烏帽子岳方面への登山道もそれほど急なところは無く、雪も緩いのでつぼ足で下って行く。鞍部までは、標高差で250mほど下る。烏帽子岳へ行くには登り返しが大変そうだが、今回は今期最後の雪山散策……折角なので登ってみることにした。

「トラバース気味に上るルートです」

 烏帽子岳への登山道は、前半の尾根を登った後は山腹をトラバース気味に登るルートになっていて、ルートを外れて直登しない限りはそれほど辛くは無い。


「斜面に木は少ない」

 湯ノ丸山の登山道同様、このルートにも危険箇所と言うほどの場所は無い。しかし、少し急な斜面のトラバースがあり、雪の状態が悪い時に滑落してしまうと木に激突して怪我をするかもしれないので注意は必要だ。

 なお、雪崩の危険性についてはわからないが、登山道より上の斜面はそこそこ急で木が少ない。大雪直後や、なだれ注意報が出ている時には注意した方が良いと思う。


「気持ちが良い道」

 トラバースルートを上り詰めると稜線に出る。ここまではトレースが無いとわかりにくいかもしれないが、稜線上はルートがハッキリとしていてわかりやすい。傾斜もそれほど厳しくないため、天気が良い時は気持ちの良い散策が出来るだろう。


「偽ピーク」

 気温が上がって雪が緩み、足を取られそうになりながら登って行くと、小烏帽子岳と言うピークに着く。残念ながら、本当の山頂はもう少し先だ。


「展望は良い」

 景色を見ながらのんびりと進み、烏帽子岳山頂には11時頃に到着。この日は霞んでしまったが、すぐ隣にある湯ノ丸山と展望自体はほとんど変わらない。あまり歩きたくない……と言う場合には、どちらか一つで良いだろう。


「烏帽子岳山頂から湯ノ丸山」

 景色を堪能した後は、来た道を鞍部まで戻った。ここからは、ほとんど勾配の無い単調な道を通って地蔵峠まで戻るだけだ。


「危険な場所はありません。熊以外は……」

 この日は暖かく、雪はどんどん溶けていた。今後、纏まった降雪が無い限り、4月初旬にはほとんど無くなるのではないかなと思う。


「湯の丸キャンプ場」

 ひたすら林間の登山道を進み、冬季閉鎖されている「湯の丸キャンプ場」の雪原を進んで地蔵峠の駐車場へと戻る。9.2㎞・5時間43分のゆるい散策だった。

関連動画「3分で冬の湯ノ丸山(2023年1月初旬)」

・暇な人はどうぞ(音注意)。

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まとめ

 湯ノ丸山は、トレースがあれば特に難しいところは無いですね。天気が良い日であれば、雪山初心者でも問題なく登れるでしょう。烏帽子岳のトラバースルートが雪質によっては少しだけ危険かもしれませんので、踏み抜きによる滑落には気を付けた方が良いかもしれません。

 今回は雪が柔らかく、全ルートをアイゼン無しで歩けましたが、雪の状態によってはアイゼンが無いと危険だと思います。軽アイゼンで十分だと思いますので、必ず携帯しておいて下さい。

もう行った(行ってみたい)……と言う人は↓

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