岐伯は続けて言いました。
「肝が熱を持ってしまうのは、
好きな人と両想いになって、そのしあわせに深くはまり込み、
ひどいほどにいちゃいちゃばかりしている時、
あるいは、好きな人を一途に想っているけれど
口にしないでいて、胸にある思いが外にあふれてくる時です。
肝が熱を持つと、
胆汁が出て口が苦くなり、
爪が枯れます。(王様と色16)
肝が主する筋膜が乾くので、筋が引きつれて、もつれてしまう、
筋痿という病になります。
筋痿になると、宗筋がぐったりのびるので、
男の人は、白いおしっこが、
女の人は、白いおりものが、
じくじくとにじみ出て、流れるようになります。
宗筋とは、生殖器を支える筋です。
『下経』には、
筋痿は肝の熱によって起こり、
肝は、体の内で力を使いすぎて熱を持つ、と書いてあります。
医者は病の人を見て、顔色が蒼いと、肝が熱を持っていると分かります。」