【流し猟】サラリーマン、はじめてシカを狩る!【後編】

こんにちは。
へっぽこサラリーマンのおにおにです。

今回は僕が初めてシカを獲った日の後編になります。
まだ前編を見ていない方は下のリンクから前編を御覧ください。

【流し猟】サラリーマン、はじめてシカを狩る!【前編】

2019年9月24日

ソロでの流し猟

この日は、案内して頂いている人が用事があるという事で一人で行くことになりました。
シカは早朝のほうが出会いがあるという事で今回も朝2:30に起きて現場へと向かいます。

この日は小雨が降ったり止んだりの天気。山の上の方は霧が出ていました。
遠くまで見えない悪条件という訳ではなかったので、流し猟スタート。

いつもは地元の方に運転してもらい、僕が横でシカを探すというスタイルでやっていましたが、今回は僕一人。周りをそんなに見渡す余裕はなかなかありません。

以前に僕の愛車のジムニーは壊れてしまい、今乗っている車は新型ジムニーまでの繋ぎと…コミコミ6万円FFの軽自動車。
悪路走破性なんて夢のまた夢、高速道路だって怪しい。
一人ですので特に注意して、道路状況やシカがないか注意しつつ、ゆっくりと車を走らせます。

【猟期前なのに…】さらばジムニーいい車だった。

2018年11月12日

雄鹿との出会い

一人なので周辺にいるシカを探すことは難しいですが、それでも出会いはありました。

車を走らせていると、後方からシカが飛び出してきました!

すごく立派なツノを持った雄鹿です。
ダイナミックにツノを揺らしながらすごいスピードで前方に駆けっていきます。
イノシシと違いシカの走り方はダイナミックですね。ものすごく大きく見えました。

(´・ω・`)(気づくのが遅かったか~)

なんて考えていたんですが、シカは暫く走ると山に入り、数メートル登ったあとジーッとこっちを伺っています。

(´・ω・`)(え?車で追う形になったのに、逃げないの?)

実際はお尻が完全にこっちを向いて、首をねじってこっちを見ている。

立派な雄鹿はお尻を向けた状態で、首をねじってこちらを伺っています。

チャンスです。
僕は前回の反省を活かし、急な動きや金属音に注意して…ゆっくりとにらみ合いながら…僕は山へ入ります。

(自分で獲った雄鹿の立派なスカルを飾りたい)(こいつは立派だから文句ないぞ…)(最初の獲物がこいつなら最高だ)(バックストップ確認・・・OK)(閉鎖音気をつけて…)(弾を3発入れるんだぞ…)(頼む!動くなよ)etc…

一瞬の内に色々考えた気がします。

そこからスッと目線を逸らさずに…銃口をシカの方へと向けました。

・・・

一瞬の静寂のあと轟音が山へ鳴り響きます。

バン!!

シカはビックリしたのかクルッと身を翻します。

(やばい!逃げられる!!)  バン!!!  バン!!!

残りの2発も撃ち込みました。しかし…シカは右足を若干引きずりながらも猛スピードで谷へ駆け下りて行きました。

半矢です。
どこかで倒れているかもしれないと思い、谷へ降りて時間をかけて周辺捜索しましたが、どこにも居ません。大量に出血しているんなら、血痕があるはずですが、どこにも血痕も見つけることが出来ず、完全に分からなくなってしまいました。

距離は25m程度。十分に当てれる距離です。
お尻には着弾していると思います。後ろ向きの獲物を獲ることへの難しさ…走り出したシカへの対応…また課題が見つかりました。

雌鹿2頭との出会い

出会ったのはメスとメス

発砲音はかなりの大きさなので、この日はもう出会いは無いかなと思っていました。
しかし、車をずーっと走らせると今度はメスジカが2頭飛び出してきました。

先程と同じ様に、しばらく走ったあと山の中腹あたりで止まり、ジーッとこちらを見ています。

おにおに
今度こそ!

そう思い車からゆっくりと降ります。
しかし今度は、車から降りた僕の姿を確認した途端、ピー!ピー!と警戒音を発しながら逃げていってしまいました。
逃げながらも遠くの方でずーっとピーピー鳴いています。

さっきのは千載一遇のチャンスだったのかな…。

そうしていると時間もお昼前。激アツとの噂の時間を過ぎています。
時間帯のせいなのか、警戒音と発砲音のせいなのか、それからの出会いは全くありませんでした。

ガックリと肩を落としながら帰路へと突きます。

初めてのシカ

時間ももうお昼頃もう会えない時間なのかなとも思いましたが、せっかく来たのでからそれでも…と思い、以前に案内された場所にも足を伸ばしてみることにしました。

ラジオを聞きながらぼーっと運転すること1時間くらい。
それは突然に出てきました。

カーブを曲がった道の真ん中に居たシカが、僕の車の接近に驚いて目の前を走り出しました。
僕はそのまま車を走らせます。結構な距離を車で追いかけた気がします。
シカは、ある程度走ると山の中へ入っていきました。

おにおに
難しいと思うけど、一応降りてみるか

そう思い、車を止めて山の中へ入ってみます。
目線を落としながら少し歩いた時…えっ!?

