王様は岐伯に聞きました。

 

「では、疝とは、どんな病だ?」

 

岐伯はこたえて言いました。

 

「疝とは、寒の邪気が結び目のように固まって動かないために、

痛みが起こる病です。

男では睾丸から下腹部が痛み、

女では、下腹部に痛みが起こります。(王様と色5

腎の脈が、大で急で沈、

肝の脈が、大で急で沈なのは、疝、

心の脈が、滑で急なのは、心疝、

肺の脈が、沈なのは、肺疝です。」

 

王様は、岐伯に言いました。

 

「なるほど、瘕も、疝も、寒の邪気によって起こる病なのだな。

邪気が体に入ると、困った事ばかり起こるなあ。」

 

岐伯はうなずいて言いました。

 

「はい、そうなのです。

 

肝でも、腎でも、肺でも、

脈が満であるところに邪気が入ると、

実となってあふれてしまい、

みんな、腫れる病になります。

 

肺の脈で、気が溢れて塞がれば、

ぜえぜえと息をして、両方の脇の下がパンパンになります。

 

肝の脈で、気が溢れて塞がれば、

両方の脇の下がパンパンになり、寝るとハッとするようになり、

おしっこが出なくなります。

 

腎の脈で、気が溢れて塞がれば、

脇腹から下腹がパンパンになり、

左右の足の太さが違うようになって、足に力が入らなくて歩けず、

体の半分が思うように動かなくなりやすいです。」