シカです。山の中腹くらいでジーッとこっちを見ています。
結構雑に動いたつもりでしたが、シカも走り疲れたのか?
2頭います。メス&メス!

体の向きは横を向いていて、2頭が重なるようになっています。

今度こそ…ッ。

ゆっくりと弾を込めます。3発撃てるように準備。

(出来れば2頭まとめて…)
なんて雑念が一瞬浮かびましたが、振り払い落ち着いて狙います。

バン!

ガクッ。手前のシカが転びました。手応えあった!!!
しかし、すぐに起き上がり走り出しそうです。

バン!

さらに、追い打ち。シカはまた転びました。
今度は立ちません!!急いで現場へと急ぎました。

僕が近づくとシカは最後の力を振り絞り、ぐぐぐっと前足を踏ん張り逃げようとします。
やばい!
すぐに構え撃ちます。弾は背中を貫通し、シカはその場に倒れ込みました。

しかし、息はまだありました。
フーフーと荒い呼吸を繰り返しながらジーっとこっちを見つめています。
(すぐに楽にしてやらなきゃ…。)
僕はすぐに剣鉈を取り出し、シカの喉の付け根あたりから心臓に向かって刃を強く押し込みます。

グサッ・・・バタバタッ。

シカは最後に前足をバタつかせました。
心臓に剣鉈が到達し、ダラダラと血が出てきます。
シカは静かになりました。

運搬&解体

達成感や興奮や罪悪感など色々な感情が渦巻きしばし放心状態だった気がします。
しかし、ぼーっとしては居られません。やることを成さねば。

その後は、証拠の写真撮影を済ませ解体に入ります。
幸いにも少し移動したところにキレイな沢がありましたので、そこまで運ぶことにしました。

注意
 野生の動物はダニが多数付着しています。
トラックなどがあれば良いのですが、そのまま車に乗せるとダニが車に入りこんでしまいます。
荷台がない車の場合、室内に積むしかありません。
僕はホームセンターなどで売っている業務用の500リットルの丈夫なビニール袋を用意して、そこにシカを丸ごと入れ、ダニスプレーをして密閉して運んでいます。
ダニは死滅はしませんが、この方法で車に被害は今のとこありません。


沢で洗っている。水が血で濁っています。

一人でシカを捌くのは初めての経験です。
手順を思い出しながら腹を開けていきます。完璧に覚えているつもりでしたが、横隔膜の剥がし方や肛門周りの処理が曖昧で苦労しました。
それでもどうにか内容物を取り出すことが出来ました。内臓は食べても良かったのですが、内容物で汚れてましたし食べきれないので、ほとんど埋めました。

そういえば以前どこかで「心臓に切れ込みを入れ、高い位置に置いて山の神様に感謝する」と聞いたので心臓は取り出すことにしました。

次に皮を剥いでお肉にしていきます。

出来るだけ無駄にしないように捌いていきましたが、最初の弾も腰に着弾し、最後の弾も腰を大きく傷つけていたのでロースはとれませんでした。
それでも両前足・両後ろ足は綺麗状態でお肉を頂くことが出来ました。

取れそうなお肉をとったあとは埋葬します。
深めに穴を掘ってそこに埋めます。内蔵もそこへ。
ガスが膨らんで爆発する可能性があるので、胃などに穴を空けておくと良いそうです。

最後に心臓を掲げて手を合わせてその場を後にしました。

その後

鹿肉大好き犬がめっちゃ褒めてくれました

すべての作業を一人で終え、その日は興奮しながら帰った気がします。
いつもは眠くなる帰路が全く眠くなりませんでした。

帰ってからはお肉をすぐに冷凍するのではなく、ペットシートなどでくるんでしばらく冷蔵庫で保管しています。
その方が、軽く熟成されて美味しいと僕は思っています。

両前足と後ろ足を頂きました

実はこの日は僕の33歳目の誕生日の前日。
山から良い誕生日プレゼントになりました。

次の日は激しい筋肉痛に襲われる事に…!
40・50キロ位の小さな個体でも、それを持って山から降りたり、沢へつけたりと想像以上に重労働なんですね。これを書いている時点でまだ痛いです。

後日談編へと続きます・・・。

僕がはじめてシカを撃ち、落ち込み、さらに狩猟が好きになった話。

2019年10月2日

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ABOUTこの記事をかいた人

サラリーマンでも狩猟はできる! 2016年より第1種狩猟免許と罠免許を習得と同時にブログ開設。 空気銃のレインストームと散弾銃のBeretta A400で狩猟を楽しむ。 他の趣味は麻雀/ハースストーン/クラロワ/美味しいもの/酒